週刊PONTE vol.54 2019/11/25

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.54 2019/11/25
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆
・青木直哉…ジャグリングがつなげるもの Weekly 第45回 「KJF」
・Fuji…フジづくり 第54回「ゲームマーケットに行ってきました」
・板津大吾…たまむすび 第14回「道具が渡っていくこと」
・じん…寄稿用紀行記 第5回
・きんまめ…デビステのてんぷら 53本目 「刺激、還暦」(メルマガ第47回)
・寄稿募集のお知らせ
・編集後記
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◆ジャグリングがつなげるもの Weekly◆ 文・青木直哉
第45回 「KJF」
「移動とジャグリング道具」は、いったんお休み。
今回は韓国のジャグリングフェスティバルについてです。
韓国に来ております。
そう、ジャグリングのフェスティバルに参加するため。いつも通りですね。
韓国には「韓国ジャグリング協会」という団体があり、コリア・ジャグリング・フェスティバル、通称KJFを毎年やっています。
ソウル近くでの開催が多かったのですが、今回の開催場所は南。釜山の近くの町。
会場は韓国の伝統芸能を学ぶ文化センターのようなところでした。周りには山ぐらいしかない。街灯もあまりない。
KJFは日本の大会JJFと違って、規模がすごく小さいです。今年も参加者は20人ほど。それでも、みんなそれぞれにジャグリングを熱心にやっていて、ボールをやる人も、ディアボロをやる人も、デビルスティックをやる人も、スタッフをやる人も、ポイをやる人もいます。道具のバリエーションとしては、たくさんの道具が見られて、日本のような状況です。年齢層は若くて、だいたいほとんどが20代くらい。協会の会長さんも、今年から新しい方に代わっていましたが、これまた40代の方。参加者と一緒になってふざけていて、全体的に若いパワーを感じました。
KJF4回目の参加にして今回特に感じたのは、(初参加は2014年)「いつものメンバー」がいる安心。
初回から見ている人もいるし、途中から来始めた人もいます。
JJFにもみんな遊びに来ているので、交流がわりに頻繁にあります。
もしかすると、来年からしばらくはずっと同じ場所で開催するかもしれない、とのこと。
アクセスも悪くないし、体育館と宿が隣り合っているので移動も面倒くさくないし、体育館は24時間使えるしで、かなり恵まれた環境でした。
場所が同じだと、人をもっと呼び込むのも少し楽になる気がします。
KJFに行くたびに、たくさんの食べ物をふるまって頂きます。
今回も豚足やらプルコギやらたくさんの食べ物とビールや焼酎を頂いて、3kg太りました。
ちゃるもごっすむにだ(ごちそうさまでした)。
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◆フジづくり◆文・Fuji
第54回「ゲームマーケットに行ってきました」
最近ボードゲームやテーブルゲームにハマっていて、一昨日初めてゲームマーケットというイベントでビックサイトまで行ってきました。いろんなクリエイターの人が様々なボードゲームを販売しています。もちろんハンドメイドの作品も多かったので、見て回るだけでも面白かったです。
価格もだいたいが1500円-2500円くらいで、業者に発注してつくったようなものになると3000円以上します。それに加えて拡張パックなども売っているので、物足りない人なんかはそれを買っていたりします。また、1つのブースに専用の試遊スペースがあるので、ルール説明をお店の人から聞きながら実際に遊んでみることもできます。
ただ、かなり出店数が多いので、全てを見て回るには時間がかかります。また、早い店舗だと開場してすぐに売り切れてしまうところもあるので、自分は試遊スペースを利用せず、お店の人の説明を聞いて、直感で面白そうなものを買いました。単に人見知りなところもありますが…。
ワンコインで買える500円のものを見つけては買っていたので、気づけば相当な数のボドゲを買っていました。ちなみに購入したもので一番高かったのはボドゲではなく1,200円のトランプです。(笑) なかにはレザーケースに入った13,000円以上する木製のトランプもありました。
基本的に大勢でやる機会がないので、ルールを知らなくてもすぐに出来るような2人用を選んで買っています。購入したものの中には中2の息子がつくって、お母さんが売っていたテーブルゲームなんかもありました。買わなかった商品でも面白いものはたくさんあったので、そのアイディアを参考に自分でつくってみたいと思います!(笑)
by Fuji
「ゲムマの戦利品 (右下の蜂がトランプ)」
https://jugglingponte.com/wp-content/uploads/2019/11/gamemarket-scaled.jpg
現在、PM Jugglingで販売中のスエードボール。巾着ケースをFujiがつくってます。
PM Juggling 「otomodama 3個セット」
https://pmjuggling.com/product/otomodamaset/
Juggle Pack
【Instagram】https://instagram.com/jugglepack_official?igshid=v5fjxithzxrv
【HP】https://jugglingponte.com/2019/07/19/jugglepack-project-about-to-begin/
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◆たまむすび◆ 文・板津大吾
第14回「道具が渡っていくこと」
ジャグリング公演「秘密基地 vol.10」で上演された『otomodama』という作品に、道具製作で参加させていただきました。ジャグリングの道具を舞台上で実演販売する、という内容の作品です。それに合わせて、演出家の福井さんとともに、現実にも販売する本物の「商品」をつくりました。
完成したotomodamaは、表面にスエードを使用した、ミニサイズのビーンバッグ(お手玉) です。福井さんが作品に向けてイメージされていた「人とものとの対等な関係」や、僕が考えていた「ジャグリングの道具はジャグリングされていない時間の方が長い」ということをかけ合わせて、人の生活になじむ、お供のような、お友達のような、そんなコンセプトのボールが完成しました。
そして公演本番。僕は何度か客席から観させていただきました。作品上とはいえ、自分がつくった道具を、実演販売という形で人に紹介してもらうというのは、なんとも不思議な体験でした。
つくった道具が自分の手を離れて、その意味を保ちながら、実演販売員(演者)に。それが公演の観客へ伝わり、そして、インターネットからを含む購入者へと。これまでにないプロセスを体感して、道具というのは、ものを通じたジャグリングそのものの交換なのではないかと、はっとしました。福井さんの作品イメージと、僕自身の経験からつくられた、ある意味パーソナルな道具が、そのまま人の手に、その意味ごと渡り歩いていく不思議さ。
道具をつくり、それが人の手に渡ること。それは、僕のジャグリングと、購入者のジャグリングの交換、あるいはコミュニケーションなのかもしれません。一度自分の手を離れ、実演販売という形で紹介してもらうことで、そのことが意識できました。道具と、それを受けとってくれる人のジャグリングとの交流を、力を抜いて期待し、楽しんでいきたいな、と思ったのでした。
otomodama
https://pmjuggling.com/product/otomodamaset/
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◆寄稿用紀行記◆文・じん
第5回
『ピンクの猫』の存在意義の話。
ジャグリングの(価値についての)言わば「地図」があったほうが良い理由のもう一つは、ジャグリングの世界が豊かになるようにするため。
言葉によって、ジャグリングの見方の違ったもう一つを得ることがある。知(言葉・概念)によって、世界は拡大するのではなく、世界を異なる視点から複層的にみられるようになる。
東京が一つの「東京」という街でなく、アキバや浅草や北千住(や渋谷や新宿や原宿や下北沢)といった様々な街から成る複合体の都市であると知るには、「東京」は“ここ”だけじゃないと知る必要がある。本当は実際に歩き回るのが良いのだろうが、地図を眺めることでも代用できる。
同じく、ジャグリングも“これ”だけじゃないと知ると、世界は広がる。「世界が広がる」というのは、東京から/日本から外のことを知ることで物理的距離が広がるのではなく、「東京」という街の認識が変化するということだ。「東京」をアキバ的(価値観の)視点からも渋谷的視点からもみられるようになるということが、世界が豊かになるということだ。
僕が考えることは、ジャグリングの土地にはどのような価値があるのか、その価値を一体どのように「言葉にする」のがいいのか、ということだ。四角く切って何番地、とすればいい訳ではない。ジャグリングの世界の価値を、ジャグリングという土地の地図を、どのように描いたら、この街を上手く表せるのだろうか。
地図からこぼれ落ちる情報はある、ということを僕は知っている。迷子の時の僕の“触感”が知っている。GoogleMapsのストリートビューだって完全ではない。それでも、それでも。
『ピンクの猫』はジャグリングをsophisticateする言葉を、やっていきます。
以上、『ピンクの猫』所属、じんでした。以後お見知りおきを。
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【筆者について】
じん
Twitter https://twitter.com/jin00_Seiron
note https://note.mu/jin00_seiron
「ジャグリング論集」は『ピンクの猫』による最新のジャグリング基礎文献です。→ https://pincat.booth.pm/
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◆デビステのてんぷら◆ 文・きんまめ
53本目 「刺激、還暦」(メルマガ第47回)
先日ご報告しました、明石市の文芸祭の表彰式に出向いた。仕事でもあまり着ないスーツで出向いた。
(短編)小説部門の他に随筆、児童文学、詩、短歌、俳句、川柳とそれぞれの受賞者がホールに集まって来るのだが、露骨に年齢が高い。感覚的には60歳くらいが平均なんじゃないかと思う。地方自治体の文芸祭、〇〇市文学賞なんて、往々にして地元のおじいちゃんおばあちゃんが応募のメイン層なのだから当然の帰結なのである。欠席された受賞者もいたが、一般の部ではおそらく私が最年少だっただろう。
表彰式自体は特に何があったわけでもなく、壇上でペコペコしていただけなのだが、面白かったのは同日各部門ごとに行われた講評会である。小説部門では、四角く囲んだ机に選考者(作家)たちと受賞者がつき、自分の作品についてあれやこれや言ってくれる。受賞者4人で順番にそんなことをやっていく。適当に褒めそやし褒めそやされで終わりなのかと思っていたが、ホントに忌憚のない意見が飛び出る刺激的な講評会だった。2時間ミッチリ。
「私はこれは文学だとは思いませんでした」
「ここの表現は鼻につきましたね」
「ありきたりな主題で新鮮さがない」
「起伏がない展開で印象に残らなかった」
「この表現方法をとった必要性を感じない」
バチバチなのである。
私はというと、そんなにちゃんとした批評を求められると思ってなかったのでザッとしか他の作品を読んでおらず、内心焦りながらその場で読み直してなんとか感想を捻り出していて、それはそれで刺激的な時間を過ごしたのであった。
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きんまめ:ジャグリグサークルジャグてっく元部長。くらいしか経歴がない。デビルスティックをやっていました。分野によって感想の強さって異なるよねって思いました。文学って厳しめじゃないですか。好きなジャグラーは特にいません。
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◆寄稿募集のお知らせ◆
週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。
◆編集後記◆ 文・青木直哉
-自分の記事も、この編集後記も、ホステルのラウンジで書いているのですが、目の前で欧米人のグループがNetflixでホラー映画を延々と観ていて、集中するのが大変でした。
また来週。
PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。
<END OF THIS ISSUE>
発行者:青木直哉 (旅とジャグリングの雑誌:PONTE)
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