週刊PONTE vol.149 2021/09/20

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.149 2021/09/20
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉/板津大吾…PM & PONTEのジャグリングセッション または瓶に詰めた手紙 第13回「わざわざの壁」

・ハードパンチャーしんのすけ… 日本ジャグリング記 舞台編 第11回

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

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◆PM & PONTEのジャグリングセッション または瓶に詰めた手紙◆
話し手・板津大吾(PM Juggling)& 青木直哉

第13回「わざわざの壁」

中目黒のカフェチェーン「セガフレード・ザネッティ」で対談。青木がエスプレッソについて熱弁していたら、大吾さんが「そんなに言われると気になる」とのこと。試しに「カフェ・マキアート」を飲んでもらう。

板津大吾(以下D)
ん、これは美味しい!

青木直哉(以下N)
でしょ! ここ(セガフレード)で飲むエスプレッソは、国内ではかなり美味しいほうだと思います。

D
これは知らなかった。ドトールのエスプレッソとかは飲んだことあったけど、まったく別物だね。

N
イタリアではコーヒー(カッフェ)と言ったら濃厚&芳醇なエスプレッソです。僕らが一般的に飲むようなドリップコーヒーは、ほとんど飲まれてないですね。アメリカンコーヒーは「汚い水」とまで呼ばれるくらいで。僕が好きなのはこの「カフェ・マキアート」。エスプレッソに、ミルクが少しだけ入ってます。この上からザーッと砂糖かけて、あんまりかき混ぜずに飲む。最後に砂糖が残るんだけど、スプーンですくって食べるのが最高に美味しくて。あと、カプチーノは基本的に朝の飲み物で……。

(20分近く、イタリアのコーヒーについて語る)

D
……2013年のEJCに行った時にイタリアも訪れたけど、こういうのは体験しなかったなぁ。一人でどうしたらいいかもわからないし。海外の人がすることを実感として知ってるのはいいね。

N
実感については、たくさん話せますしね。

D
なんか海外の経験って、食べ物や飲み物が占める部分は大きいのかもしれないね。自分も、韓国料理のことを思い出す。

N
それはあるなぁ。シンガポールを思い出す時も、真っ先に料理ですね。あと、イタリアのジャグラーがこういうコーヒーを毎日のように飲んでいると知ってるのも、一見ジャグリングとは関係ないんだけど、それを知ってジャグリングを見ると、どこか印象が違うんですよ。
大吾さんのnoteはそういうものに近いんじゃないかな。ジャグリング道具の作り手として日常で感じていることを知っていると、道具を見る目も変わるな。もっともっと聞きたい。

D
でも最近、日常のこととジャグリングを結びつけて書くのって面白いな、と思ってるよ。なんか、ジャグラーがそれぞれめちゃくちゃ本気で作った本を出したら面白いだろうなぁ。大橋昂汰くんとか、中西みみずくんとか、Misakiさんとかさ。喋る時とは違う、もっと深いところの本音が聞けそう。そもそも、ジャグリングをする人がどんなことを考えているのか知るのって、面白いよね。

N
「YANA」がいいのは、そういう部分ですよね。ジャグラーと世の中との関わりを、クールに切りとっている。

D
しかも、大判のアート雑誌っていう今までにないやり方だけど、ちゃんと多くの人に通じる形で出してるよね。第9回(※)でも話したように、適切な距離で、星として輝いてる感じ。

N
「YANA」は突き抜けてますね。
なんか、たとえば、ジャグリングの「映像」ってもう飽和しているような感じがするんですよね。もちろん、見れば面白いんだけど。でもどんなに力を入れて映像を作っても、ある一定以上の突き抜け方をしないっていうか……。
数年前に、フィンランドのサカリ・マンニストっていうジャグラーと話をしていたときに聞いたんですけど。『ジャグルドール』っていうビデオ作品を2006年に作った頃は、ビデオカメラも借りるしかなくて、途中でパソコンからデータが消えちゃったりして編集も大変だったっていうんですよ。結局、プロジェクトを始めてから6年越しで作ってるんですよね。その頃は、映像作品を撮ること自体、大きな壁だったと思う。けど今の時代、自分の壁を改めて自分で作らんといかんな、とか思う。

D
先日のフニオチル(※)なんかは、普通の映像とはちょっと違った感じだったね。

N
そうですね! あれは、実際に集まって、ちゃんと照明を用意した舞台で発表して、かつ生配信してましたからね。力入ってました。やっぱりもっと「実際に会う」経験が組み込まれているといいなぁ。それは、映像に限らず、文章でもなんでも。
「わざわざやってる」っていうところがいいんだな。

D
今日の対談だって、小さな体験だけど「実際に二人で会って、わざわざ中目黒でエスプレッソを飲んでる」っていうことから発生してるもんね。
そういえば、初めてウェス(・ピドゥン)に会った時、「こんな大きい人なんだ!」ってびっくりしたな(笑)。けどそういう単純な驚きも含めて、面白いよね。

N
確かに(笑)。でもそれだって、その人のジャグリングを見る目が変わる体験ですよね。
まぁ、今は実際に会うのが難しい場合もあるけど、人に会わないにしても、何かまだ見つかっていない壁を、自分で考えて、越えたい。

D
PM Jugglingでこだわりの新しいボールを作りたいのは、根底にそういう思いがあるかも。

N
うんうん。他の人が壁を越えて作り出したものも、やっぱり目の前でたくさん見たいですね。
ああ、でも一方で、僕らが知らないだけで、世の中にはすでにいっぱいあるはずなんですよね。「大きな壁をこえたもの」が。
もっと何でも、自分で見つけに行くっていう姿勢を持たなきゃな。インターネットで検索して知った気になっても、しょうがないや。人が作ったものを見つけるのもそうだし、あとは自分のこともそうだと思う。自分自身が何かを実際に生身で作ることで、新しいものが見つかる、っていうこともいっぱいあるから。
作ることは、見つけることだから。

D
今日の一言、出た(笑)。でも、新しいものを次々発表することで、また新しい関わりができたりもするもんね。

N
本当に。ひとまず今日は大吾さんにエスプレッソを飲んでもらえてよかった。

D
エスプレッソの壁を越えたよ。

…今週は、以上。

-第9回「ジャグリングをまわる星たち」… https://jugglingponte.com/weekly/ponte-weekly-vol145/
-フニオチル… ジャグリングユニットピントクルによるジャグリング公演。無観客で配信を行った。無料で見られます。
 1日目 https://youtu.be/c34wR5jLKXw
 2日目 https://youtu.be/XBGwTgrYuT0
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☆PM Jugglingのnoteを勝手に紹介☆
どこでもジャグリング
https://note.com/daigoitatsu/n/ne366ccb77666
「対談は、どこで話すかが内容に影響する。何をしたあと、どんな場所で、何をしながらジャグリングについて考えるのか。」
(記事本文より)
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◆日本ジャグリング記 舞台編◆ 文・ハードパンチャーしんのすけ

第11回

前回、ジャグリング公演の名前を決めた話を書きました。
ジャグリング史には余談になるのですが、名前にまつわる話をもう一つ残させてください。

初めて製作したジャグリング公演は「堀の外のジャグリング」……
名前には、「和」の雰囲気を入れることを考えていました。「ジャグリング」自体が海外の匂いがし、あやふやになってしまうのですが
ジャグリングを知ってもらう > 和テイスト
の関係でしたので、ジャグリングを名前に入れるのは外せない。

なぜ、「和」を入れたかったのか。
それは、江戸の下町深川に、ぼくは住んでいて、まちにジャグリングや大道芸を知ってほしい。さらに、ジャグリングを通して、地域外のひとに深川を知ってほしい、と思っていたからです。公演の目標の一つは、これを達成することでした。だから、名前にも地域性を意識したものを取り入れたかったのです。

深川というまちは、祭りに命をかけていると言っても過言でないほどに、祭り好きです。祭りを通して、地域のコミュニティを維持している土地です。祭りに参加すれば、まちのひと、みたいなね。
下町気質、そして江戸風情がかすかに残っているこのまちで、ジャグリングや大道芸を展開するのには、和のイメージが良いだろう、と思った訳です。何より、その頃、ぼく自身もそういった文化に惹かれていたのです。

では、なぜ、まちにジャグリングや大道芸を、と思ったのか。
それはパフォーマーとして活動するようになり、各地で開かれる大道芸フェスティバルに参加させてもらうことが多くなったことが大きいです。
大道芸フェスティバルと言っても様々ですが、良いフェスティバルに参加すると、きちんと土地に根ざしていて、そこに住むひとの良さが滲み出ているように感じます。
自分も、土地のひとと生きるジャグリングを、大道芸をつくってみたい! ……そう思ったのが、名前に込めた思いのひとつです。

結果から言えば、その思いに従って舞台公演をつくったことは、地元のひとたちとの様々なつながりをじわじわとつくることになり、たくさんのことをやらせてもらっていますが、それはまた別の話。

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◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

-現在、ハードパンチャーしんのすけさんが今までに書いてくださった記事をより読みやすいようにアーカイブすべく動いています。

-なんだか最近、全然本気でジャグリングをしておらず。でも、ちょっとしたきっかけがあって、また、パフォーマンスを再開しようかな、という気になってきました。

-「FLIKCUBE」という商品が、クリエイティブユニットTENTのストアから発売されています。PM Jugglingとのコラボレーションで生まれた、かわいいお手玉のような商品です。でもただのお手玉とは一味違います。今年6月に話が持ち上がって、7月には実物とともに、発表会&販売を開始した、というとんでもないスピード感の商品です。この商品の開発の経緯についての記事も、そのうちTENTの方から出ます。ひとまず詳細はこちら→ https://tent1000.stores.jp/items/60fa551d729134310da3f23e (編集長の青木が、デモンストレーターを務める動画もあります)

また来週。

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

発行者:青木直哉 (PONTE)

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