週刊PONTE vol.192 2022/08/22

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.192 2022/08/22
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉… 「ジャグリングのはなし」の続き

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

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◆「ジャグリングのはなし」の続き ◆

文・青木 直哉

先週の土曜日8/20に、本屋・生活綴方で、ジャグラーの結城敬介さん、中西みみずくんと共に三人で「ジャグリングのはなし」という対談をしました。現地とオンラインで、たくさんの方にご覧いただいきました。
今回はそのトークの前日に、僕がTwitterで何件か連続してつぶやいたものを、今一度まとめて、少し加筆修正し、掲載します。本当はこのような文章をnoteで発表すれば、トークの宣伝にもなると思ったのですが、うまく書けなかったので、Twitter上でつぶやいたら、うまくいきました。そして、僕なりに、本を書いた意義について本質的な部分に触れていると思えるので、読んでくださった方ももしかするといるかもしれませんが、再びここに残す次第です。
トークを終えて、また違うことも色々と感想として持っています。それについてまた来週以降、書ければと思います。

※※※

そもそも僕はなんでトークをやりたいんだったか。それは『ジャグラーのぼうけん』という本を書いたことで、(ちなみに5月に発行されたのはvol.1で、続刊します)「本を出す」という行為についてものを言いたくなったからです。ジャグリングについて話したい、というのは副次的な要素だった。僕は長らく、ジャグリングを通じて体験してきた、さまざまな海外での体験について、きちんとした本にしたいと思っていました。もちろん、今まで、PONTEという名前の雑誌上で(自分で作りました)たくさんのエッセイを発表してきたんですが、それとは違う、もっと一般に向けたものを書きたかった。
僕は今回、「生活綴方」という本屋に出会ったことで、自分一人でやるよりはだいぶ大きな範囲に届けられる機会を経たので、本を書きました。結果、今までとはちょっと違う感覚があった。僕自身がジャグリングを何故今もやっているのか、何が好きなのか、ということの一端がよりくっきり伝えられたような気がしました。
同時に僕自身にとっても、今回の本を書くことは、「自分とジャグリングの関係」について理解が深まる経験でした。今まで、なんでジャグリングを好きなのか、ずっと自分でもよく理解できていなかった。でも、文章というのは、本質的には自分が好きなことしか書けません。それで、書いている途中で、自分の好きなことが、何かやんわりと分かりました。
「自分が好きなものについての愛」というのは、普段の生活では、あまりハッキリした形で表に出てくるものではありません。恥ずかしいから。なんか、場合によっては白けるから。精密に語ると長くなるから。だからこそ、生活と切り離した形で聞いてもらえる、読んでもらえるものにしないと伝わらない。そして、人に語ったことのないもの、というのは、どんどんどんどん、自分の中でも風化していくんですね。忘れ去ることっていうのはあんまりないけど、地層の奥深くに眠っていきます。そうなると自分でも思い出せなくなってくる。
だから僕は、人に語るという行為を介して、自分が本当に美しいと思ったこと、本当にこれは面白いと思ったこと、心が動いたことを、自分でも思い出しています。人に語る、という契機を通して、自分自身がそのことを掘り出しているんです。つまり著述というのは、黄金時代の発掘作業なんです。自分の思い出を発掘してきて、たくさんのお宝を掘り当てた成果を、面白い展示にする作業、それが本の執筆である、と言えます。僕が『ジャグラーのぼうけん vol.1』の執筆で感じたのはそのことでした。展示作りなんですね。同じ思い出(発掘品)でも、それをどう展示するかで全然印象も違う。そしてそれを展示する過程では、自分でも、それをどう並べたら面白いか、なぜこれに価値があると思っているのか、僕はなんでこんな思い出を今でも大切にとっておいたのか、ということを否応無しに考えます。それはやっぱり「本にする」というある程度の圧力があって初めて考える。

僕は「ジャグリング」という概念の周りにある「ちょっとこっ恥ずかしい部分」を伝えたい。そういうのは、ショーでは伝わらない。代わりに、「本」というメディアはとても良い。細かく伝わるから。「こっ恥ずかしいこと」だって、丁寧に、真摯に扱ってあげさえすれば、読めるようになる。僕はいつでも、自分の「こっ恥ずかしい一面」には、大切なものがある、と考えています。それはただそのまま、剥き出しで人前に出すと時にちょっと敬遠されるんだけど、うまく組み立ててあげて、面白く育ててあげて、丁寧に整えてあげると、「作品」と呼ばれるものになる。その過程で、自分でも、その「こっ恥ずかしい部分」と向き合うことができます。
あとは、なるべく自分で「これは言い当てられているなぁ」という言葉に置き換えていくことで、自分でもその記憶の発掘品を鑑賞することができるようになります。一人の人間が、ある一つのこととどのように付き合ってきて、どこが好きで、何に憧れ、どんな具体的な経験をしたのか語ることは、ほかの人にも、きっとこれぐらい鮮やかな経験があるのだろうなぁ、という想像を促します。僕はそうやって自分自身のことを、なるべく細かく書くことで、「ジャグリング」という言葉が持つ世界を耕しているつもりでもいる。
文化(culture)は、耕す(cultivate)ことで豊かに広がる、と今は思います。十数年の自分のジャグリングとの付き合いに向き合って『ジャグラーのぼうけん』を書き続けることで、書いているのは個人史ではあるんだけど、巡りめぐって「ジャグリング」という文化自体も、耕せていたらいいなと思います。

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☆PM Jugglingのnoteを勝手に紹介☆
おじさんの背中
https://note.com/daigoitatsu/n/nc773b97c4a88
「今日も午前中はランニング、午後は新しいマイクが届いて実験タイムをすごしてしまう。」
(記事本文より)
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◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

-諸般の事情により、先週、特にお知らせもなく休刊しておりました、すみません……。

-メルマガ自体をしばらく休んでみてもいいのかもしれないですが、ここまでくると、休む方が勇気がいります。まぁ、まだ続けます。

また来週。

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

発行者:青木直哉 (PONTE)

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