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    最新号

    • 週刊PONTE vol.159 2021/11/29

      === PONTE Weekly ==========
      週刊PONTE vol.159 2021/11/29
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      PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
      週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
      毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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      ◆Contents◆

      ・青木直哉…Object Episodesを聴く(8)

      ・ハードパンチャーしんのすけ… 日本ジャグリング記 舞台編 第20回

      ・寄稿募集のお知らせ

      ・編集後記

      ◆ジャグリングの雑想◆ 文・青木直哉
      Object Episodesを聴く(8)

      OBJECT EPISODES 8
      https://www.juggle.org/object-episodes-8/

      2021年10月からObject Episodesのシーズン2が始まっている。といっても内容がガラリと変わるわけではなく、同じようにジェイとエリックがおおよそ1つのテーマに絞って、2時間前後会話を繰り広げていく。シーズン2の最初のエピソードは、「フォーク(Falk)サーカス」について。

      ……といってもこれは馴染みのない単語だろう。というのも当然で、これはエリックがジェイに向けて言った造語だからである。ジェイがさまざまなジャグラーやミュージシャンと組んでおこなってきたジャグリングのショー「Shoebox tour(シューボックスツアー)」を形容したもの。
      ジェイは、シューボックスツアーを2006年から近年まで行っていた。アメリカをはじめアイスランドや世界のさまざまな国を回っており、その舞台のセットアップは、一般的なプロセニアムではなく、図書館だったり、友人の家のリビングだったりする。
      そんないわば「地に足ついた」ジャグリングのショーをさして、エリックは「フォークミュージック」「フォークダンス」にあやかって「フォークサーカス」と(半ば冗談で)名付けたのである(だが両人曰く、もっといい名前を考えたいね、とのこと)。

      面白かったのは、ジェイがシューボックスツアーを始めた経緯は、8歳の時、一輪車にハマっていた頃まで遡れる、ということ。これにはエリックも驚いていた。
      話のキモとしては、パフォーマンスをする際に舞台で音楽をかける技術者がいるが、本番当日に会ったばかりの人にショーの大事な部分である音楽を任せる、ということに違和感を感じたということである。そこで自分でカセットデッキを持ち込んで、マイクをその前に置いて操作をした。
      そうすれば間違いがないだけではなくて、そのセッティングで、たとえばフェードアウトをマイクを遠ざけることで表現したり、その見た目も面白かったりと、遊びがいがある。
      もう1点、かつてジェイがドイツのヴァリエテショーのシアターなどで大勢の観客に向けてジャグリングを見せていた頃は、基本的にその観客はジャグリングに興味がなかった、という点を挙げる。
      「でも僕は少なくとも、何かを見たい、と思っている人に向けてショーをやりたいと思ったんだ」と言い、その具体的な形としてシューボックスツアーを位置付けている。
      そこには、本当に来たい人しか来ていない。

      リビングルームでショーを行うと、劇場のように観客席はないので、即ち、座る場所が都合よく舞台の方を向いてはいない。なのでそれに合わせた音響、ジャグリングの見せ方を考える。そして大事なのは、リビングルームや図書館を「まるで劇場のように錯覚させる」ことではなく、ただその場所としてありのままで使う、ということ。同じように、パフォーマー自身も決して観客と「異なる存在」としてではなくて、同じ地平にいる存在としてジャグリングを提示する、ということがしたいのだ。
      観客とは友達のような関係がいいのだ、という。

      観客席、というものについても、150席ある劇場で30人しか座っていないのでは、120人の空白が目立ってしまうが、来たお客さんにそれぞれ椅子を持っていってもらって、どうぞ自由に座ってください、と言えば、たとえ3人しか来なかったとしても観客席は満席で、しかもその3人は、そこで何かを見たいと本当に思っている人たちなんだ、という。

      「舞台」といういわば伝統的な装置には、観客と演じ手を分断するための機能が内在されている。でも、ジェイがシューボックスツアーを通してやりたかったことは、「リアリティをアンプリファイ(増幅)する必要がない」(1:25:10あたり)やり方だったのである。

      このエピソードは、他の脱線が多い回と違い、一貫して「フォークサーカス」というものを軸に語られる。一般的に想起されるようなジャグリングのショーとは違ったあり方の、ジェイとエリックなりの、ジャグリングの提示の方法についての、対話である。

      参考:
      SHOEBOX TOUR 2012 REVIEW AND INTERVIEW
      https://www.juggle.org/shoebox-tour-2012-review-and-interview/

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      ☆PM Jugglingのnoteを勝手に紹介☆
      編み図
      https://note.com/daigoitatsu/n/n5b93d24633d2
      「仕事の最後に、また編み物を触る。すこしでも触ろうと思って手をつけるのだが、やりはじめると、もっと続けたくなる。」
      (記事本文より)
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      ◆日本ジャグリング記 舞台編◆ 文・ハードパンチャーしんのすけ

      第20回

      2006年、立て続けに商業的な意味のジャグリング公演(有料かつジャグリングに特化した公演)が生まれました。
      「ジャグリング」が市井に広まり始めたのが1990年前後と考えると(寄席だったり、大道芸だったりはそれより以前に在ったけれども)、そこから20年弱でジャグラーによるジャグラーの公演が生まれたことになります。
      それまでも、寄席的な見せ方、他ジャンルを交えた公演はありましたし、海外サーカスカンパニーによるジャグリング公演もありました。それらは異なる文脈のもののように感じ、サーカスでもなく、演芸でもなく、大道芸でもなく、「ジャグリング」というジャンルとして一つの分野が確立した2006年からの10年くらいは面白い時期だな、と思っています。

      同時期には、アマチュア(学生)や若いパフォーマーによって、いくつかの他ジャンルにまたぐオムニバス公演が開催されていたことも記しておいた方が良いでしょう。
      今も続く「夢奇房」は、ウェブサイト(http://www.yume-kibou.com)をみると2003年発足ですね。また、名前を失念してしまいましたが、やはりマジックサークル発でのジャグリングやマジックを融合した公演があったのも2006年前後の出来事であったように記憶しています。もともとマジックサークルの中に、ジャグリングをするひとがいたのも確かで(今はどうだろう)、そんなこともあり、ジャグリングを織り交ぜたヴォードヴィル的な公演がいくつか生まれたのかな、と思います。
      また、演劇の中に、ジャグリングを取り入れたことをうたう公演も2006年以降、目にしました。思い出そうとしたのですが、劇団名思いだせず……ポイのYUTAさんが出ていて、劇中重要な役割となる役を担っていました。

      自分たちで楽しむことから、外へ向かって表現することへと歩き出したのが、2006年以降の印象です。

      そんな中で、これからのジャグリング公演をどう発展させてゆくか。
      そこには三つのことが必要だと、考えました。
      ・キャパの大きな劇場での公演
      ・ロングラン
      ・日常的に見られるようになること
      舞台編の締めくくりとして、この三つの観点から振り返って行きます。

      ◆寄稿募集のお知らせ◆

      週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
      800字以内でお書きください。
      編集長による査読を経たのち掲載。
      掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
      投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
      締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

      ◆編集後記◆ 文・青木直哉

      -「2006年から」という時期はちょうど青木がジャグリングを始めた頃に重なっています。YouTubeをはじめとしたインターネットの盛り上がりと連動している感じもする。

      -そういえばObject Episodes 8ではYouTubeについても触れられていて、ジェイが「YouTubeが出てくる前は、観客席にリングが飛んでいくとみんなキャッチしてくれたんだけど、YouTube以後は、リングが頭にあたっちゃう人が増えたんだよ。画面を見てるのと同じなんだね」と言っていた。そんな馬鹿な、とも思いつつ、でも、心のどこかで、インターネットによって明らかに生の体験の質は変わったんだ、としっかりと感じている。

      また来週。

      PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

      発行者:青木直哉 (PONTE)

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