週刊PONTE vol.155 2021/11/01

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.155 2021/11/01
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉…ジャグリングの雑想 36.Object Episodes を聴く(6)

・ハードパンチャーしんのすけ… 日本ジャグリング記 舞台編 第17回

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

◆ジャグリングの雑想◆ 文・青木直哉

36. Object Episodes を聴く(6)

二人のジャグラー、ジェイ・ギリガンとエリック・オーベリによるポッドキャスト「Object Episodes」を聴き、特に面白いと思ったところ、それに対する筆者の連想を述べるシリーズ。

Object Episodes 6 2020年12月16日公開

Object Episodes 6

エピソード6は、「サーカス学校」の話……と言いつつ、二人の話はどんどん広がり、大筋としては、ジャグリングにおけるクリエーション全般の話になっていく。
話がひたすら脱線していくので、筋を追ってここに要約を載せるのが非常に難しい。
ジェイがジェローム・トマのカンパニーにいた頃の話、マイケル・モーションへの敬愛、チームRdLとして、これまでとは違うジャグリング道具の形を追求していた頃の話、大学(SKH=旧DOCH)の授業で、どのような問いかけを生徒に対してしていたか……など、昔の話もふんだんに出てくる。

結局のところ、ジャグリングの学校で学ぶべきこととは何か、という結論に対しては、
1.効率よく練習ができるようになること
2.クリエイティビティの鍛錬
3.ジャグリングに対する情熱を失わない方法を編み出すこと
を挙げている。

1に関しては、そもそもジャグリングは自分で膨大な時間をかけて修練していくものだ、という前提をあげる。ジャグリングの姿勢が汚かったからといって、それは教師が直すべきものではない。あくまで「そういうジャグリングをしたいのかどうか」という本人の意思によるものだから、そのような具体的な部分に対して口出しするようなことではない、という。むしろ、自分がやりたいことを実現するために、すべきことを考えて判断できる力を伸ばすのが大事だ、というのが要点。

2の「クリエイティビティは技術と同じように鍛錬によって伸ばすもの」という視点は、ジェイらしくて面白い。例えば、10個の3ボールルーティンを作ってみる、というようなやり方で、クリエイティブな作業は、7クラブカスケードの練習と同じように進めていくものだ、というのである。
この話の前段階として、ジェローム・トマというジャグラーのカンパニーでジャグリングをしていた頃、同じチームにいたジャグラーが、毎日運動着に着替えて、練習時間の半分以上をヨガをして過ごし、後半でやっとボールを持ってきて天井を見上げるのだが、彼がジャグリングをすることは稀で、どちらかというとジャグリングをせずにまた着替えて帰ってしまうばかりだった、という話がある。ある日彼にその理由を聞いてみると「インスピレーションは自分ではコントロールできないものだ。だから僕は、インスピレーションを受ける準備をするだけで、もしインスピレーションが湧かなかったら、その日は練習しない」と言ったそうのだ。ジェイは、そんなのおかしい、と思い、むしろ自分は、創作の力は自分がアクティブに働きかけて鍛えることで得るものだ、という思いを強くする。

3に関しては、「やる気のサステナビリティ(Sustainability of your passion)」という言葉が出てくる。ジェイは「練習でもコンベンションでもなんでもいいけど、ジャグリングを続けていくことができる理由について意識的であるのがいいよね」という。エリックも、「モチベーション、インスピレーションを自分の行動でどうアクティブに維持するかが大事だね」と同調。ジェイは、ジャグリングを見て、いい、と思った時に、なぜ好きだと思ったのかを二言、三言でいいので言葉にすることが癖になっているという。それが、自分が前に進んでいくための力になるのだと。

さて、終盤の2時間23分50秒あたりで、「自分のジャグリングへのラブをプロテクトする」んだよ、という言葉が出てくる。
この一言が、このエピソードのハイライトだと思った。ずっとジャグリングを好きでやっていても、なんらかのきっかけで、ジャグリングを好きでなくなり、しまいには遠ざかってしまうこともある。
そうならないように、ただ流れに身を任せるだけではなくて、時には「ジャグリングへのラブ」も、自分でプロテクトしてあげないといけないのだ。

ちなみに、ジェイは少年時代には「学校が終わって午後2時に家に着いて、そのまま午前2時までジャグリングしているような生活」で、時に16時間やっていたこともあった、という。凄まじいラブである。

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☆PM Jugglingのnoteを勝手に紹介☆
ジャグリング練習日記 #43 何もないことを求めに行く
https://note.com/daigoitatsu/n/n80c976212c47
「最近はあまり「練習だ!」という感じではないけど、公園に来て後悔することはない。特に何も起こらないのかもしれない。でもそのことは決して無駄ではない。時間がもったいなかったなとは思わないし、そもそも何もないことを求めに行くようなものだ。」
(記事本文より)
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◆日本ジャグリング記 舞台編◆ 文・ハードパンチャーしんのすけ

第16回

2006年6月に開催したジャグリングオムニバス公演「堀の外のジャグリング」。
出演順に、出演者を紹介して行きますね。

・chie デビルスティック「メトロノーム・ダンス」
作品名が示す通り、メトロームをモチーフにしたデビルスティック。メトロノームを想起させる三角錐のオブジェ、そして、BGMのテンポに合わせたデビルスティック。三角錐から飛び出しての技の数々。
Chieさんは、お出かけジャグラー四天王? だっけか、練習会があれば、あちこちに出向いていることで名を馳せていました。そして、デビルスティックへの情熱がすごい。彼女がいなければ、ぼくもデビルスティックへの熱が高まっていなかったでしょう。ナランハのDVD「Fantastic
Devilstick」も一緒に出演しました。「メトロノーム・ダンス」は収録されていませんが、興味のある方はご覧ください。

・マジカルTOM ディアボロ「TOMスタイル」
しゃべりを入れながらで、普段のショーの雰囲気に近い演目だったかな。ただし、普段使わない挑戦的な技(本人曰く「マニアック」)をふんだんに入れていました。
普段使わない技を「マニアック」と呼ぶのは、当時大道芸界隈でよくあったような。ショーで使っても、理解されない……という実感を自虐的に?表した言葉ですね。今振り返ると、当時のパフォーマー界隈の意識が見えて面白い。今はあまりそんな表現は使わずに、ショーに組み込まれている気がします。見せる技術も上がったなぁ。

・鶴岡アキラ コンタクト「Courtship Behavior」
鶴岡さんは、早稲田大学のパントマイムサークル「舞夢踏」出身です。舞夢踏は、数々のパフォーマーを輩出しています。とりわけ、鶴岡さん周辺の世代は、たくさんのタレントが活躍しています。ぼくよりも少し上の世代かな。そんな中で、鶴岡さんは、デビルスティックの技術を用いたコメディ作品である「指揮者」(この作品、本当に好きだった)をはじめ、マイムだけでなく様々な要素を組み込んだヴォードビルショーを展開していました。そんな鶴岡さんが作ったコンタクトジャグリング作品。マイム、アクロバットの要素を取り入れ、1ボールから8ボールのコンタクトを披露してくれました。

(続く)

◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

-Object Episodes 第2シリーズの公開が始まっていたので、それに合わせて以前エピソード5までで止まっていた「聴く」も再開。

-上記を思い立ったのが発行前日の夜だったので、メルマガの発行がえらく遅れてしまいました。

-2時間以上あるポッドキャストをずっと聴き続けると結構キツイのですが、大学生の頃も、講義を90分単位で聞いていたんだよなぁ、と思い出します。よくそんなのに耐えられましたね。こんなの、全然集中できないです。

-しんのすけさんの記事、鶴岡さんの「8ボールのコンタクト」というのが気になる。8ボール……?

また来週。

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

発行者:青木直哉 (PONTE)

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