週刊PONTE vol.137 2021/06/28

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.137 2021/06/28
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉/板津大吾…PM & PONTEのジャグリングセッション または瓶に詰めた手紙 第1回

・ハードパンチャーしんのすけ…ジャグリングで出会うこと 第11回

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

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◆PM & PONTEのジャグリングセッション または瓶に詰めた手紙◆ 話し手・板津大吾(PM Juglling)、青木直哉 構成・青木直哉

第1回

青木直哉(以下N)
(LINEの発信音)(ポッ) ……あ、どうも大吾さんこんにちは! ちょっとやってみたい企画があって。

板津大吾(以下D)
うんうん、どうしたの。

N
最近僕ら、週一ぐらいの頻度で会っていますよね。練習したり、展覧会見に行ったりしているじゃないですか。で、無意識にそれとジャグリングを近づけて考えたりするじゃないですか。僕はするんですよ。大吾さんもしますよね?
でもそれを無意識のままで終わらせないで、とことん話をして、意識して形にして、毎週残したいなとおもって。

D
なるほどね。

N
早速ですけど、ジャグリングの練習を毎日するようになって、何か気づいたことってあります?

D
そうだなぁ。まず今までは、道具を作って、チェックするときに触ったりするぐらいだったけど。
毎日やるようになってから思うのは、「外に出て練習すると気持ちいい」ということ(笑)
それから、続けるうちにちゃんとうまくなりたいな、と思うようになって、室内練習もするようになったね。
最初はジャグリングすると気持ちいい、だったけど、徐々にやらないと気持ち悪い、になっていくんだ。なお君は練習するとどう?

N
……うまくなるのってやっぱり大変だな、って思う。

D
そうだよね(笑)

N
そもそも、自分はどういう方向に上手くなりたいのか、どうジャグリングと付き合うのか、みたいなことを考える。

D
どういう方向に行っても、もうすでにその道の達人もいるしね。あっちに行けば尚さん(渡邉尚)、こっちに行けばウェス(・ピドゥン)、3ボールなら村上翼さん、とか。

N
「何を練習をするか」が、「オレはどう上手くなりたいんだろう」になって、最終的にいつも「オレ、なんでジャグリングしてるんだろう」に繋がる。

D
なお君はやっぱりパフォーマンスの方がベースにあるのかな。

N
それもあります。あとやっぱり、「教え方」とも結びつけて考えるんです。最近、ジャグリングを教える機会がよくあって、例えば「こうやるんだよ」って教えるときに、それは何かしら自分が思うジャグリング像に近づけていくわけですよね。つまり練習方法を教えることっていうのは目指すものも含めて伝えるもので……。ん? なんだろう、ちょっと関係ないかもしれないけど。

D
いや、でも練習方法について考えることって、実はいろんな問いを含んでいそうだね。そう思うと、みんなのジャグリング練習メニューにも興味がある。まさひろくん(高橋優弘)とか、どうしてるんだろう。

N
あ、一回PONTEで、それも含めた取材したことある!

D
え、そうなの、高校生特集(紙で出したPONTEのこと)の時だっけ?

N
や、なんか、一緒にシンガポールにいたときに……えーとどれだっけ(iPhoneで検索をかけるもなかなか見つからない)。

D
ああ、これか(先に見つける)。へえ、ほぼ毎日3、4時間練習……。おかしいなあ、自分も昔それぐらいやってた時あったけど、どこで違っちゃったんだろう……(笑)

N
その記事、URL送ってもらってもいいですか?(自分の作ったサイトなのに。下段にURL掲載)いやー、PONTEも整理したいな。

D
一緒にPONTEを整理しようか(笑)

N
ときめかないものを削除していく、みたいなね。

D
これはでも、隠れたいい記事を見つけたなぁ。

N
そう、いい記事もあるんですよ。そうそう、PONTEをちゃんとしたい、ということで言うと、最近僕は「ジャグリングで自分を治す」っていうふうに捉えています。その方法としてPONTEを活用したい。

D
さっき送ってくれた資料(先に送っておいた手書きのアイデアノートの画像)にもあったね。どういうことなの?

N
例えばInstagramで上手い人のジャグリングを見ると、なんか萎縮しちゃったり、逆に、自分の見たいジャグリングはこれではないんだ、と思うことがあるんですよ。するとそのまま、なんだかジャグリングへの思いと一緒に、自分自身が沈んでしまうことがあって。
でもそうじゃないだろうと。
自分がジャグリングに関わることで真に好きなのはこれだ、というものを、惑わされず、ブレずに追求したいと強く思っているんですよ。
それは、必ずしもジャグリングが技術的に上手くなることじゃないかもしれないし、もっといくと、ジャグリングを「する」以外のところを突き詰めることかもしれません。
例えば僕なら、ジャグリングを通した旅について書くこと、あとは、ジャグリングと「デザイン」の概念を結びつけて考えること、とか、そういうことを十分にやれたら、きっと気が済むんじゃないか、っていうか、癒されるんじゃないか、っていう気がしてて。
自分がジャグリングと付き合う中で、一番豊かな癒しを与えてくれそうな方向にちゃんといく、っていうか。
それが「ジャグリングで自分を治す」の意味です。だから、この対談みたいなのも、それなんですよ。

D
おおー、なるほど。

N
で、そういうことを思いついた矢先から、具体的にどんどんやっていって、形にして、手紙にして、瓶に詰めて流すみたいなことをやりたい!!

D
でも自分もまさに、PM Jugglingの活動について同じような思いを抱いていて、それは何かいい方向に向かいそうな予感がするよ。

N
なので、お付き合いお願いします。

D
うんうん、こちらこそ……。

(今週はここまで。この企画は、飽きるまで続きます。来週からは、大吾さんと一緒に展覧会や本について感想を述べてみたり、最近の出来事を起点にフリートークを展開していきます)

-渡邉尚(わたなべ ひさし)…ジャグリングという言葉では決して括りきれない、独自のジャグリングと身体表現をする人物。国内外で活躍。 https://twitter.com/hisashi_moves
-ウェス・ピドゥン(Wes Peden)…北米出身。30歳を超える今も日々上手くなり続け、世界のジャグラーに影響を与えている。 www.wespeden.com
-高橋優弘(たかはし まさひろ)…世界トップレベルの技術を持つ、日本の若手トスジャグラー。文中で紹介した記事はこちら。https://jugglingponte.com/2017/10/31/takahashi-masahiro-interview/
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☆PM Jugglingのnoteを紹介するコーナー☆
下北沢へ
https://note.com/daigoitatsu/n/na2aa027e373e
「そして、TENTというデザイン事務所の実店舗(TENTのTEMPO)へ向かった。」
(記事本文より)

大吾さんと二人で下北沢を散策したときの話。このことも、今回の企画に大いに関わっています。
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◆ジャグリングで出会うこと◆ 文・ハードパンチャーしんのすけ
第11回

先日の教室でのことです。
毎回初めに最近の様子をみんなに聞くのですが―
ひとりが
「練習していたら、犬の散歩をしているひとに”すごいですねぇ”と褒められたんですよ。」
と。
続けて話を聞いてみると、声を掛けられるまで、立ち止まって見ていたそのひとのことに気付かず、ひたすら集中して投げていたようです。生徒さんは5ボールカスケードができるので、5ボールかな、と思っていたら、最近練習始めて形になってきているルーベンシュタインリベンジを練習中の出来事でした。
そして、最後に
「いやぁ、うれしかったです。」

ぼくは、生徒さんがそう感じたことがちょっと意外でした。自分に厳し目で、ひとの評価よりも内省的に技術を突き詰めてゆくタイプに思っていたので…本人がどう見えるかに関係なく、相手の言葉に嘘が感じられなければ、そりゃうれしいですよね。

この生徒さんは、いつも思ってることをきちんと伝えてくれます。そのおかげで練習のモチベーションに関して、何度か示唆を得ています。
回数を目標にすると、辛くなるし、何より回数を行うことが目的になってしまい、技術的に大切なことが見えなくなる―練習の感想として、そう聞いた時には、なるほどなぁ、と思いました。
また、適度に新しい技を覚えたり、自分で目標を設定したりすることで、モチベーションをキープしているのも、日頃の会話から感じます。

目的が、回数であったり、発表することであったり、あるいは、ひとに褒められることであったり、外から来る動機は、持続するのが難しいのかもしれません。それよりも自分の内から湧いてくる動機…自分が向上するのが楽しい、上手くいった時の快感が忘れられない、リフレッシュしたいなど、が継続のためには強い力になりそうです。
今まで15年を超えていろんなひととジャグリングをしてきたのを振り返り、思いました。

そんなことを思いつつ、一時期ジャグリングに猛烈にのめり込んで、ものすごく上手くなって、さくっとジャグリングを辞めてゆくひともいます。そのひとがどんなことを考えていたのか聞いてみたいなぁ、とも思うのです。
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◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

-新しい企画を立ち上げました。どうぞ皆様も、適当にお付き合いください。PONTEのHPにもちゃんと掲載したい。そもそも、サイトをもっと読めるものにしたい。

-しんのすけさんの文章ともリンクしている感じがしますね。

また来週。

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

発行者:青木直哉 (旅とジャグリングの雑誌:PONTE)

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