週刊PONTE vol.13 2019/02/04

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.13
(2019年 第5号)2019/02/04
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉…ジャグリングがつなげるもの Weekly 第12回「ウユニ塩湖にも理由があって行かなければいけないような人生」

・Fuji…フジづくり 第13回「『かたち』−試作に試作を重ねて−」

・きんまめ…デビステのてんぷら 11本目 「週刊少年PONTE」(メルマガ第5回)

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

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◆ジャグリングがつなげるもの Weekly◆ 文・青木直哉
第12回「ウユニ塩湖にも理由があって行かなければいけないような人生」

この前、君は何がしたい人なの? と聞かれた。

僕は人生で何をしたいのか?
正面きって聞かれると、難しい質問である。
さて。
考える時間もなかったので、その時とっさに頭に浮かんだことを、僕はこういうふうに言った。
「ずっと旅行ができていたらいいですね。」

なるほど。僕は旅がしたいのか、と思った。
何も考えずに答えたらそういうせりふが出てきた。それが僕の実直な欲求らしい。
へえ、と思った。
旅がしたいんだ。
僕はどういう旅がしたいのだろうか。
その前にいま僕は、どういう旅をしているのだろうか。

「知人の誰にも会わない」という旅行は、久しくしていない。
普段行かない土地に行くと、知人に会う。
そのへんをぶらぶらしたり、向こうが提案してくれることに素直に従う。
僕は知人に会いに行っているのであり、世界のいろんなところを見たい、という感じのわかりやすい欲求で旅行をしているわけではないように思われる。
「じゃあ青木は普通の旅行には誘わないでおこう」と判断されるのもまた違う。(別に読者のあなたと旅行する機会はおそらくないんだろうとおもいますからいいのですが)
もちろん、いろんなところを見たい、と思っている。
しかしウユニ塩湖を今見に行きたいか、と問われたら。理由もなくそういうところに行きたいとはあまり思わない。随分大勢の友達が、あそこに行って例の「障害物がなく、遠近感がわかりづらいことを利用して、カメラの近くにあるものと遠くにいる自分が絡んでいる」という写真を撮っている、という理由も大きいけども。
そうか、じゃあウユニ塩湖、お前は見たくないのか、と問われたら、やっぱり見に行きたいな。それに、行ったら絶対、あの「例の写真」だって、まぁ、「あはは」とか言って撮っちゃうんだろうな。
まぁ、行きたいとは思っているのだけど、他に「行くべきところ」があって、優先順位として、どうしてもあとまわしになってしまうのである。

だからたぶん僕は、「理由のある旅」で、世界中を見て回りたいのだ、と思う。
そのうち、ウユニ塩湖にも行く理由ができたらいいな、と思っている。
どうしても行かなければ、あそこにいる人に会いに行かなければ、ともおもう理由が(どういう理由かわからないけど)ふっと湧いてくればいいな、と思っている。
「誰かに会いに行くという理由」が、世界のもっともっとたくさんの場所にあるような、そういう人生を歩みたい、とおそらく僕はそう言っていたわけだったんですね。
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◆フジづくり◆ 文・Fuji
第13回「『かたち』−試作に試作を重ねて−」

少しの間、ボール専用ケース製作についての報告をお休みしていましたが、その間も幾度も試作や会議を繰り返し行っていました。そしてやっと完成に近いところまで作業が進んできました!3つ以上のボールが余裕で入るランチバッグ型袋とPM JugglingとのコラボでPMボールがピッタリ入る専用ポーチの2種類を準備しています。

3つ以上入るボールケースに関しては、「かたち」のデザイン決めから試作までの作業を何度も何度もやり直しました。デザインや「かたち」にもこだわりたいところではありますが、ケースとしての機能、そしてなんといっても収納する際の手軽さがやっぱり大切だと気づきました。丁寧に収納するよさもありますが、ボールを持ち運ぶときにさっと入れられて、使い終わったらさっとしまえる。多少雑に扱ってもケースとしての機能が十分に活かされる「かたち」を模索しながら製作しました。

PM Jugglingとのコラボに関しても、当初の予定では、3つ以上入るケースとPMボールのセットで考えていましたが、PMボールのサイズ感や質感が他と比べても特徴的で、それを活かすためにはやはり3つ専用にするべきだと考えました。また、入門キットとして販売する予定でもありました。試作してみると思っていた通りPMボール専用にして正解でした。ボール3つ入っても片手に収まるサイズ感はとても心地いいです。例えば、6個でポーチが2つになってもコンパクトなので片手でも持てますし、そこまで場所を取らないと思います。

慣れないミシン作業から始まり、いろいろなサイトから縫製の基礎を学び、試作を重ねて、やっと想い描く「かたち」のプロトタイプができました。1センチ単位で生地の長さを変えてつくったり、しっくりくるボタンやファスナーの素材選びなどは気が遠くなりそうで、頭を抱えました。完成してもまだ改善の余地があると思うので、それは使っている皆さんと一緒により良いものしていきたいと思っています!ジャグリングを楽しむ皆さんの要望や想いを「かたち」にしていきたいです。
今年のイギリスで行われるEJC2019でもPONTE、PM Juggling、by Fujiで共同物販ブースを構えて、ケースを販売する予定です!今月中を完成目標に製作しているので、いちはやく皆さんの手に届けられるよう、頑張ってます。

by Fuji

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◆デビステのてんぷら◆ 文・きんまめ
12本目 「略称問題(3)」(メルマガ第6回)

そもそもの話だが、デビルスティックを略すに際し、デビルとデビステの2択のみで考えてしまうのは早計かもしれない。先入観が成長を妨げることは、ジャグリングをやる者なら胸の痛みを伴って思い出されることだろう。
ジャグラーたるもの、肉食動物の心と草食動物の視野を持って、雑食動物のように何でも取り入れろ、と耳にタコができるほど先輩から言われなかっただろうか。言われなかっただろう。今思いついたフレーズなのだから当たり前だ。
ということで、今回はデビルスティックに似た語感の他の言葉がどのように略されているかを参考にして、新たな略称の可能性を感じてみよう。

まずは、大人気小説家の国木田独歩!

デビルスティック
クニキダドッポ。

国木田独歩は、独歩と略す(?)ので、対応させると…… ティックですね。斬新なことはこの上ない。デビルスティックでシガーボックスをやるような斬新さと、デビルスティックでシガーボックスをやるような、貧弱さを兼ね備えている呼び方である。
また、ジャグ界の偉大なる都内のサークルであるジャグてっくの愛称「てっく」にほぼ一致している。私も当サークルに在籍していたが、思うにスティッカー人口が他所に比べて割合多い。てっくのティック使い、すなわち「てっくティック」。この語感、もうすぐそこに、現世界最強クラスの動画共有サービスTicTokが接近してきている。このまま近づくと飲み込まれるか弾き飛ばされるかの絶望の2択しかないので、ここらへんでボツとして諦めるのが賢明である。
原典が曖昧なのだが(2008年頃なので多分ファンタスティック・デビルスティックとかDevilstick.orgあたりで)、アイドリングのことをチク-タクと併記していたものがあった記憶がある。洒落てらぁ。ticktack、これもまたティックと音の調和がある。
むしろTicTokでてっくティックがキックアップからのticktackする動画をアップロードすればいいのではないでしょうか。なんだが坊主が屏風に上手な坊主の絵を描きそうになってきたので、やっぱりボツ。

ボツといえば、高校生の頃、ラジオの鬼玉という大喜利番組にメールする際に、ラジオネームを本気で考えたのですが、そのボツ案の1つが「チクタククロック」というものでした。今急にそれを思い出して、顔という顔から火が出そうになったので、一旦筆を置きます。また次週。

チクタククロック:てっくの元部長。くらいしか経歴がない。ティックをやっていましたが、TikTokはやっていません。鬼玉シールは1枚だけ持ってます。好きなジャグラーは特にいません。

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◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

・Fujiくんとのプロジェクト、名前も、Juggle Pack、と決まり、加速してきました。すでに注文を受けたりもしている。ははは。さて、早く公開できるようにしないとな。ははは。でも、すごく楽しいです。
・「大人気小説家の国木田独歩」、って。ちなみに僕は独歩の作品はひとつも読んだことがありません。

・PM Jugglingのサイトで、連載を始めました。
おなじみの海外ジャグリングエッセイですが、この連載では、「道具と人」に焦点が当たっています。

PM Juggling「ジャグリングのエッセイ #1 フィンランドのアルットゥ・ラハティネン」

フィンランドの首都、ヘルシンキ。
駅舎で僕はひとりの青年の到着を待っていた。
ニコニコしながら現れたのは、アルットゥ・ラハティネン君だ。スウェーデンの名門サーカス学校DOCHの卒業生。今は国で義務付けられた社会福祉で、子供達にジャグリングを教えたり、建物の清掃をしたりしている。

「ヘルシンキに来るならぼくんちにおいでよ」
と言われていたので、遠慮なくお邪魔させてもらうことにした。…
(続きはこちら)
https://pmjuggling.com/5589/

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

<END OF THIS ISSUE>

○電子メールマガジン「週刊 PONTE」2019/02/04

発行者:青木直哉 (書くジャグリングの雑誌:PONTE)

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