週刊PONTE vol.14 2019/02/11

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.14
(2019年 第6号)2019/02/11
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉…ジャグリングがつなげるもの Weekly 第13回「中国に行きたいなぁ」

・Fuji…フジづくり 第14回 「 Coro (コロ) 」

・板津大吾…たまむすび 第8回「ジャグラートのこと」

・安田尚央…「JJS、大阪でやります」

・きんまめ…デビステのてんぷら 13本目 「千里の道も独歩から」(メルマガ第7回)

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

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◆ジャグリングがつなげるもの Weekly◆ 文・青木直哉
第13回「中国に行きたいなぁ」

中国に行きたいなぁ、と漠然と考えている。
僕はなんだか旅行をしてばかりなので、主要な国々にはほとんど行ったことがあると思われている節があるのだが、肝心な(どう肝心なのかはしらないけど)中国には行ったことがない。台湾にはもう20回ぐらい行っているような気がするけど、中国大陸には行ったことがない。中国語も少し喋れる。でも中国には行ったことがない。
いや、正確に言えば行ったことはあるのだけど、飛行機の乗り換えだったから、上海で2時間ぐらいだけ散歩をしたのが唯一の中国の「なか」の体験である。あとは、北京空港が全然好きじゃない、というたいへんに偏った感想ぐらいしか持っていない。
ではなぜ今中国にそんなにも行きたいとおもっているのか。まぁ、やっぱり、ジャグリングなんですね。
4月22日から29日に、中国の大理という場所で、Dali Flow Festival、という野外フェスティバルが開かれる。フロウってなんじゃ、という方もいるとおもうので説明しておくと、フロウアーツ、と呼ばれる分野があるのだ。厳密な定義はわからないんだけど、だいたい、ポイや、スタッフ、コンタクトジャグリング、そのほか、とにかく「流れるような」フローをともなう(と言っていいのだろうか)ジャンルのマニピュレーションのことである。何を言ってるかさっぱりわからん、という方は、ごもっともです。僕もあんまりよくわかっていないんです。
とにかく、ジャグリングの一分野、とも言えるそのフロウアーツを中心に扱った、1週間にわたるフェスティバルが、中国で開かれるのである。
いったい、中国にはどんなジャグラーがいるのだろうか、そのことも興味がある。ただフェスティバルの参加者は中国の人、というよりも、ヨーロッパから訪れる人や、現地に住んでいる中国人以外の人も多いようなのだが(主催は、フランス人男性と中国人女性の夫婦のよう)どちらにせよ、中国で開かれるジャグリングのフェスティバル、というものには関心を向けずにはいられない。
経済的発展も目覚ましい中国に対する見方が、僕のなかではこのところ変わってきている。
この大理のフェスティバルもビジュアルデザインもすごくよいし、そういうかっこいいイベントが、中国のジャグリングの中で開かれるんだ、ということが、すごく新鮮で、そしてそれは同時に、日本にはあまりないことだよな、ともおもっているのだ。(1週間に渡るジャグリングのフェスティバルというのは、日本には、ない。)
今はただ、中国、すげえなぁ、と思っていて、まずはこの目で見てみたいな、という気持ちである。うーむ。行きたい。中国。食べたい、中華料理。

DALI FLOW FEST
http://daliflowfest.com/
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◆フジづくり◆ 文・Fuji
第14回「 Coro (コロ) 」

ボール専用ケース製作において、ひとまず先にPM Jugglingと共販予定のPMボール専用ポーチ「Coro (仮)」がついに完成しました!ショップやホームページの開設などを青木さんがせっせと準備してくれているので、実売まではもう少し時間をいただくことになると思いますが、先行販売というかたちで青木さん経由で注文されていたものに関してはつくり終えたところです。この「Coro」というポーチの名前も二人でいろいろと考えていたんですが、先日完成品を見て、その形状が丸みを帯びていて、軽く押すと「ころっ」と転がる様子や「ころころ」と手に収まる感じが愛らしかったので、そう名付けました。(笑)

ここまでたどり着くのに本当に時間がかかりました。そもそも、自分はものづくりにおいて人のためにつくる事が多く、それを機に新しいことにも挑戦し、技術を身に付けてきました。独学で調べ、つくり始めるまでにいつも時間をかけて準備をしていますが、その時間が一番楽しいのかもしれません。時間をかけて準備をし、時間をかけて製作をする。いつもは一発勝負でつくっていました。ただ今回に関しては、普段はしない試作というものを幾度も繰り返し、いつも以上に時間をかけて製作しています。それも自分ひとりの主観だけではなく、青木さんと二人で会議を行っていたからこそ、自信を持って提供できるものにたどり着けたんだと思います。つくっては見直しの繰り返しは、ものづくり好きといえど試作が嫌になったり、本当にできるのかと不安を感じる時期もありました。でも、正式な「かたち」に苦労してたどり着けると嬉しいものですね!

最近では、材料や道具の用意でユザワヤに頻繁に通ってます。年始あたりに配られていた割引チラシが思いのほか役立っていて、もっと貰っておけばよかったと後悔…。行き過ぎて社員とヘルプっぽい人の見分けがつくようになりました。(笑)
あと、6千円するプロ仕様の裁ちばさみも思い切って買ってしまいました!(割引でさらに安く買えましたが)まさか自分がこんな買い物をするとは思いませんでした。ただ、作業効率を考えると今後必要だと思い、購入を決心しました。それくらいこのプロジェクトに本気で取り組んでいます!

CoroたちはPMボールと共に、来週には親元を旅立ちます…。

by Fuji
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◆たまむすび◆ 文・板津大吾
第8回「ジャグラートのこと」

2004年のことです。浪人期間を経て大学に入った僕は、これでようやく思い切りジャグリングができるぞ、と意気揚々としていました。当然のように、大学でジャグリングに関する活動をしたいと考えましたが、入学した大学にはジャグリングサークルがありませんでした。ならば、と立ち上げたのが、法政大学のジャグラートというサークルです。

1年次のゼミで一緒になった人たちを、形だけでもと説き伏せ、5人ほど集まってくれて、なんとかスタート。練習部屋を予約して、いざ、ジャグリング!と思いきや、別にみんなはジャグリングに興味があるわけではないので、カップラーメンを食べたり、漫画を読んでいるだけなのでした。「世間の人はジャグリングの存在を知らないだけで、知ればきっと夢中になる」と思っていた僕は、他の人にとっては必ずしもそうではないということを知るのです…

ひとまずみんなカスケードができるくらいまではやってくれたのですが、基本的には僕だけが練習しているような、ジャグリングのサークルといえるのかわからない、ゆるい集まりになりました。とはいえ、それぞれの居場所のひとつにはなってくれていたように思います。外部からの依頼もたまにあり、ほぼ一人でパフォーマンスするのですが、みんなよく遊びに来てくれました。僕の活動を、メンバーが見守ってくれるような集まりで、それはそれで、とてもありがたいことだと感じていました。

でも一方で、僕が求めていた、一緒に夢中になれるようなジャグリングの友達はつくれなかった、という思いも強く残りました。そういう意味では、逆に孤独感が増していて。大学卒業後も就職せずにジャグリングでねばり続けたのは、いつか、そんなジャグリング友達をつくりたかったからだとも思います。もしジャグラーのいる大きなジャグリングサークルに入って満たされていたら、違う人生だったかもしれません。わからないものだなあと思います。
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◆「JJS、大阪でやります」◆文・安田尚央(サーカスプロデューサー)

ついに発表!3/30と3/31に大阪の公道で2日間サーカスフェスをやる企画「グランヌーボーシルク」をやります!
この企画は外から来たコンテンツを見て投げ銭を出す国内で良く見る形ではなく、地元在住者を中心にWSや体験型コンテンツを多く盛りこんだ、海外で見るようなフェスを目指しています。
その中でもジャグラーにとって目玉なのはJuggling Jam Session!!
3/30の1日限定ですが、JJSを開催します。
ジャグリングバトルは初めて見た時から大好きでしたが、台湾の未来サーカス実験場やジャグリングバトル大会を見て再燃しました。日本とは状況が異なる事を踏まえても、これこそ未来につながる形だとさえ思いました。

でも、いざ商業施設でやるとなってみると、物凄く調整が必要です。まだまだ資料作りが終わりません。こんなこと誰もやらない理由、良く分かる気がします。
この一般社会との乖離をどう埋めていくのかは、プロデュース力なんだろうなと思います。
大阪にはMDFがあって、つまりはそれは大阪がジャグリングする力を持っているということ。それを商業施設の大型企画で表に出す事ができました。
そうそう出来る事じゃないので、もしお時間ありましたら是非いらして下さい!

【宣伝】
グランヌーボーシルク、3/30、3/31開催
https://www.mbs.jp/gfo-gnc/?fbclid=IwAR0sWtcjX3roUkO-37T5ygeBxDWPKafz_GstgpgCVSLPCFr7TyWvgYCL3ds
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◆デビステのてんぷら◆ 文・きんまめ
13本目 「千里の道も独歩から」(メルマガ第7回)

デビルvsデビステ論争は熱を帯び、熱を帯びた時こそ冷静にと、デビルとデビステ以外の略称の可能性を他の分野から引っ張ってこようと意気込んだ結果、国木田独歩がボツに散り、挙げ句筆者の過去のボツ案まで引っ張り出してしまったのが前回。

さて、我らが青木編集長は大人気小説家の国木田独歩の作品を読んだことがないとのことだが、恐れ多い、実は大先輩なのである。独歩は小説家のみならず雑誌編集長としての側面を持っており、アリエナイことに12誌の編集長として八面六臂、いや十二面九臂の活躍ぶりだったのだ。中でも婦人画報は現存する日本最古の女性誌として今なお刊を重ねている。
特に注目なのが、独歩の人生の終焉近くで刊行している風刺漫画雑誌、その名も「上等ポンチ」。なんだこれは!アリエナイレベルで「週刊ポンテ」とリンクしている!あまりにリンクし過ぎていて、筆者もwikiをスクロールする手が震えた。つまり!これはもはや!青木編集長は青木田独歩と言っても過言ではないということではないか!余裕で過言である。恐れ多い。

ちなみに、独歩の玄孫は現在芸能界にいたりする。昨年10月に上映された、谷崎潤一郎著のエッセイ「陰翳礼讃」を原作とした映画「IN-EI RAISAN」の主演を演じていたりする。演じているというか、全編セリフ無しらしかったりする。
谷崎潤一郎曰く、光の中はでなく、陰影の中にこそ風雅が息づくらしいが、IN-EI RAISANの中には、A RI E NA Iが息づいているのである。アリエナイ。

ちなみに、独歩の玄孫は、母が日本人で父がイタリア人、ロンドンに生まれて、パリで育つという、経歴だけでインスタ映えしそうな華々しい人物なのである。
絶対ボボボーボ・ボーボボとか読まないんだろうな、と思う。
ちなみに、あまり知られていないことだが、フランス語版のボーボボのタイトルは、
BoBoBonBo・Bonsoir(ボボボンボ・ボンソワ)というらしい。もちろんウソである。単なる、こんばんはをめっちゃ噛んでるフランス人である。
(ちなみに、仏語翻訳版は実在しており、1巻のアマゾンレビューは星3つだった)

きんまめ:ジャグリングサークルジャグてっく元部長。くらいしか経歴がない。デビルスティックをやっていました。ちなみに私も国木田独歩の作品は読んだことがないし、はじめの一歩も読んだことがない。好きなジャグラーは特にいません。
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◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

横浜市内の某所に引っ越し。Fujiくんの家に近くなりました。新居を整えるためにいろいろと買い物をしたりなど。家が近いので、プロジェクトも俄然早く進みそうです。楽しみ。
また来週。

※先週の訂正
目次で、きんまめさんのコーナーが
11本目 「週刊少年PONTE」(メルマガ第5回)
となっていましたが、正しくは
12本目 「略称問題(3)」(メルマガ第6回)でした。失礼いたしました。

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

<END OF THIS ISSUE>

○電子メールマガジン「週刊 PONTE」2019/02/11

発行者:青木直哉 (書くジャグリングの雑誌:PONTE)

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