週刊PONTE vol.128 2021/04/26

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.128 2021/04/26
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉…ジャグリングの雑想 27.変わってきている

・ハードパンチャーしんのすけ…ジャグリングで出会うこと 第2回

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

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◆ジャグリングの雑想◆ 文・青木直哉
27.変わってきている

原稿のために、さて、とパソコンに向かって小一時間悩んだものの、さっぱり書けない。定期的にこういうことがある。それはもう、絶望的に何も書けない。
何かのヒントを求めてMacに残っている昔のメモを色々と読んだ。するとiCloudに保存したもので、2012年のものにまで遡ることができた。
自分でも書いた記憶のないものばかり出てきて、ちょっと驚く。文章から透けて見える自分の姿も随分違う。
ああ、これ、いいなあ、と思うものもあれば、ずいぶん乱暴なことを書いていたり、かなり不器用に悩んでいたり、あるいは色々と小難しく考えていたりする(今も変わらないかな)。

2015年の文章を、ちょっと、全文引用してみる。

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「漫画やゲームとしてのジャグリングと、ファイン・アートとしてのジャグリングについて」

私は漫画やゲームを多分に含む文脈で育ってきた人間で、それらが好きである。
最近のジャグリングの流行りは、もしかすると、漫画の世界に近いのかもしれない、と思う。
その、人々からの愛され方が、似ている。
漫画にもいろいろあるから一概には言えないが、少しジャンクである。ただなんとなく暇つぶしをしたい時に、どちらかといえば大衆に好まれるのは漫画の方で、芸術家が身を削って生み出したファイン・アートのようなものではないだろう。
もちろん、ファイン・アートにもいろいろあるけれど。
今のジャグリングも、「その場で楽しみたい」という欲求に応えるものが大半で、それは、それでいい。
「愉快」な気持ちを軸にしたものが多いのは、当然だろうし、その方が幸せだ。
だが別に高尚であれと言いたいわけではないけれども、それでも、少し高尚な、端から見たら、なんだソレ、となってしまうようなジャグリングの世界もあった方が絶対に面白いことを、一方で、強く主張していきたい。命をかけてジャグリングに取り組むという姿があったとすれば、それは今まで見たこともない、魂が見えるような、非常に力強いもののはずだ。
今は前例があんまりないから想像しづらいだろうけれども、そのうち、そういう姿が頻繁に見られるようになるだろう。そしてその時、ジャグリングは、たとえば00年代にKOMEIさんやMASAKIさんなどが出てきた時のように、新たなステージに進む気がする。
その暁には、えーっ、ジャグリングってこんなに奥深くなれるのかよ、という驚きがあるだろう。また、自分もこの人と同じくらい、いやそれ以上に、ジャグリング「で」自分を突き詰めていきたいと思うような人が出てくると思う。そのようになった時のジャグリングは、きっと今とは全く違った様相を呈しているはずである。
もはや武道にさえ通じるものがあるんじゃないかと思う。
自分の身体の動きを通して、自分の精神のあり方を整える、ということがジャグリングで可能になる、そんな気がする。言葉でいうとまことに大それているけれども、でも絶対に、そういうことが、可能なのである。
それは、科学者が科学哲学を通して世界と自分の関係を理解しようとするように、ジャグラーがジャグリングを通して世界と自分の関係を探るというようなことである。
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まぁ大体何について語っているのか、わかるんだけど、言い方が少し尖っている。
そしてそれと比べると、僕は今、随分「ソフトに」ジャグリングと関わるようになったんだな、という気がしている。
もちろん、それでいいと思ってそうしているのだが。
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☆勝手にPM Juggling(の板津大吾さんのnote)を紹介するコーナー☆
生々流転
https://note.com/daigoitatsu/n/n105170f51623
「自然に囲まれた環境にいたら、普段の悩みの半分くらいはなくなるのかもしれない。逆に制限がある不自然な環境だからこそ、自分のジャグリングがあるのだとも思う。」
(記事本文より)
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◆ジャグリングで出会うこと◆ 文・ハードパンチャーしんのすけ
第2回

最近、レッスンで3ボールのミルズメスに取り組むことが多いのです。ただし、はじめのミルズメスではなく、2度目のミルズメス。

ミルズメスとは、交差させた手でボールをジャグリングをしつつ、周期ごとに交差した手の上下を入れ替える技です…って、自分で書いてみたけれども、極めてわかりにくいな。wikiではどのように書かれていたかと言うと、
「左右の手が交互に交差され、ボールの軌跡が曲線を描く」
うん、やはりこんな感じ。
ちょっと言葉で説明するのが難しく、複雑に見える技、ミルズメス。もちろん、手順を追っていくことで、理解はできる訳ですが。
ミルズメスはジャグリングの中で、とてもメジャーな技であり、初心者にとってはカスケードに次いで壁となる技。いくつもの派生技が生まれていて、一ジャンルを築いています。かつて覚えたミルズメスを、今度は発展させてみよう…と最近思い、5ボールカスケードを練習しているひとに向けて、5ボールカスケードの息抜きに、ミルズメスの派生技・ルーベンシュタインリベンジを伝えようと、まずはミルズメスを練習してみると。
「おや、ミルズメスが心許ないぞ…」
急遽、あちこちでミルズメスの再点検がはじまりました。

もちろん、すんなりできるひともいるのですが、ミルズメスの練習が久しぶりなひともいて思い出すのに時間がかかったり、間違った形になっているひとも。
最初に書いたように言葉で表すのは難しく、きっちりとからだで覚えないと訳が分からなくなります。よくあるのは、しばらくやらなかったことで、つい楽な方法で投げてしまい、三拍子のアンダージアームに。それだとまだ良いのですが、変則的に腕が解けてしまったり。
他にもいろんなパタンがあるのですが、おかげでぼくも以前よりも、ミルズメスについて理解が深まった気がします。

教える時、最初は自分の経験を通して伝えるのですが、様々なひとと一緒に練習し、伝えることでジャグリングをいろんな角度から眺め直すことができます。
よくある言い方ですが、教えると言うのは教わることなのだな、と思ったミルズメスでした。な緊張感とともに、毎回の即興感が良い刺激になっています。

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☆編集長コメント
昔覚えた技、って本当に、教える段階で初めて「そうや、この技は難しかったんや…」と思います。いや、普通に、カスケードとかもさ。僕は球技が苦手だったので、余計にジャグリングができる人が輝いて見えてました。いやはや。
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◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

今、発行する月曜日の朝1時ですが、なんとか書き終えました。もっと余裕を持って書かないといかん。
…それにしても思ったんだけど、僕、最近全然ジャグリングしていないですね。
以前、1000日間毎日インスタグラムにディアボロの動画をあげていました。
とにかく毎日ディアボロを触ることが目標でした。
何かノルマがないとジャグリングをやらなくなるんじゃないか、と思っていたんですね。
本当にその通りで、あれが終わって以来ぱったり本当にジャグリングしなくなっています。
まぁ、別にいいけど。嫌いになったわけでは決してありません。むしろ好き。
あ、バイク(カブ)もそこそこ乗っています。非常に楽しいです。

また来週。

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

発行者:青木直哉 (旅とジャグリングの雑誌:PONTE)

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