週刊PONTE vol.123 2021/03/22

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.123 2021/03/22
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉…ジャグリングの雑想 22.ジャグリングと生き方

・ハードパンチャーしんのすけ…日本ジャグリング記 青春編 第16回

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

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◆ジャグリングの雑想◆ 文・青木直哉
22.ジャグリングと生きてきて

15年前にジャグリングに出会ってからずっと、ジャグリングは手元にあった。
しかし「俺ってジャグラーなんだぜ」という特別な矜持はあんまりなくて、感覚で言えば、お気に入りの鉄のフライパンを持っているような感じ。使うときに心地がよくて、見ているだけでもうんうん、とにこやかにうなずいてしまうような感じ。うん、僕はジャグリングが結構気に入っている。それはなんでかなぁ、と思うと、まず真っ先に、ジャグリングを通して出会った土地や人のおかげだ、と思う。ジャグリングにまつわるいい旅をたくさんした、ということにも言い換えられる。
でも、旅が容易でなくなった今でも、まだまだジャグリングで楽しいことはいっぱいある。6歳の女の子にジャグリングを教えている、ということもそうだ。別にジャグリングを見せていないのに「ジャグラーなんですね」と言われることもまぁ、それはやっぱり気分はいい。ジャグリングの雑誌が売れているところを見るのも、楽しい。
僕はジャグリングが、「パフォーマンス」以外の形でジャグリングをしない人に伝わる時が、好きである。もちろんパフォーマンスは、するのも見るのも、それで好きだ。でも、そうではない形が広がっていくのがもっと好きだ。
ジャグリングには、ジャグリングの周りを囲んでいる文化と人がたくさん存在している。それは、ジャグリングをしていないと普通は見聞きしないものだ。
それで、その中でも、自分が「これはクールだ」と思っているものが共有できると、僕はとても嬉しい。かといってこれは「さあジャグリングをしましょう」というのではない。もちろんジャグリングをやってくれたらそれはそれで嬉しいけど、そこまでしなくて全然いい。
「そうそう、ね、結構面白いでしょう」というふうに言えればそれでいい。ジャグリングの文化って結構色々あるんだね、ということをジャグリングをしない人が思ってくれたら嬉しい。それで初めて、自分でかっこいい、と思っているだけの時と比べて、その満足感は何倍にもなる気がしている。
ジャグラーがジャグラーではないとき、ということに厚みを与えたいのかもしれない。
自分自身にも、ジャグラーではない時がたくさんあるのを知っているし、「ジャグリングが生活の全てではなくて、一部分である」という在り方で、色々と面白いものを見てきた、ということも知っている。

そんなことを誇らしく紹介できるような場所、こんな面白いことあるんだよね実は、と言える場所を作りたいな、と思っている。

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☆勝手にPM Juggling(の板津大吾さんのnote)を紹介するコーナー☆
ビーンバッグ製作記 14日目 ミシンに慣れてゆく
https://note.com/daigoitatsu/n/n95d146178464
「自分の心は定位置に置きつつ、インプットとアウトプットは、意識的に取り入れてみる。この塩梅が大事だなと思う。今の僕なりのジャグリングライフのバランスだ。」
(記事本文より)
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◆日本ジャグリング記 青春編◆ 文・ハードパンチャーしんのすけ
第16回

前回、ヘブンアーティストと大道芸における「アーティスト」志向について触れました。その中でも、フランスのヌーボーシルクに端を発するサーカスとの関わりが強くありました。
2000年代前半。
日本のジャグリングは、自分たちのジャグリングを発見しつつ、自分事として海外のジャグリングを含む文化と出会う時期であったとも言えるかもしれません。

思い返すと、この辺りから「ヨーロピアン」なジャグリングスタイルが注目されたように思います。アメリカサーカスのような陽気で、スピード感あふれる技術を前面に押し出すスタイルではなく、ジャグリングの中に物語を感じさせるようなスタイル。技術がありつつ、背景を感じさせる表現。そのスタイルに呼応するかのようなゆったりしたジャグリングや、周辺ジャンルを取り込んだジャグリング。

2000年前後、海外のジャグラーに触れる機会としては、大道芸フェスティバルや舞台公演がありました。大道芸ワールドカップin静岡は、その中でも気軽に、そしてたくさんの刺激が得られるということで、ジャグラーはこぞって足を運んでいました。一時は、ジャグリングをするパフォーマーの最前列はジャグラーがビデオを構えて占拠して、パフォーマーから嫌な顔をされていたようです…後日、何人かのパフォーマーさんから聞いた話ですが。ぼくもサークルの面々が撮ってくる映像(VHS!)を楽しんでいたので、その一端を担っていたわけですが。大道芸ワールドカップin静岡の度に日本のジャグリングがアップデートされていくような感覚でした。当時は、今のようなインターネットでの動画文化がなかったのです。
そんな中、ヘブンアーティストをはじめとする一連の流れは、東京にとっては生でジャグリングに触れる機会が増える出来事でもありました。

ヨーロピアンなスタイル自体は、そういった大道芸の流れから外れたところから発生しているように思いますが、大道芸の流れの中で言えば、一つ強烈に影響を与えた出来事に、デュオ・トレスパスの来日があります。2004年のことです。(続く)
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☆編集長より
「大道芸ワールドカップin静岡の度に日本のジャグリングがアップデートされていくような感覚でした」
これ、考えてみれば結構自然なことなのですが。海外のジャグリングの潮流を目にする機会なんて、年に数回しかなかった、というのは、インスタグラムで「世界中の今日のジャグリング」が見られる今の感覚とは対極のようです。
トレスパスは僕も好きなディアボロの世界で大きな影響を与えていて、いやはや、来週も楽しみです。
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◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

-やっぱり、早寝早起きはとても大事です。…と、実際に早寝早起きをすると切実に思う。

また来週。

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

発行者:青木直哉 (旅とジャグリングの雑誌:PONTE)

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