4月19日(金)

 目覚ましで起きる。スヌーズで3回目におきたとき、この明るさは7時を過ぎてるな、と思って少しがっかりした。起き上がって時計を見たら5時49分だった。今日も猫はいない。起きて水を飲む。すっかり晴れている。風が強い。昨日汗をびっしょりかいた服の洗濯をする。洗濯しながらお風呂をわかす。日記を書きながらお湯が張られるのを待つ。

 風呂に浸かって坂口恭平『お金の学校』を読む。彼が自分の版元から最初に出したエディションだ。僕はこれが好きでもう何回も読んでいる。お風呂で読むのが好きだ。これを初めて読んだ時から、いま自分が本を作っている地点まで、受け取った感覚がずーっと続いている感じがある。

 セブンイレブンで焼きたてメロンパンを買って食べ、一冊、本の発送を済ませる。いい感じに売れている。で、今日でストアを閉じることにしている。

 9時から「投げないふたり」ポッドキャストの収録。今回からオンラインで収録中の動画もYouTubeに載せることにした。オーストラリアに行くことについても話す。もうここまで来ると、不安、というか、緊張と、楽しみな感じが入り混じって、名状しがたい心境になってくる。

 11時に家を出て、品川まで。今日は、オーストリアから(オーストラリアではない)ふたりの知り合いが来ることになっている。でも、知り合いといっても会ったことはない。ただ、仕事の都合でずっと4年間ぐらいやり取りをしている人。紙で鞄を作る職人である。その人に会いに行った。

 実際に会ったことはないのに、なんだかずっと知っている人である、というような不思議な心持ちがした。つい最近自分で作った本を渡したら、僕たちの哲学と一緒だね、と笑っている。

 家にそのまま帰ろうかとも思ったが、そうだ、下北沢sで古着を見よう、と思い立って電車に乗る。衣装にするための帽子を探しに行った。

 僕は下北沢に何度も行っているけど、古着を見るという目的のために降り立ったことがない。そもそも、あまり服を選ぶ、というためにどこかの町に行くということをしない。だがやってみたらこれが実に楽しい。お店も10軒以上周り、3時間以上下北沢に滞在していた。結局一番最初に見たお店で、一着2900円のアウターを買った。衣装とは関係がないんだけど、でも気に入った。オーストラリアに着て行こうと思う。

 家の方に帰って、一旦荷物を置いて、今度は綴方に行く。詩人の柏井さんがいる。本を渡した。喜んでくれた。その場にいたまさよさんも、本を買ってくれた。■