4月6日(土)

 朝は5時11分起床。目覚ましをかけているのだが、目覚ましよりも前に起きる。これを書いているのは翌日の朝なのだが、やっぱり今日も4時40分に勝手に目が覚めている。特別早く寝ているわけでもないんだけどね。

※※※

 昨年のJJFのことを思い出している。ゲストのボウと、彼と一緒に来たアーミン、ウーカシュ。3人で山梨に車で行った。僕は銭湯の露天風呂に浸かりながら、この同じ湯船に、3人が一緒に浸かっていた時のことを思い出している。今年のゲストとは何しようかなぁ、と考える。

 今日は近所の公園で軽く練習。朝は5時ごろ起きて、いつも通り絵を描いて、9時の回の『DUNE』を観に行った。映画見てる場合じゃねえんだよなぁ、という思いもあり、いや、映画も見るんだよ、ちゃんと、という思いもある。バランスを欠いてはいけない。映画、面白かった。エンターテインメントとしてとても優れていた。今回は、没頭するつもりで観てみよう、と思って、あえて批評的な見方なんかしないように劇場にいた。空から機関砲を浴びせられてやられそうなシーンでは隠れているつもりでハラハラして、砂がぼこぼこと盛り上がり、主人公がキッと地平線を見つめながら、手に持った砂虫に乗るための棒をガシャンと伸ばし、用意するシーンでは自分が砂虫を待ち構えている気分で観た。興奮した。映画を観終わって、汽車道の横にある土手でカップラーメンを食べた。おじさんがメガホンで大岡川の桜見学ツアークルーズの宣伝をしていた。カフェで仕事しようかと思ったがピンとこないからカブで家に帰った。一通り休みの日を満喫した気分でありながら、まだ午後2時半で、わーい、こりゃ嬉しい、と思いながら昼寝をしたら、5時になった。このままじゃいけない、と思って、家を出て公園に練習に行った。3つのハイトスからやる。まだ「いける」感覚がちゃんと残っている。このまま慎重にやりたい。1ディアボロで、帽子を使ったネタを思いつく。帽子を脱いだり被り直したりする動作をディアボロの動きとシンクロさせる。このような、ジャグリング道具を扱う以外の要素を取り入れたい。こういう考えに、別の名称をつけた方がいいのかな、とも思うが、別に自分で名前をつけなくても、ちょっと言い方を工夫するだけでもいいのかもしれない。差し当たり思うのは、見て欲しい部分を一般的な文章で説明できると、わかりやすい驚きの質感を生みやすいんじゃないかということ。たとえばボールジャグリングで、「消える魔球」という技があるけど(これは2インワンハンドの最中に一個を消す技の僕が使っている言い方で、広く知られた名前がわからない)、あれの驚きポイントは、「持っていたはずのボールが消える」という一般的な文章で説明ができる。僕が今日思いついた技は、「技をしている最中に帽子を取って挨拶する」という説明ができる。まぁ、そもそも、「ボールを7個投げる」というのも、一般的な説明ができる類いの技である。技の解像度は人によってまちまちだから、そのまちまちの解像度に合わせてわかりやすく提示できるといい。つまり、ターゲットにしているオーディエンスに向かって、適切な用語を使ってその驚くべきポイントを簡便に説明できる、そんなことを僕はやりたいんだ、と思う。ジャグリングのことをよく知っているオーディエンスに向けてやるのであれば、その用語にある程度ジャーゴンが入っていても大丈夫。たとえば、「ヴァータックスで回しているにもかかわらず3分間一歩も動かずに演技を終える」これなんか、それなりにディアボロのことをわかっている人にとっては、驚きの演技である。こちらが演技内でいちいち提示しなくても、(通常ヴァータックスで回す場合には動くはずなのに)という前提の理解がある。しかし、そのことを知らない人にとっては、「何だかわからんがすごい」になる。でもその解像度での理解であれば、ひょっとして「その場で動かずに3分間踊っている」とかとそんなに変わらない質感のものになるかもしれない。あるいは、ガシガシ動くヴァータックスの方が、「元気いっぱいで心地いい」とか、そういうあたりで落ち着くかもしれない。文章で理解する癖をつけておくと、色々なレイヤーを複合的に混ぜ合わせることができるんじゃないだろうか。一文で、いま向き合っているオーディエンスを意識する。そしてその文を組み合わせていくことで、自分でもブレずに演技作りができるんじゃないか。。しばらくこれでやってみようか。「整っていて綺麗だ/笑いがある/音にピッタリはまっている」などなど一番広いオーディエンスを見込んだレイヤーをまずクリアして、それから「ヴァータックスなのに動かない」などの細かいレイヤーを追加していく。物を見るときも、今見ているものをどんなレイヤーで味わってみようか、と意識するといいのかもしれない。今日観た『DUNE』は、擬似的にヒーローを味わっちゃう、というワクワク気分レイヤーで見た時に、最高の作品でした。■