週刊PONTE vol.86 2020/07/06

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.86 2020/07/06
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆
・青木直哉…ジャグリングがつなげるもの Weekly 第69回「海外の様子がすぐにわかるのいいんだけど」
・Fuji…フジづくり 第86回「フリクションボールペンの使い道」
・ハードパンチャーしんのすけ…日本ジャグリング記 黎明編 第13回
・斉藤交人…釣り日記 ニ
・寄稿募集のお知らせ
・編集後記
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◆ジャグリングがつなげるもの Weekly◆ 文・青木直哉
第69回「海外の様子がすぐにわかるのいいんだけど」
インスタとか、YouTubeとか、海外の様子がすぐにわかるのいいんだけど、あまりに革新的すぎて、人間のほうがイマイチ追いついてないような気もする。
皆さんはどう感じますか?
今もインスタグラムをちらっと見て、「パリの104(サンキャトル)※、もう開いたんだ」と思いましたが、俺が今のパリの様子を知って一体何になろうか。
まぁテレビでもなんでも、こういう経験って結構皆さんあると思います。
確かにニュースなり旅番組なりなんなり、見たときは割に本気で「世界にはこんなゆゆしい問題があるんだ」とか「こんな素敵な場所があるんだ」とか思いますけど、全然当面の生活とは関係がない。
YouTubeとかもつい数珠つなぎに見ちゃいますが、その映像を見ながら、食べてたお菓子のカスをボロボロ落としちゃったりしてて、なんだってパリの様子の知識をリアルタイムで得ながら、自分が今いるここの環境に注意を払えないのって情けない、と感じます。
当たり前みたいにみんな”Black Lives Matter”とか言ってますけど、(みんなは言ってないか)今の僕にとって、これはどれぐらい関係があるんだろう。
しかしこれもなかなか一筋縄ではいかないんですね。
黒人差別の問題について一度知ってしまったら、「そんなの僕には全然関係ないけどね」とは、到底素直に言えません。
でも同時に、どこまで関係があるのか、と言ったら、当面の生活には多分あまり関係がない。
果たしてどこまでコミットすればいいのか。
結局僕は、日々の生活の中で、世界で起こっている人種間の差別について(日本も含め)わりかし、忘れているのであって、だったらその知識を得てなんになるのだろうか、ともおもいます。
知るにしても、もうちょっと自分でかみ砕ける適正な量と、あとは厳選された状態の情報を受け取りたいな、とも思う。
また、人間の順応速度って早いようで、名古屋にいる友達も、シンガポールにいる友達も、ノルウェーにいる友達も同列でリアルタイムで交信できることに慣れきっちゃっています。
ここ数日は、フィンランド人の友達にフィンランド語の疑問点を聞いています。
いま勉強していて思ったハテナを、隣にいる友達に聞くような感じで、メッセージを送ってその5分後には答えが返ってきてるんですからね。
通信量はかかりますが、国際電話に比べたら安いもんです。タダみたいなもんですよね。
いや、これも一昔前からしたら、喉から手が出るほど待ち望んでいたような学習環境でしょう。
しかしこんなことになったのは人類史の中でここ10年ぐらいの話で、いや、考えてみればだから僕が小学生の頃とか、インターネットは普通に使っていたけど、まだ「海外の人と気軽に交信する」というような発想はなかったんですよね。
まぁ、そうねえ。ある意味では、そのことの恩恵についても、改めて考えてもいいのかもしれない。とも思う。
※104…市民が、いつでも自由に使えるホールのようなところです。パリすごいね。
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☆勝手にPM Jugglingを紹介するコーナー☆
https://pmjuggling.com/blogs/journal/20200630
【Weekly PM】#20:試作と海外
「いろんなリスクがあるので、海外への発送はあまりメリットがなく普通やらないと思うのですが、僕は楽しみながらやっています。
海外の人が使ってくれているという事実と、その様子を動画などで見られたときの喜びが、大きなモチベーションになるからです。」
(記事より抜粋)
上の文章は、この記事を読んでいて出てきたことです。
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◆フジづくり◆ 文・Fuji
第86回「フリクションボールペンの使い道」
先週、フリクションボールペンを買ったというお話をしましたが、別に文字を書くために買った訳ではありません。別に理由があります。
普段、マスクの型取りをするときは黒や白のボールペンをつかっています。生地の色に合わせて。本来であれば自然に消える、水でも消えるチャコペンやチャコマーカーをつかって縁取りをするのですが、どうもにじんだり、線が太くなってしまうのが気になってしまうため、ボールペンをつかって型をとっていました。
ボールペンは生地にインクがのりやすく、書きやすい。ただ、消えません。そのため、裁断するときは書いた線の内側を切るようにしているのですが、どうしても残ってしまうこともあります。あとは、型取りした後でやっぱりこっち向きでとった方がもう一枚とれたっていう時に、取り返しがつきません。インクが残ったとしても縫い代の部分なので、目に見えるわけではないから問題はないのですが、レース生地だと話が変わってきます。薄かったり、穴が空いている生地だと、うっすら見えてしまうことがあるのです。たとえ見えないにしても、個人的にはなんか未完成な気がして気になることがあります。
その問題を解決してくれるだろうと思って買ったのが、「フリクションボールペン」です。
フリクションボールペンはペン上部のラバーで擦ると色が消えます。が、実際は摩擦熱だけでなく、60℃以上になることでインクは無色になります。その性質を利用すれば、アイロンをかけるだけでインクは無色になるということです。ただ、この「無色」というのが気になります。「消える」という表現ではなく、わざわざ「無色」と書いてあるあたり何かが残ってはいるのでは、と感じてしまうのは自分だけでしょうか…。まぁ、どちらにしても見えなくなるということなので、気にしないでおきましょう。
実際にアイロンをかけてみるとジワジワとインクが消えていきました。そして、その上からまた字を書いても勝手に消えていきます。熱が残っている限り自然と無色になってしまうようです。裁断してからアイロンを掛けるのは手間が掛かるので、マスク完成後に加熱殺菌も兼ねてアイロン掛けはしています。その時に、ついでに残っていたインクを消すことができるのです。細い方がいいかと0.5mmのボールペンを買いましたが、生地によってはインクののりが悪く、一回で型をなぞることができないので、もう少し太めの0.7mmでもよかったかなと思っています。
フリクションボールペンで書いた字はノートの紙が擦れる摩擦熱でも消えることがあると思います。同様に熱で消えるのであれば、日が当たる窓辺で文字を書いていて、しばらく席を外していたうちにノートが真っ白になっているっていうこともあるのかもしれません。夏休みの宿題なんかはフリクションを使わない方が安全ですね。そもそもそういうことがあるから自分はフリクションを使っていなかったです。まぁ、大事なものを書くときはみんな普通の油性ボールペンを使うんでしょうけどね。
さぁて、明日は7月7日七夕の日。とうとうこの日が来たか…。
by Fuji
製作物
・PM Juggling 「otomodama」持ち運び用の巾着ケース 製作 by Fuji
https://pmjuggling.com/product/otomodamaset/
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◆日本ジャグリング記 黎明編◆ 文・ハードパンチャーしんのすけ
第13回
先号のPONTEで編集長の青木くんが
“僕はパッシングが大の苦手です。”
と書いていた。
実のところ、ぼくもパッシングは苦手だ。
と言うか、性に合わない。
ジャグリングを続けているひとは、みんなジャグリングが大好きなのだろうと思うのだけど、とはいえ「ジャグリング」と呼ばれるすべてのものが大好きなわけではなかろうと思う。
ジャグリングの道具や技術に対する相性ってあるよね。
言っちゃうと、ぼくはジャグリング始めた当初、パッシングが嫌だった。
嫌なのだ。
ぼくは自分の練習がしたい。その観点からすると、パッシングはぼくがしたいことではない。気を遣う。
さらに言うと、左右非対称な動きをするパッシングというのが、嫌だった。当時は、偶数カウントのパッシングがあるのみだったし。かといって、奇数カウントのパッシングがメジャーだったとしても、やっぱり嫌だったろう。要は、誰かのペースに合わせて練習するのはまっぴらごめんだぜ!という、ひとりでいきっていたのが当時のぼくなのだな。うん、なんかその力みを思い出すに、なんか辛くなってきた…
さておき。
ジャグリングを練習するに、道具やらの好みはありますよね。それぞれで良い。
ぼくは先に書いたように、パッシングへの興味はほとんどなかったけれども、パッシングが好き!というひともいる訳です。
パッシングマシン 吉野くん。
もちろん、最初からパッシングマシンであった訳ではないけど、気付いたらマラバリスタの「パッシングマシン」になっていた。
ここで「マシン」という言葉について、補足しておきましょう。
「マシン」というのは、機械を意味するそのままのイメージで良いのですが、当時、マラバリスタの中で、ナンバーズ(…と言っても、当時は5ボールカスケードがだいたいだったような)をはじめとして、精密にジャグリングするひとは
「あやつはマシンだ!」
と表現されていました。
ぼくが1年生であった頃、「マシン」という言葉は精密で高度なジャグリング、という意味であったのかと思いますが、パッシングマシンこと吉野くんはそこにもう一つ意味が加わってきます。
その意味とは。
待たれよ、次回。
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◆釣り日記◆ 文・斉藤交人

フィニッシュは大切です。
最新の注意を払って決めないと、とても印象が悪いものです。日本の格言でも、終わりよければ全てよし、とそれまでの努力をひっくり返してしまう最終問題スーパーヒトシ君(古い)みたいなことが言われているほどです。それだけに、いわゆる大技、難しくて見栄えのする技を選ぶことが多いようです。
ジャグリングの演技もいろんな終わり方がありますが、ボールを4個以上投げる人に限ると全部を投げる大技をラストに持ってきてフィニッシュとする人をよく見かけます。しかも、全部キャッチできたら、すかさずボールを全部投げ出してしまうことが多い気がします。どうせ投げ出すなら、最後の技のあとは、そのまま取らずにポーズ決めてしまってもよかったりはしないのでしょうか。空から降ってくる雨あられのボールの下で立ち尽くすのも良いものです。(個人の感想です。効果には個人差があります。)
ディアボロや、シガーボックスもナンバーズに依存した火力の流れがあって、ボールと同じく最後に投げ出す人も少なくないようです。投げ出す以外の終わり方としては、床に叩きつけるように置くのもよく見かけます。ディアボロだと思わず、丁半博打かと思ってしまったりするのです。持ち上げたらサイコロが出てきそうですね。バータックスでは必然的にシングルになってもう少し穏やかで美しいです。バータックスのマジックノットを背中の後ろでほどきながら両手を広げる映像を、100人は見たと思います。
こんなことを考えたのは、さっきちょっと失敗したからです。頭から顔に砕けたポテトチップを被ってしまいました。フィニッシュは大切です。

◆寄稿募集のお知らせ◆
週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。
◆編集後記◆ 文・青木直哉
-自転車を買いました。黒くてマットな、可愛い自転車です。自前の自転車をアクティブに使うのはもう5、6年ぶりで、乗り倒してやろうと思ってます。
-近所に「サリサリカリー」というパキスタン風のカレー(ってどんなでしょうね)を出すお店があって、とりあえずそこに行こうと思ってます。
また来週。
PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。
<END OF THIS ISSUE>
発行者:青木直哉 (旅とジャグリングの雑誌:PONTE)
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