編集長の友人でもあるスウェーデンのジャグラー、Erik Åberg(エリック・オーベリ)が自身でデザインした「ゴーストキューブ」。立方体ユニットをいくつも繋げてできていて、うねうねと動かすことができます。また、その組み合わせ次第で、多様な形にすることもできます。
そのゴーストキューブを自分で組み立てて遊ぶことができるキットが、現在キックスターターというクラウドファンディングのサイトで、販売されています。このページでは、エリック本人が、プロダクトの解説をしています。今回PONTEでは、エリックさんに「ゴーストキューブ誕生の経緯」を聞いてみました。
「ゴーストキューブ」プロジェクトの経緯。
(以下このセクションは、エリック・オーベリ氏のコメントを青木直哉が翻訳したものです)
「私はジャグリングの歴史を研究していて、ジャグリングショップなどが無い時代のジャグラーたちは、全ての道具を自分で作らなければならなかった、ということに気がつきました。ボールやクラブやリングが、ジャグリングの「定番」となるよりも前の話です。日常で使うあらゆるもの、つまりコイン、葉巻、杖、ボトルなど、すべてがジャグリングの対象となりました。そこで考えたのです。現代のジャグラーである私がイチから道具を作るとしたら、きっと面白いことになるんじゃないかと。
その頃ちょうど私は彫刻にも興味を持っていて、もうひとつの発見をしました。それは、彫刻の世界では、様々な「形」が生み出されているということ。そう、あらゆる「形」が、です。もしこれをジャグリングの世界に移植するとしたらどうなるでしょうか。
これが新しいアイデアの端緒でした。それから私は大きく2つのコンセプトについて考え始めます。ひとつは、そのオブジェクトは、動かすことで色々な形を創造できること。そしてもうひとつは、その道具でマニピュレーションができること。
こんなアイデアから、3次元でさまざまに動くキューブの集合体、「ゴーストキューブ」が生まれました。それ以降いくつものバリエーションを生み出すこととなり、2014年には、YouTube上に発表したゴーストキューブの動画がヒットします。「購入したい」という問い合わせも多く寄せられました。これを経て、レゴのように組み立てられるプラスチックのパーツで出来たゴーストキューブを開発することにしました。折り紙に影響を受けたこのシステムは、手で、簡単に形を変えることができます。
そんなゴーストキューブが、ついにキックスターター(クラウドファンディングサイト)で購入できます。詳細はプロジェクトページをご覧ください。ぜひ、よろしくお願いします」
by エリック・オーベリ
参考:ゴーストキューブの世界的ヒットに繋がった動画
ジャグラー、エリック・オーベリについて
エリックは、ジャグラーとしても活躍しています。日本のジャグリングシーンにも大きな影響を与えており、日本最大のジャグリング大会JJFにも、ゲストで2回来ています。そして来年の2月には、ジャグリングとは無関係なプロジェクトではあるものの、再び日本を訪れるそう。
PONTEも彼を取材したことがあります。併せてお読みください。(こちら)
プロジェクトを支援できるのは2019年1月12日(土)の22:29 まで。購入すると、実際に手元に届くのは来年7月ごろ、とのこと。クラウドファンディングを使ったことがない、という方も、これを機にやってみては。海外から忘れた頃にプレゼントのようにモノが届くのは、結構嬉しいものです。■
Photos provided by Erik Åberg
文 = 青木直哉