台湾のサーカスフェスティバル Future Circus Lab レポート

text by Naoya Aoki

2017年12月8〜10日に、台湾の高雄で行われたサーカスフェスティバル、「未來馬戲實驗場(うぇいらい まーしー すーいぇんちゃん) Future Circus Lab」に行ってきました。

会場の雰囲気は横浜のみなとみらいにある赤レンガ倉庫を彷彿とさせます。
使われなくなった倉庫などをリノベーションし、おしゃれな場所になっています。
気候は、12月の台湾、それも南部にしては異常なほど寒かったです。
なので、薄着でショーを観たり、演者として脇で待っている時など、凍えてしまいました。

地域の一般の方々も自由に出入りできる無料のイベントで、比較的多くの人が来場しており、フェスティバルとしては規模はかなり大きいほうでした。それでも、昨年行われた衛武営芸術祭よりも、断然規模が小さかったです。
ただ雰囲気はのどかで、それでいてお客さんの反応も温かく(オープンステージでの演技で実体験)アーティストの立場からも、参加者の立場からも、非常に満足のいくフェスティバルでした。

ガラショーやワークショップのために集められたアーティストは世界中から来た一流のジャグラー、パフォーマーたち。(「Future Circus Lab」と銘打っていますが、ジャグリングの比重が大きい。これは、主催者の意向でもある)豊富で豪華なラインナップながら、スケジュールには余裕を持って見られるように組まれていました。
日本からは、渡邉尚、ホワイトアスパラガスが参加。その他の参加者はここを参照。一人残らず、個性が出た面白いパフォーマンスでした。

大きな舞台で行われるガラショー(フェスティバルの中でも目玉になるショーをこう呼びます)では、台湾のアーティストが集まった「台湾之夜」、世界中のアーティストを集めた「世界之夜」、台湾のアーティストによる実験的な演目、カナダのカンパニーによるショーなどがありました。 他にも広場で行われる大道芸、規模感の小さいオープンステージ、ジャグリングバトルなど、いくつかのタイプのサーカスの形に触れられるようになっていました。
主催のシンホーさんが、ヨーロッパやアジア各国を回って実体験してきたことが、きちんと還元されています。









▲Kouki Fujimoto

オープンステージでは、台湾、日本、アメリカなどからパフォーマーが出ていました。
事前公募で集まったパフォーマーで、レベルは総じて高かったです。
日本からは、Shogunさん(デビルスティック)、カーキさん(リング)、たつるさん(シガーボックス)、神庭さん(ボール)、チコさん(十字のオリジナル道具)、そして編集長青木と藤本くんによる横濱ハッピーターン(シャツ / 手桶)が参加。

そしてTing-Koo-Ki Juggling Battle (ジャグリング / サーカスバトル)では、アーティストが音楽に合わせて各自のジャグリングやアクロバット、シルホイールなどのサーカスアーツを披露。
台湾のアーティストはバトルがうまく、駆け引きが非常に面白い見世物になっていました。
レベルの高い正統派ダグル(ダンス&ジャグリング)をする人もいれば、ダンスとハットを組み合わせる人もいる。
日本人のShogunさんも、技巧的なデビルスティックでおおいに会場を盛り上げていました。



▲Mari Nishimoto

主催のシンホーさんとヨウヨウさんは、「来年以降このような形で開催できるかどうかはまだわからない」と語っていました。
何より、資金的な面が問題のようです。
「今こうやってお客さんが来るのは、無料だからです。これが、お金を払ってください、ということになったら、一体どれだけの人が来るのか。自分の好きなことに対してきちんと対価を払う、という意識が根付かない限り、今後も恒常的にこのようなイベントを開催するのは私たちとしても難しいです」
とのこと。


 

インタビュー

今回は、電力会社にスポンサーをお願いして開催にこぎつけました。
来年以降も協力の意向を示してはいるようだが、やはり資金面で、簡単に再び実現できるわけではないようです。

ひとまず、台湾ではこんなにもサーカス / ジャグリングに対して熱心に活動している人、そしてヨーロッパの人たちや日本人にも負けないような、実力のあるアーティストたちがいる、ということを紹介しておきます。

また編集長の、出演者としての感想、より主観的な感想を、後日公開予定です。(2018/04/20 追記:台湾サーカスフェスティバル FUTURE CIRCUS LAB の話。by 青木直哉(横濱ハッピーターン))

2018/01/06 追記:
その他の参加者による記事一覧
台湾のサーカスフェスティバル「Future Circus Lab」 by SHOGUN(ジャグリングパフォーマー)
Future Circus Lab レポート
Future Circus Labは言葉にできないby 安田尚央(サーカスプロデューサー)

2018/04/20 追記:
台湾サーカスフェスティバル FUTURE CIRCUS LAB の話。by 青木直哉(横濱ハッピーターン)


text by Naoya Aoki

1件のコメント

  1. 我是一名來自台灣的雜技表演者,也有參加這次的藝術節。這一次三天兩夜的活動讓我吸收了許多不同的養分。
    跨界培養皿中世豪與萱丞的《圓的幻想》讓我看到了心目中最強兩大’環神‘的新作,在優美的肢體中又有著絕佳的默契的雙人大環。靈巧的手影師帶來的《god反過來是dog》讓手影不再只是我們印象中只能做的小狗、小鹿的小遊戲。《17 together》來自帽技表演者潔民與口技表演者君銜的幽默演出,許多意想不到又極富巧思的一場表演。
    世界之夜中艾瑪.洪奈兒一場不用音樂的演出,獨特的個人風格與呼拉圈技巧讓人驚豔。渡邊尚以他彷彿動物的肢體將球、地、人連結重組成各種自然的樣貌,我想這是最原始也最困難的藝術。吉永.卡頗維治的扯鈴技巧由巔峰走向極簡,將最困難的動作化為最簡單的線與面,或許未來我們也能夠有這樣的嘗試。
    看了一場場神級的演出,總是邊看邊冒出「噢!原來表演可以這樣玩!」的想法。確確實實的顛覆了以往我對表演的看法。在與各種傳說級的表演者簽名與交流的同時,也得到了許多意想不到的寶貴意見。非常感謝陳星合老師精心策劃的一切,這是我的18歲中最值得參加的活動!

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