週刊PONTE vol.34 2019/07/08

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.34 2019/07/08
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週刊PONTEは、「書くジャグリングのメールマガジン」です。
人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆
・青木直哉…旅について 第3回
・Fuji…フジづくり 第34回「スタンプ押したり、coroつくったり」
・きんまめ…デビステのてんぷら 33本目 「笹の葉皿々」(メルマガ第27回)
・寄稿募集のお知らせ
・編集後記
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◆旅について◆ 文・青木直哉
第3回
先日ある人から「なんでそんなに外国語が好きなんですか」と聞かれました。
なんでだろうな、と自分でも考えました。そこで今週はその質問について書いてみます。
その前に、まず「なぜ」ということばについて考えてみます。
「なぜ」は、自分にとって結論までの道筋が見えないことを、なんらかの方法で納得したい、と思って発せられる質問です。つまりこの場合、「外国語が好きだ」という気持ちは、いったいどういうふうに感じることなのか、自分には自然に起こることではないので知りたいのだが、と聞いているのだと思う。
そして大事なこととして、一般的に、「なぜ」に対して、「こうだ」という「論理的な理由」で答える必要はない、ということがあります。というのも、「なぜ」と聞く場合に一番に求められているのは、最終的に、質問した方の気持ちが収まったり、合点がいくということだからです。
なので、「なぜ」に対して「自分にとって筋が通っている理由」を素直にストレートに述べても、質問をした方にとっては、結局筋が通らないままで、やっぱりいまいち合点がいかぬ、ということが往々にしてあります。そういう場合、「なぜ」の目的は果たされなかったことになる。
僕はここで、きちんと「なぜ」に役割を果たさせてあげたいと思う。
というわけで、これを読んでいる方が、「外国語が好き」というのはいったいどういう状態なんだ、と、こう、いぶかしんでいると仮定して、僕からは、「外国語を好きだと確信する状況」を描写することで、なにかわかってもらえるんじゃないか、と期待して話を進めてみます。きっとそれは「なぜアオキは外国語が好きなのか」という質問への回答になりうると思う。
いや、やっぱりさっぱり全然わからない、ということになるかもしれないですが。
まずは本屋さんの話をしましょう。
本屋に入ると、だいたい僕は別にこれといった目的もなく、外国語学習書籍のコーナーに行きます。だいたいは、新刊が出ているかをチェックしたり、すでに知っている書籍を立ち読みしたりします。メジャーな言語の新刊も気になるし、目立たない言語の入門書が出ていたりしても、嬉しいです。
これはどういうことか。
語学書をみているときの僕の気持ちは、旅行ガイドを眺めているときの気持ちに近いものがあります。端的に言えば、「今ここに無いものに憧れる」気持ちです。このことばを操ることができたら、さぞ気分がよかろうなあ、と思うわけです。
南ドイツのガイドブックを眺めて、ビール美味しそうだな、とかニュージーランドのガイドブックを眺めて、自然はいいなあ、とか、シンガポールのガイドブックを眺めて、夜景が綺麗だろうなあ、と感じる憧れ。これと、ほとんど同一です。
この本に書いてあることを自分の頭の中に入れたら、オランダ語なり、チェコ語なり、台湾語なり、自分が今まで全く喋り方を知らなかったような言葉が、話せるようになるんだよなあ、という、取らぬ狸の皮算用のような、ハッピーな妄想とも言えます。そういう風に未来を夢想している時間がとても楽しいのです。
さて、それだけでも十分幸せは感じるのですが、時にはその本を実際に買い求めます。もちろんそのあと内容をそっくり頭に入れるのか、といったら、全然そんなことはない(場合の方が多い)のですが、とにかく語学書を前にしているときの僕は言われようのない興奮に包まれているので、そのままその本を手に入れてしまうことがあります。
こういうことは、多くの人にとって、頻繁な経験ではないと思うので、きっと「外国語が好きだ」という状態を理解する一つの手がかりかもしれません。
では次、街で外国語を話している人を見るとどう思うか。
僕はまず、これはいったい何語だろう、と無意識に考えてしまいます。メジャーな言語(フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、アラビア語、中国語、朝鮮語など)や、自分がある程度勉強をしたことのある言語(フィンランド語、チェコ語、トルコ語、オランダ語など)は、割とすぐに判別がつきます。(何を言っているかまでは分からないが)そういう時は、なぜここにこの言葉を喋る人がいるのだろう、といったことに思いを巡らせます。
もし自分が全く予想もつかないことばを喋っている場合にも、それはそれで興味をそそられます。あまり聞き耳をたてるのもなぁ、とは思うのですが、一生懸命、だいたいどのあたりの地域の言語なのか、予想を立ててみたりします。
さて、上に述べたような考えが、僕にはあくまで「自然に」湧き上がってきます。それがいったい「なぜ」なのか、論理的には、わかりません。
好きな人のことを「なぜ」好きなのか、そんなことは説明できないのと同じです。自分にすらわかりません。
「外国語が好きである」というのは、「これこれこういった理由で役に立つから」とか、「これこれこういう部分がきっと性格にあっているから」とか、論理的に説明できることでは到底ありません。
外国語の気配を前にして、僕は考えるよりも先に、「あぁ、好きだな」と思ってしまうものなのです。
(第4回に続く)
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◆フジづくり◆ 文・Fuji
第34回「スタンプ押したり、coroつくったり」
先日、新作の巾着づくりのために新らしい帆布や紐の調達をしていました。
そして、Juggle Packのロゴスタンプも到着したらしいので、早速青木さん家にスタンプしに行きました。
見た感じ、大きさもバランスもとてもよく、思っていた通りの仕上がりでした。慣れていないせいか帆布にスタンプするのは意外と難しく、インクのつきがあまかったせいかかすれてしまいましたが、それも味があっていいなと思いました。試したのが万能インクのようなものだったので、もしかしたら布用のインクとかにすれば、いくぶんインクののりがいいのかもしれません。
帆布以外にも名刺サイズやはがきサイズのカードにも押してみたところ、自分好みの仕上がりになりました。汎用性が高いので他にもいろいろと押してみたいです。
また、ある方から「coro」の製作依頼で10個注文を受けたので、せっせとつくっております。久々の製作になるので感覚を思い出せるか心配でしたが、まだなんとかそこは体が覚えていました。この前の休みの日には、昼間からずっとcoro製作にあたり、約10時間ミシンと向き合ってました。その後青木さん家で夜中の1時まで会議もしてました。
ただ、この日の製作時間で、ファスナーの金具を一度外してから縫うことにより、縫い目が綺麗で、さらに縫いやすい方法の発見もありました。ファスナー付けで一番悩んでいた点だったので、それが解消されたのはとても大きいです。1.4mmのマイナスドライバーやラジオペンチを使っての緻密な作業で、外す手間はかかるけど、そのぶん納得のいく仕上がりに近づきました。それでも10時間かけて全工程の半分くらい…。
気づけばイギリス出発までもう3週間ほど、いろいろ急がなければ~。けど、家に帰ると疲労で眠くなる毎日です…。
※ロゴスタンプつかってみました。
https://jugglingponte.com/wp-content/uploads/2019/07/jugglepackstamp.jpg
※前回の記事で表記に誤りがあったので訂正します。
・◆フジづくり◆ 文・Fuji 第32回→第33回
・
(文字化け)→不明。特に変換された文字なし。
(編集長註:アオキの見落としでした。失礼しました。)
by Fuji
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◆デビステのてんぷら◆ 文・きんまめ
33本目 「笹の葉皿々」(メルマガ第27回)
「苦しみの果てにその身を投げた井戸からは夜な夜なお菊の霊が昇り立ち、お皿の枚数を数えては、1枚足りない、、、と嘆きの声を漏らすのでした」
そこで意味有りげな御札を貼りまくった皿を取り出して、
「こちらが!お菊の恨みがこもりにこもった!例の10枚目の皿でございます!」
と茶番を打つのはどうだろうか。
どうだろうかといきなり言われても困るだろう。
先週皆様からテーマを募集したところ、早速何件か回答頂いた。蓼食う虫も好き好きである。ありがたいですね。第1弾は、皿回しの人からのご要望。
「皿回しの上に何を乗せて回したら面白いのか教えてください」
では今一度基本に立ち返り、国語辞書をひもとくとしよう。
さら【皿】食物を盛る平たく浅い器。
やっぱりね感溢れる説明である。
まあしかし皿なんだからやっぱり食物を乗せたい気持ちはわかる。回るんだしできれば丸いものがいい。目玉焼きとかお好み焼きとか。あるいは、丸じゃなくて、回る食べ物という手もある。そう、寿司だ。自転型の回転寿司なんて貴重だろう。遠心力ですっ飛ぶのではないかと心配の声もあるかと思うが、ご安心を。そんな時は皿ンラップをかけておけばいい。
自転型の食べ物と言えばケバブだが、残念ながらケバブに皿のイメージはない。どちらかというとジャグリングナイフとの相性が良さそうである。
回る食べ物で忘れてならないのが、ピザである。ピザ回しとしてマイナージャグリング界に確固たる地位を築いたピザは、皿とも盟友でありその相性も抜群に違いない。というか、もうとっくに組み合わされている気もする。皿の上にはピザが乗っていて、さらにピザの上には皿ミが乗っていてるのもポイントが高い。
などと無益なことを書いていたら紙面が盗まれてしまったので、残りの無益なことはまた来週。
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きんまめ:ジャグリングサークルジャグてっく元部長。くらいしか経歴がない。デビルスティックをやっていました。この技がいいねとあなたが言ったから7月6日は皿の記念日。好きなジャグラーはまさやんさん。
引き続きご意見ご要望はコチラから:https://forms.gle/iLVAdWDo6sfb3CbW7
◆寄稿募集のお知らせ◆
週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。
◆編集後記◆ 文・青木直哉
-イギリスに旅立つ日が刻一刻と近づいています。「海外に行くこと」そのものへのワクワクは経験を重ねるにつれて少しずつ減っています。どちらかというと、「ああ、あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」という焦りです。
-それでも、イギリスに行くのは楽しみです。もちろん。今回はロンドン以外の都市もじっくりと回れそうです。
-そして何より、EJCというコンベンションについて考えた時、一番楽しみなのは、毎年のように会っているみんなに、また会える、ということだなと思います。
また来週。
PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

発行者:青木直哉 (旅とジャグリングの雑誌:PONTE)
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