週刊PONTE vol.24 2019/04/22

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.24 2019/04/22
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉…ジャグリングがつなげるもの Weekly 第23回「でかいプードル」

・Fuji…フジづくり 第24回「いざ、中国へ!Coro、海をこえて」

・きんまめ…デビステのてんぷら 23本目 「いたるところで待ち合わせ」(メルマガ第17回)

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

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◆ジャグリングがつなげるもの Weekly◆ 文・青木直哉
第23回「でかいプードル」

横浜は春らしくなってきました。
これを書くつい数時間前、あまりに天気がよくて、外に出てアパートの階段に腰掛けてパソコンでカタカタと仕事をしていました。
アリに足を噛まれたり、トカゲにじっと見つめられたりしました。

外でジャグリングをするのも、気持ちがいいですね。
僕は中学3年生からジャグリングをしています。
当時、近所の公立の中学に通う友達にその姿を見られ、自分からわざわざ見られるようなところでやっておきながら、そのくせなんか陰で言われているんじゃないか、などと心配していたことも思い出します。そのころは、大きさの違う二つのディアボロで、(一個は買って、一個はなぜか学校に落ちていた)2ディアボロを習得しようと躍起になっていましたね。
そうそう、木のスティックが折れちゃったので、ガムテープでぐるぐる巻きにして使っていたよなぁ。

外でジャグリングをすると、見ず知らずの人にもよく声をかけられますね。子連れの奥さんの「お兄ちゃんすごいね」の賞賛や、おじさんの「どっかで大道芸してんの」攻撃などは、全国津々浦々のジャグラーの皆様も、思い当たる節があるかとお察しします。

僕はそういう反応を流すのが割と得意(まぁ人が根本的に好きだから)なのですが、ただ黙々とジャグリングをしたいと思っている方々にとっては、あれは辛いんでしょうね。ただただ練習がしたいだけなのに。でも、その「ただただ練習がしたい」という欲も、ことジャグリングに限ってはなんだか理解してもらうのに少し時間がかかることであるような気もします。だって、やっぱり、練習しているだけでも、見世物みたいですもんね。ジャグリングって。それを「みるな」と言うのも、なんだか優しくないような気がします。それはたとえば、大きくて可愛い犬を連れてるようなもんで、やっぱり人としては、そういうのを見ると耐え難く興味が湧いてしまうものですし、あわよくば話しかけて触りたいなあとか思っちゃったりするんですが(そうでもないのかな?)「あんまり見ないでください」とか言われると、ちょっと、こちらとしても、「しゅん」としちゃいます。

これって、結構考えてみると奥が深い問題(かどうかはわからないけど)なんじゃないだろうか。

ジャグリングは見せる意図がなくとも「技巧性」を磨くスポーツ(と、敢えて言うけども)であるし、そもそも扱っているものが珍しいから、注目をすぐ浴びちゃう。でも、それをやっている人にとっては、特に注目を浴びる意図がなくて、だからジャグラーは、なんと言うか、でかいプードルみたいな存在なのかもしれないですね。

でかいプードルってやっぱり可愛いですよね。
僕は体積の小さなトイ・プードルなんかより、断然悠々と歩くオリジナルのプードルが好きで、もっと言うと、大型犬ならやっぱりシベリアン・ハスキーなんかキッとした目つきが最高だよなぁとか思っちゃうわけで、一番好きなのは芝犬ですね。

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”Juggling – From Antiquity to the Middle Ages: the forgotten history of throwing and catching”『ジャグリング 古代から中世まで:投げたり取ったりの忘れられた歴史』
PONTE STOREで販売中。ジャグリングの歴史研究において、とても重要な一冊です。
全編英語。
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書評はこちら
「ジャグリングの歴史について考える」とは何について考えることなのか。
https://jugglingponte.com/blog/2019/04/12/thom-wall-book-review/

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◆フジづくり◆ 文・Fuji
第25回「いざ、中国へ!Coro、海をこえて」

今週の24日から青木さんとともに中国のDALI FLOW FEST(大理フロウフェス)に参加してきます。4/22~29の間で開催しているもので、約一週間、中国に滞在します。
自分は当然初めてのことながら、青木さんも乗り継ぎくらいでしか中国に訪れたことがないらしく、2人して未開の地に降りたちます。

昼間はフロウ系のジャグラーによるパフォーマンスやワークショップ、ジャグリングゲーム、ショップ、夜間はファイヤーパフォーマンスやフロウジャグラーのショーなどがあるみたいです。
自分たちはフェスティバルに参加しつつ、Juggle PackのボールケースCoroとPM jugglingのPMボールなども紹介、販売してくる予定です。

行く前にWeChatという中国版のLINEのようなもので告知したところ、すでに1セット注文が入りました!これからまた注文が入るかもしれませんが、現時点では注文品を除いて4セットはつくって持っていこうと考えています。

現地ではキャンプ泊なのに、まだマットや寝袋を持っていなく、荷造りに手をつけていない中、Coroをせっせと製作中です(笑) ただ、この活動を通して新しい土地で、新しい人と出会い、新しいつながりができると考えると、不安もありますが、わくわくしています!そして、このつながりが夏のEJC (イギリス開催)にもつながっていくんだろうなぁ~。わくわく!

by Fuji
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◆デビステのてんぷら◆ 文・きんまめ
23本目 「いたるところで待ち合わせ」(メルマガ第17回)

柳の下にどじょうは2匹いないし、駅前に鈴は2つない。
雄弁は銀、沈黙は金、と言うように、東京駅の銀の鈴の前にはたくさんの人が待ち合わせており、三ノ宮駅の金の鈴の下で待ち合わせるものはいない。
銀の方がたくさんの待ち人を獲得しているのであった。つまり、シルバーコレクターということではないか。

では、みなさん三ノ宮駅ではどこで待ち合わせるかというと、さんきたアモーレ広場が最もメジャーなのである。石畳造りのエリアに、円形の緩やかな丘が3つほど隆起しているのが特徴的なこの待ち合わせ場所は、しかし、「そんじゃ一旦さんきたアモーレ広場集合ね」と言っても、実際は誰にも通じない。この広場は俗称パイ山と呼ばれ、正式名称を差し置いてこの名が圧倒的認知度を誇っているのである。神戸新聞や産経新聞にすら「通称パイ山」という表現で登場するほど市民権を得ている名称なのだ。しかし、一体なぜパイ山と呼ばれるのか、筆者は知らない。
ちなみにパイ山は駅前開発の波に飲まれ、3年前に姿を消した。ちょうど1ヶ月ほど前に新デザインが決定したが、パイは均され、輪と円板のモダンな空間になってしまうようだ。

俗称の方が知れ渡っている事例として、なごみの広場も挙げられる。そこそこ開けた空間であり、地面の素材が謎でやたら柔らかいこともあり、ジャグてっくのキャンパス内でのメインの練習場所でもある。
この広場には、水銀という物騒な別名が付いている。その昔、土壌が水銀汚染されたのでこの名前で呼ばれている、とまことしやかに伝えられている。
ちなみに、10年前、近くに新図書館(通称チーズケーキ)が建設される際の資材置き場として水銀は使われ、あの謎の地面材も剥がされて、駐車場のように小石がゴロゴロした広場になってしまった。「なごみの広場」からはかけ離れる一方である。

さらにローカルな集合場所がある。横浜駅での待ち合わせ、ここにはビッグマン、銀の鈴やパイ山みたいに一人勝ちみたいなスポットはない(と思っている)。西口の交番前とか改札んとこのドトール前とかビブレ前とか、あまり響かない中堅スポットはわりとあるにはある。そんな中、10年前の高校時代の友人との間で使われる符丁「17ステラ半」、これは横浜駅での集合時に「ステラおばさんのクッキー前に17時半集合」という意味を持つ。なぜわざわざ中途半端な場所で通行量も多いステラ前に集まっていたのかは謎であり、ステラ半とかステラ45とか分を語尾に付けていたのかも謎ではあるが、関西に越してきた今でもステラおばさんのクッキーを見かけると、待ち合わせの記憶が蘇る。

賢明な横浜駅ユーザーならお分かりだろうが、横浜駅のステラは移転してしまい、もうあの角のところにはない。
パイ山といい、水銀といい、ステラといい、不動存続という待ち合わせスポットの最重要要素が欠けている。それに引き替え、金の鈴はしぶとく生き残っている。いつの日か、その下で待ち合わせする人が鈴なりになることを願っている。

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きんまめ:ジャグリングサークルジャグてっく元部長。くらいしか経歴がない。デビルスティックをやっていました。ドラえもんの鈴には猫を集める機能があったらしいので、やはり鈴は集合のシンボルとしてふさわしいみたいです。好きなジャグラーは特にいません。
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◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

-来週は、編集長とFujiくんで中国に行ってしまうため、メルマガ、お休みいたします。

-今回の旅では、PONTEくんが旅をしている動画と、旅行のことをまとめた小冊子を作るつもりです。さて、どうなることやら。面白いものを届けたいぞ。

-僕は、待ち合わせは

また来週。

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

<END OF THIS ISSUE>

発行者:青木直哉 (書くジャグリングの雑誌:PONTE)

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