週刊PONTE vol.188 2022/07/06

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.188 2022/07/06
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉… ジャグリングで書くこと 第8回 ねじれPONTE

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

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◆ジャグリングで書くこと◆
第8回 ねじれPONTE

書くことがないねぇ、と唸りながら文章を書いている。
でも「書くことがない」という事実から出発して文章を書くこともできる。そういうふうにして書かれた文章が、ときどき面白い、ということも知っている。
「書くことがない、ということについて書く」という芸当は、今まで何十回もやってきた。まだこの方法やってていいんだろうか、とも思う。それでも「スラスラと書けない」という事実についてはここで書いておく。ただ、書けない、という停滞から出発していると伝えておきたいから。

最近はジャグリングもほとんどやっていない。5つのボールを投げ、3つのディアボロを回す技術を身体能力として保持していて、それで僕はジャグラーである、と名乗り、かつ「ジャグリングの雑誌」と称してこのメールマガジンも続けているが、なんで続けているのかもよくわからない。けど、やめたいとも微塵も思っていない。やめて何かが楽になるかもしれないけど、でもそもそもジャグリングをやめるというのがどういうことかもわからない。だからとりあえず、ジャグラーである、と名乗り続け、時々ジャグリングをして生きている。

PONTEでは、こういうことが書かれる。これはなんだかねじれているぜ、と感じる。だって、ジャグリングのメディアと言いながら、「ジャグリングをしないこと」を積極的に肯定しているからだ。ちょっと変だ。
でも、これは、大事なことだと信じている。だって、生きる上では、そういうことがリアルだからである。PONTEは今、「ジャグラーがジャグリングをしていない時」に注目するメディアである。
現在参院選挙の真っ只中だが、PONTEはジャグリング界の野党なんじゃないかと思っている。与党はどこにいるんだ、ということになるが、僕が恐れや萎縮を感じる対象、それが与党かな。恐れを感じる対象というのは、僕にとっては「優れたジャグリング」や「活躍するジャグラー」である。
言っておくが、僕は優れたジャグリングが大好きだ。優れたジャグリングをする人のことも大好きだ。でもいざ自分がジャグリングをすると、どうも、別に優れているって感じでもないな、という気分に襲われる。そういうとき、優れたものが怖い、とおもうことがある。恥ずかしくなる。
時々、俺、ちょっとうまいかも、と勘違いすることがないでもないが、他方、これが市場で評価されたり、脚光を浴びたりとか、そういうことはまずないわ、と諦めてもいる。それでなんだか、何を目指したらいいかわからなくなる。
ひとつの道で優れていること、毎日欠かさず鍛錬ができること、そういった「努力が実っている感じ」だけが肯定されるとしたら苦しい、と思う。もちろん、側から見て何かをすごい、と思うのはそれが優れている場合だ。だから努力が実ることが称揚されるのに不思議はない。それはそれで素晴らしいことだ。
でも、それは個人の生き方として、誰しも努力すべきである、ということを意味しない。むしろ、一番を目指すこと、何か「優れた存在」になることというのは、苦しさが多い。特に、その幅があんまりにも狭いと、とても苦しいことがある。
自分には全然向いていないであろうフィールドで、無意識に戦っていることがある。自分に全然合っていないフィールドにおいて、相対的な評価の中で優れること自体が目的化してしまうと、必ず、どこかで苦しくなる。だから、なんかうまくいかないな、と思ったら、目線をずらさないといけない。そのための指標が必要で、その一個の例がPONTEなのだ。
こういうことって、競争を内在化して今現在うまく行っている人に向けて発言すると、ちょっと攻撃的な発言みたいになるので、あんまり堂々と言いづらいところがある。おまえ、どうせひがんでるんだろう、とか、おまえは、自分が努力ができないばっかりに、努力するという行為そのものをやんわり否定することで自分が上に立とうとしているんだとか、そういうふうに思われるかもしれない。僕は全然そんなふうには思っていないんだけど、発言というのは、外に出した時点でいかようにも受け取られるので、そう思われてもこちらも文句が言えない。
でもやっぱり僕は言う。自分が本能的に参加したくないと思った競争には、あえて参加すべきではない。むしろ「何に参加しないか」ということにとことんこだわる、その努力、労力こそ大事なんじゃないかと思う。それを慎重に選ぼう。というのも、それはそれで結構大変なのだ。そして、大変だけど、本当に価値のあることなのだ。

僕が今でも「PONTE」という名前の看板を下さないのは、ジャグリングをなんとなく続ける、ということの居場所を確保したいからだ。
なんとなく続いている、とか、きっちりとはやっていない、というのは、人生において珍しくもなんともない。それはジャグリングにおいても同じである。ジャグリングなんて、きっちりやってない人の方が多い。圧倒的に多い。それで、そういうあり方でも、どうやって面白い立場を確保できるか、ということを探っている。
その探り方の一環として、こうして迷いの過程のようなものもただただ見せている。ジャグリング専門になりたいんだけど、全然なれないで、別のことにばかり興味がある、それで、関係ないことばっかり書いちゃう、というこの僕のあり方は、実は少なくない数の人にも共通している、アクチュアルな心の動きなんじゃないかと思う。
こういう心の迷いの部分は、特にプロフェッショナリズムの世界では、隠される傾向にある。芯が強い、ということが信頼を得る。キッパリと、淡々と努力をして、優れた結果だけを見せることが最高の道であるような感じがする。ひとつのことに秀でること、というのがプロフェッショナルの王道(というか唯一の道)であるような感じは、ある。
ただそれは十分世に溢れているから、ちょっと変わり種として、こんなふうな角度からジャグリングと関わっている人がいるんだ、ということを例として見せる、それがPONTEの、ねじれたひとつの役割なのだと思う。

まぁでも、こんな堅い話ばっかりだと僕も疲れちゃうので、そろそろジャグリングにまつわる旅にでて、それについて思い切り楽しい旅行記を書けたらなぁ、とは思ってます。そのための準備中。
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☆PM Jugglingのnoteを勝手に紹介☆
ライダーズ
https://note.com/daigoitatsu/n/n7ce333e6ed39
「でも、乗らないとわからないんですよ、というのがなんかいいなと思った。わからないままでいて欲しいというか、そういう世界の広がりを感じたままにしておくのも楽しい。」
(記事本文より)
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◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

-まだまだ、新作『ジャグラーのぼうけん』発売中ですよ。これも一つの、ねじれたジャグリングとの関わり。読まれた方からの反応も概ね好評で嬉しい限りです。https://store.jugglingponte.com

また来週。

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発行者:青木直哉 (PONTE)

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