週刊PONTE vol.176 2022/03/28

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.176 2022/03/28
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉/板津大吾…投げないふたり Season2 第10回「退屈しのぎを提供する人」

・Juggling Airport …青木直哉

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

◆投げないふたり season2◆
話し手・板津大吾(PM Juggling)& 青木直哉

第10回「退屈しのぎを提供する人」

一ヶ月ぶりの対談。オンラインで、近況報告を兼ねて話す。

青木直哉(以下N)
引っ越しがしたくて、今日内見してきましたよ。

板津大吾(以下D)
お、なんでまた急に?

N
猫を飼いたくて。

D
でも、旅出づらくなっちゃうんじゃないの。

N
最近は「旅に出たい」より「猫を飼いたい」欲の方が優ってる。

D
なんか、それはそれで面白いね(笑)。

N
まぁ、旅もしたいんですけどね。今までみたいに、無軌道に長い旅をしたい、っていう欲があんまりないんだなぁ。やることが明確な旅を、短期間でする方が興味ある。あとはあれですね、イチからいい部屋を作りたい、っていう願望もあります。「オレが考える最強の部屋」みたいなのを本当に作りたい(笑)。ま、端的に言って、ものを生み出すのにもっと適した部屋にしたいな、っ考えてまして。

D
ああ、理想の部屋をね。でも、そう言えば自分もね、家を建てられたらなと思ってるんだよね。

N
へーっ、なんかちょっと意外。

D
まぁ、家族のためもあるし、仕事をする上でも、何か大きい目標がある方がやりがいがあるし、いいよね。

N
あ、でもそれ、すごくわかる。今、猫のこと考えるとなんでもできるもん。

D
そうなんだ(笑)。あ、そういえばeJuggleの翻訳も、順調だね。

N
そうですね! トントン拍子に話が進んで、やろうと思い立ってから数日後には編集メンバーに入れさせてもらって、どんどん訳してます。

D
もう、中の人だ。けど、あのeJuggleの翻訳こそ、瓶に詰めた手紙って感じだよね。長い目で見て、これを読んだ人が一年に一人でも、ジャグリングの歴史とかに興味を持ってくれたら、それだけで価値があるよ。

N
うん。僕はこれを、舗装道路を敷くプロジェクトのようなつもりで取り組んでます。僕自身は、ジャグリングの歴史をアカデミックに、というか、体系的に調べたりするのは向いていないんです。関心も情熱もそこまでないし、あっても持続しないタイプだから。でも、もっとそういう仕事に適任の人がその上を走りやすいように整えていく作業はなんか、好きだし、得意かもなって思って。

D
土方の作業、って感じだね。

N
そうそう。あと、何に取り組むにしても、消費者じゃなくて、どちらかと言えば提供者でありたい、っていうのは、歳をとってきてだんだん思うようになってる。

D
なるほどね。

N
大吾さんは、修行期間に入りたい、っていうことを時々書いていますよね。あれ、具体的にどういうことを想定してるんですか。

D
お店を休止してやるか、並行してやるかはまだわからないんだけど。失敗するのが前提の状況にして、新しいものを作ってみたいなと思って。普段はやっぱり商品にすることを意識して、自然と失敗を避けちゃうからさ。時間的にも費用的にも「成果を出さなきゃ」って思っちゃう。修行期間だ、くらいに切り分けて取り組む時間が必要だなと思ってて。

N
うんうん、なるほどね。

D
あ、あとは、この間なおくん、学童でジャグリング披露してたね。

N
あー、そうそう。あれは、久しぶりの人前パフォーマンスでした。結構気合い入って、面白おかしくやれたと思う。……なんかねえ、僕は、ジャグリングを純粋に見せたいわけじゃないんだ、ってのも改めてわかった(笑)。あくまで、人を面白がらせたいだけの人間なんだな、って。

D
ああ、それは本質かもね。

N
学童で「子供たちに何かを見せてあげてください」って依頼されるのって、要は子供たちも退屈だから、それをしのげるような、面白いことをしてください、っていうことじゃないですか。つまり、退屈をしのげればそれでいいんですよ。

D
うんうん。

N
あんまり大上段に構えて「一番面白いものを作らなきゃ」って力むんじゃなくて、「どうやったら少しでも退屈がしのげるだろうか」っていう程度に考える方が、やる方も見る方も楽しいな、って思った。ま、僕はその方がいい(笑)。もちろん、もっと目の肥えたひとがオーディエンスだったら、その人の退屈をしのぐためには、新しい、レベルの高いジャグリングが必要でしょうね。でも、それを提供するのは、それが得意で、かつ好きな人に任せなきゃいけなくて。じゃあ自分はどういう人の退屈と向き合えるのか、って今は考えてます。

D
そう言えば自分も、地元でジャグリングを披露する機会ってあったけど、パフォーマンスするのはやっぱりあまり向いてないかも、って思った。でも、その後に子供たちにジャグリングを体験してもらうのはなんか、楽しかったなぁ。それは、お互い退屈をしのげてたからかも。

N
うんうん。レベルの高い、深みのあるジャグリングができる人に対する憧れもありますけどね。でも、ま、あんまり無理なく、自分が得意な一番の退屈しのぎを提供できる人でありたい。

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☆PM Jugglingのnoteを勝手に紹介☆
いつもと違う流れ
https://note.com/daigoitatsu/n/n187c3b89ba9b
「なんか咄嗟に「みんなが君と遊びたくなるようになるとか、みんなが君の遊びをやりたいと思ってくれたら仕事になるんじゃない?」とそれっぽい意見を口にしていた。」
(記事本文より)
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◆Juggling Airport◆ 文・青木直哉

気分だけでも海外へ。または、過去へ。先週は、eJuggleでこんな記事を訳しました。

「1065年のあるジャグラーの話」
https://www.juggle.org/bingaro-a-juggler-from-the-year-1065/

ビンガロというイスラム世界の古いジャグラーの話。そして、

「ガス・ラグラス」
https://www.juggle.org/gus-raglus/

イギリス出身の20世紀初頭のジャグラーの話。
イスラム世界でのジャグリング、ってあまり想像がつかないですが、僕としては、トルコで大きいジャグリングフェスティバルのJ-FESTというのをやっているのが気になっています(https://en.j-fest.com)。長いこと行きたい行きたいと思いつつ、この時期はJJFがかぶることと、昨年もキャンセルで、なかなか機会がない。
イギリスは何度か行っています。最後に行った遠くの国も、イギリス。イギリスではどうも、今年はBJC(ブリティッシュジャグリングコンベンション)が開催されるようです(https://bjc2022.co.uk)。いいなぁ。

◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

-対談を復活しました。来週もやるかどうかは未知数。とりあえず、ぼちぼちやっていきます。

また来週。

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

発行者:青木直哉 (PONTE)

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