週刊PONTE vol.17 2019/03/04

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.17
(2019年 第9号)2019/03/04
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉…ジャグリングがつなげるもの Weekly 第16回「アテねえフランセ」

・Fuji…フジづくり 第17回「ロゴづくり」

・板津大吾… たまむすび 第9回「ものの質感とジャグリング」

・きんまめ…デビステのてんぷら 16本目 「今私の願いごとが叶うならば」(メルマガ第10回)

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

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◆ジャグリングがつなげるもの Weekly◆ 文・青木直哉
第16回「アテねえフランセ」

最近、フランス語を喋って、インスタグラムにポストする、ということを始めた。何年かうっすらとやってきたフランス語だったけど、ちゃんとやろうと腹をくくったのだ。なので、数十秒、思いつくままにフランス語でなにか喋って、それを(ほぼ)毎日ポストし続けている。フランス語を喋る友達からコメントが来たりして、たのしい。

だがこれをしていて、ふと思った。
なんでフランス語なんか習得しようとしているんだろう。

少し考えて、わかったことがある。僕は「フランス語で何かしたい」からフランス語をやっているんじゃないのである。むしろ、「フランス語を話す時の身体的快楽」そのもののために、勉強しているようなのである。今まで発音したことのない音を自分の喉から出す、その快楽のためにやっているのである。それは、やったことのない楽器を弾くことに似ている。あるいは、一応ジャグリングをやっているのでジャグリングでたとえると、新しいジャグリング道具を試すことと非常に似ている。もてあそんでいるだけで、楽しいのである。
僕は、細かい文法事項を丸暗記したり、単語を丸暗記したりする勉強がてんでできない。小さい頃からずっとそうだった。つまらない、と思った途端に別のことをし始めてしまうので、集中力が持たない。なので最近は、簡単だけどおもしろい本を読む、とか、面白そうなポッドキャストを聞く、とか、それこそ、自分について話す、とか「そこに僕にとって面白いことがある」と思えるものをもちいて外国語に触れるように心がけている。
ジャグリングを始めたときも、僕は段階的に何かを習得するのが苦手だったことを思い出す。
技をていねいに理解して習得していく、というのは、まどろっこしくてダメだった。とにかく真似して、できるまでやった。
そしてそこにはなんの目的も、大義名分もなかった。強いて言えば、学校の勉強とか、他のことよりも楽しかったからやっていたんだろうな。

僕がときどきジャグリングを教えている知人がいて、先日「ミルズメスみたいに複雑な、解析しないと前に進まないような技って、なんだかやりたくなくて、背中の後ろ、とかそういうのがいいんですよね」と言っていた。

うん、そういう気持ち、僕はすごくわかる。

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◆フジづくり◆ 文・Fuji

第17回「ロゴづくり」

まだはっきりとお伝えしていなかったかもしれませんが、今製作しているCoroも含めてジャグリング専用ケースなどを製作、販売するブランドとして「Juggle Pack」という名でプロジェクトを進めています。先日、青木さんの家で一日中ミーティングをする機会があり、そこでブランドのロゴを完成させました!原案は青木さんが考えてくれていて、それをもとに2人で細かい調整を行い、完成まで練り上げました。全体のバランスから見ても文字の配置や太さなどを1mm単位で変るだけでも全て違って見えるので、コピーしては調整を繰り返し、やっとひとつに厳選しました。これから長く付き合っていくロゴとして、妥協せず取り掛かりました。少し位置や大きさを変えるだけで、ここまで見え方やイメージの雰囲気が変わるとは思いませんでした。特に正解があるわけではないので、ひとつに絞るという作業が一番大変でした…。

そして、Coroにもブランドイメージをつけるために、タグを付けようと考えています。みなさんも普段見かけるほとんどの商品に大小さまざまなタグがついていると思いますが、これを業者に頼もうとすると、どんなに小さなものでも予想以上にコストがかかることを知りました。しかも最少生産ロットが100個~と多いので、どんな種類でつくるか慎重に決めなければなりません。缶バッジより安く製作できるのかと思っていましたが、そんなことありませんでした!タグひとつとってもそれなりの価値があることを知り、見方が変わりました。(笑) 現在も注文場所を探していて、もしどこかいいタグ製作会社を知ってる方がいたらメルマガ宛に教えてください!(笑)

オリジナルのロゴがついたものって、さらに愛着が湧きますね。

by Fuji

青木註:ロゴは、こちらでみられます。
https://jugglingponte.com/jugglepack/wp-content/uploads/sites/2/2019/03/JugglePack_logo_jugglepack.png
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◆たまむすび◆ 文・板津大吾
第9回「ものの質感とジャグリング」

昨年からスエード生地のビーンバッグをつくっています。一般的なビーンバッグに使われているレザーとは違って、ふわふわ、さらさらの手触りで、投げていてとても気持ちがいいのです。その試作を投げ比べているときでした。ふと、僕にとってジャグリングは、ものの質感を楽しむための媒介でもあったんだ、と気づきました。ジャグリングを通して、新たな質感との出会いを楽しんでいたのです。

私たちは日常生活で物体を見たり触れたりして感じていますが、ジャグリングをしているときは、そこにはない情報がどんどん身体に伝わってきます。形や重さはもちろんのこと、うまく言葉にできないような、強さや、やさしい感じなど。

その感覚は、昔ヨーヨーをやっていたときにもありました。ヨーヨーをしているときは、機種の特徴や、紐のヨリ、オイルの状態の変化などのさまざまな情報を、常に指で感じます。道具の質感を、技を通して身体で受け止め、しかもそれは刻一刻と変わっていく。子供のころの僕は、それまで体験したことのなかったその感覚にわくわくしていたのです。

ヨーヨーに続けてジャグリングを始めたのも、どこかでそのわくわくを求めていたからだったと思います。僕は特定の道具を極めることよりは、いろいろな道具に興味がありました。そして、カスケードのようなシンプルな技が好きで、それだけでも充分楽しめていた。歴が長いのに突き抜けた道具や技術がないことにコンプレックスもありましたが、今思えば、基本技だけでも、ある意味では充分だったのです。むしろ動き自体はシンプルな方が、より繊細にものの質感を楽しめていたのだと思います。

いま、ジャグリング道具をつくっている時間も、ものの質感を楽しんでいます。投げる前から、ジャグリングと地続きな時間を過ごしている。完成したあとこれを投げたら、どんな感覚なんだろう、とわくわくしています。すべてのことは、心の奥でつながっていたのです。

PM Juggling
https://pmjuggling.com/
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◆デビステのてんぷら◆ 文・きんまめ
16本目 「今私の願いごとが叶うならば」(メルマガ第10回)

本田翼が、ババンババンバンバンのリズムで「デビルスティック♪」と歌いながらジャグるCMを打てば、デビルスティック人口が急増するのではないでしょうか?日本スティック協会の方、是非ご一考ください。

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きんまめ:ジャグリングサークルジャグてっく元部長。くらいしか経歴がない。デビルスティックをやっていました。前回ついつい長めに書いてしまったので、今回は短くまとめました。短くまとめたと言うと聞こえはいいですが、単なるツイートのようなものになってしまいました。Fujiさんがインフルにかかった時だってもっと長い記事だったのに。
さて、ババンババンバンバンと言えば温泉なわけですが、わりと銭湯が好きな方でして、半年に1,2回ほど、家の近所のだったり、遠出した際の宿の近くのだったり、わりと衝動的に、閃くように浸かりに行きます。閃くように行くせいか、休館日だったり、営業時間を確認してなかったのでやってなかったり、営業時間を確認していたにも関わらずなぜかシャッターが下りていたり、行ってみたら宗教色の強い講話会の真っ最中だったり、等々、行きたかった銭湯に行ける率が理不尽に低いのです。完全に湯の神様に嫌われている、体洗ってから湯船に入っているのになぜ。
せっかくなのでオススメしたい銭湯を2つ紹介。ひとつは、蒲田にある銭湯で、非常に小綺麗。名を「福の湯」。最大の特色は、カウンター内にピザ窯があり、自家製のピザが食べられます。なぜピザ?ちなみに私は食べたことはないです。
もうひとつは、三浦半島にある、銭湯?というか温泉?というか秘湯です。温泉には2つの定義があり①特定の成分が入っていること、②水温が25℃以上であること、このどちらか1つでも満たすと温泉を名乗れます。この秘湯は①の条件を満たした冷水です。浴場といえるのか怪しい、家庭用のステンレス湯船に管理人さんが薪で温めた源泉を溜めてくれるシステムです。ホームページもなく、温泉ハンター的な人のブログで確認することしかできない、まさに秘湯。ブログ曰く、管理人さんの火の焚きが凄まじく、湯温は60℃に達し、入ることはおろか掛け湯すら不可能。それゆえ冷たい源泉を常時足し続ける必要があるというクレイジーな贅沢っぷり。そんな星山温泉を久しぶりに検索したら、3年前に閉泉という衝撃的事実が発覚しました(ブログ情報)。一度行ってみたかったのに。
ふと嫌な予感がしたのですが、もしかすると今の中高生は、ババンババンバンバンという元歌を知らないのではないかという可能性が脳裏をよぎりました。アラサーゆとり世代である筆者でさえドリフは生で見たことはありませんので、わりとまことしやかな推量ではないでしょうか。もしそうなら、ババンババンバンバンとかボボボンボボンソワとか意味不明な濁点ワード大好きなオジサンだと思われているのでは…… なんだな急に寒気がしてきました。インフルかもしれません。今日は早く寝ようと思います、平たい枕で。
好きなジャグラーは特にいません。

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◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

-久しぶりにだいごさんが、復活!嬉しいです。だいごさんがここに書いてくれることは、いつも「核」をしっかりと一個持っていて、それがわかりやすく伝えられていて、いいなぁ、と思います。
-我らがものづくり職人のFujiくんが作ったゲームで最近よく遊んでいます。Fujiくんがゲームを家にたくさん持ってきてくれるので、助かっています。
-きんまめさんが先週に続き、さらにぶっとんだ原稿を送りつけてきました。ほんとに面白いな、この人は。
-フランス語の成長というか、何を思いながら続けているのか、ということは、時々書いていこうと思います。

また来週。

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

○電子メールマガジン「週刊 PONTE」2019/03/04

発行者:青木直哉 (書くジャグリングの雑誌:PONTE)

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