週刊PONTE vol.158 2021/11/22

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.158 2021/11/22
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉…ジャグリングの雑想 38.福はうち

・ハードパンチャーしんのすけ… 日本ジャグリング記 舞台編 第18回

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

◆ジャグリングの雑想◆ 文・青木直哉
38.福はうち

九州をカブで走る旅を始めて、10日になる。
北九州の門司港から入り、小倉、久留米、佐賀を通過し、長崎、熊本と巡ってきた。今は博多にいる。

リュックに入ったジャグリング道具は2度しか使っていない。ジャグリングは好きだが、旅先でジャグリングをしたいと思わない。いい景色の前でジャグリングをしよう、ともあまり思わない。最近はボールペンで絵を描く方が面白い。旅について文章を書くのも好きだ。
僕にもそれなりの表現欲があるが、そこにおいてジャグリングは決して必要ではないと、ようやく自信を持って感じられるようになってきた。
旅をして何でもいいからなんらかの表現をする、ということに本質があるとようやく本気で思えるようになってきた。
人に会うということも僕には「表現」なのだ、と思う。最高の楽しみである。どこかに行って、新しい人たちと話をして、面白い時間を過ごす。
その時、今までにないやり方で自分を紹介すること、また、今までにないやり方で人から話を聞き出すことが面白い。

絵を描くとか文を書くとか人と話すとか、そういう表現が伴っていれば、旅の理由はなんでもいい。たまたまジャグリングがその理由であり続けてきた。でもそのことに極力執着しないで、いっそ離れた方がいいとすら思う。
必然性ってそういうことじゃないか、と思う。考えすぎない、ということである。

今、福岡に引っ越してきた友人の渡邉尚さん、儀保桜子さんと一緒にいる。ちょうど彼らが沖縄から引っ越してくるタイミングで、引っ越しの手伝いがてら居候させてもらっている。
二人との会話の中で、僕はやっぱりジャグリングが好きなわけではないんだと思う、と言うと、
「それを知らないの、青木さんだけですよ」と笑いながら返ってきた。

渡邊さんはそれから「ジャグリングをうちにしまっておく」という考えについて述べてくれた。
もちろんジャグリングが大事なのは変わらないんだけど、それをうちにしまっておくのである。

僕は、そのことを堂々と言える、ということまで含めて、自由であるということだと思った。

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☆PM Jugglingのnoteを勝手に紹介☆
変なボール
https://note.com/daigoitatsu/n/nc7fed79c45d6
「PM LABOよりも、変なボール、のほうが気取ってなくていいかもしれない。」
(記事本文より)
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◆日本ジャグリング記 舞台編◆ 文・ハードパンチャーしんのすけ

第19回

2006年6月公演「堀の外のジャグリング」、出演者の記録最終回です。

ジャグラーとして最後に紹介するのは、矢熊進之助&江草啓太(デビルスティック)。
…はい、ぼくです。普段は「ハードパンチャーしんのすけ」で出演ですが、本名を使ってるところに、力の入り具合を感じます。江草さんは、あちこちで活躍しているプロピアニストです。
当時、ぼくはジャズにハマっていました。そして、インプロ(即興演劇)を初めて5年程経っていました。そこでテーマに据えたのが「即興」でした。
今ではジャグリングの即興も珍しくないですが、当時の日本では違いました。当時掲載されたジャグリングショップ・ナランハのメールマガジンを見ると「即興」が珍しかったことが垣間見えます。

“-矢熊さんは即興によるデビルスティックをなさるそうですが、実際に演技をされる時に、どのように動きを決めていくんでしょうか?
矢「うーん、難しい。考えると身体がとまるので、共演者やその場の空気を感じて、考えずに動きます。そのベースになるのは、日常の稽古の蓄積です。自分の動きをビデオ撮影し、面白い動きがあった時に、それが身体に馴染むように繰り返します。」”※

―ジャグリングショップ ナランハ メールマガジン Vol. 57 (2006年6月1日発行)
https://www.naranja.co.jp/juggling/news-letters/back-number/0?news_letter_back_number_id=65&submit_element_value=null
より引用

即興と言っても、コンテポラリーダンス寄りの現在のインプロビゼーションではなく、ジャズの形式に倣ったミュージシャンとのセッション的な意味合いが強い演技でした。

そして、ゲストにもう一人、パントマイムのじぇーむす今川※さん。「水中シガーボックス」等の作品を披露してもらいました。こうしたジャグリングをネタにした作品を通して、何かと緊張感が続くジャグリング公演にメリハリをつける役割を担ってもらいました。

―3回の記事を通して、「堀の外のジャグリング」を振り返りました。同時期に開催された「リアルジャグリング」を振り返れば、また違った絵になるかと思うし、そちらの方がある意味「正統」であろうとは思いつつ。
こうして始まったジャグリングの舞台公演。
ここから少しずつ、育って行きます。

(編集部註:文字化けしてしまうため、文中※部分は波線であったところを「ー」に変換しました)

◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

-しんのすけさんの記事を受けて、ナランハのメルマガも、色々と資料が埋まっていそうだなと思いました。内容、濃いなぁ。

-文化度が高く居心地も良く、ご飯は美味しい水は美味しい自然はいっぱい、で熊本に惚れてしまいました。

また来週。

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

発行者:青木直哉 (PONTE)

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