=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.15
(2019年 第7号)2019/02/18
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆
・青木直哉…ジャグリングがつなげるもの Weekly 第14回「自分の目で本当に見てきたこと」
・Fuji…フジづくり 第15回「インフル、かかりました」
・安田尚央…「小野澤さんと対談しました」
・きんまめ…デビステのてんぷら 14本目 「略称問題(4)」(メルマガ第8回)
・寄稿募集のお知らせ
・編集後記
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◆ジャグリングがつなげるもの Weekly◆ 文・青木直哉
第14回「自分の目で本当に見てきたことの数」
先週中国のジャグリングフェスティバルのことについて書いたけど、そもそも、中国のジャグラーって、僕は知っていただろうか?
一人知っているのが、イアン・ジェンソン君である。
イアン・ジェンソンというのは英語名で、中国名は別にある。
イアン君は、中国のアモイで生まれ育ち、台湾の大学でサーカスをやっていたこともある大陸生まれの人。坊主頭のイアン君は、なんでもそつなくこなすジャグラーである。
僕に会うと、「ナオサン」と言ってニコニコ寄ってきてくれる。たまに「ナオチャン」と言ってニコニコ寄ってくるときもある。よく分からないが、なんにしてもだいたいニコニコ寄ってきてくれる。
イアン君は、みんなから「葡萄(プータオ)」と呼ばれている。なんでかは知らない。
彼はたまたま台湾に来ていたり、日本に来たり、ヨーロッパのフェスティバルなどにも積極的に参加していたから接点が多かった。それと、KUMA FILMSという、世界的に有名なYoutubeのビデオシリーズにもよく出演しているので、それも彼を知るきっかけだった。
しかしだいたい、中国のジャグラーについての情報というのは、インターネットの上ではかなり遮断されている。
そのせいで僕は中国のジャグラーのことを知らないのか?
いや、どうだろう。
インターネットの制約もなにもない国のジャグラーでさえ、やっぱり知らないことが山ほどある。それに、インターネットが他国と自由につながる国の中でも、インターネット上に乗らないことの方がはるかに多い。
自分で足を運んでも、やっぱり全部わかるわけではないけど、それでわかることは、やっぱりインターネットで「分かる」とおもっていたこととは全く質が違う。
それで、じゃあ、自分で足を運ぶと何がわかるのか、というと「ああ、この世界で、自分の目で本当に見てきたことというのは、本当にごくわずかな部分でしかなかったんだな」ということである。
ああ、やっぱり中国に行かなきゃ。
本場の回鍋肉を、食べなきゃ。
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◆フジづくり◆ 文・Fuji
第15回「インフル、かかりました」
つい先日、第一作目のCoroたちがPMボールと共にご注文主様のもとへ旅立ちました。初めて自前のジャグリング道具を手にしたと思うので、これから長く使っていただけると嬉しいです。
そして、連日の寝不足からの勤務続きで無理がたたって、とうとう自分もインフルエンザにかかってしまいました…。元気になったらCoro製作を再開します。
また現在、webショップで「Coro」が販売できるよう開設準備中です。Coroと同様にPM Jugglingの大吾さんもひとつひとつ丁寧にPMボールをつくっているので、しばらくは受注生産というかたちになるかもしれませんが、Coroのみの販売も行うので楽しみに待っていただければと思います。
診断後の翌日、病中に記事を書いているので、今回は短めです。
皆さんも今の時期、免疫力が低下するので寝不足には気をつけてください。
by Fuji
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◆「小野澤さんと対談しました」◆文・安田尚央(サーカスプロデューサー)
(※編集部註:この文章に出てくる小野澤峻さんは、芸大の卒業制作でジャグリングをモチーフにした作品を作った方です。PONTEで取材をしたこちらの記事もあわせてご覧ください。
「パフォーマンスを身体から切り離す。ジャグラー・小野澤峻さんの美しき試み。」
https://jugglingponte.com/blog/2019/02/06/shun-onozawa-movement-act-2019/ )
サーカスだんvol3で小野澤さんと話をしてきました。
なかでも、難しいジャグリングの技はジャグリング的ではないというのはとても印象に残っています。
ボールが体を通過するときに起きる、現象以上の感情が想起される化学現象がジャグリングであり、
ジャグリングの世界の中に閉じてしまうような難しさだけを追求した動きは、ジャグリング的ではない。
ジャグリングの主体はボールであり、体はメディアに過ぎない。
まるでミーム(情報そのものを主体としてその伝達を捉える)みたいな考え方ですね。納得感があります。
「一般人にも受け入れられるような演技を」という議論がありますがそれがジャグリング的であるかどうか、という視点で見るとキャッチ―さとは違う指標で一般に向けられているかどうかを判断できそうです。
さらに解釈を進めると、失敗することが出来る化学反応の余地がある揺らぎの部分が「通過できるメディア」で、
小野澤さんのmovement actでは、中央のレールの無い部分・キャッチする部分・キャッチしたボールを発射するまでの部分がそれぞれジャグリング的なように思います。
ここまで落とし込んで考えると、movement act以外にジャグリング的な何かを作っていけそうな感じがしますね。
小野澤さんが4年間悩みぬいて得たこの知見、活かしたいです。
【宣伝】
サーカスだんvol.3 ゲスト小野澤 峻 https://youtu.be/jG5fEcvZ3Hw
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◆デビステのてんぷら◆ 文・きんまめ
14本目 「略称問題(4)」(メルマガ第8回)
調べ始めたら意外と興味深い情報を掘り当てたせいで、前回は国木田独歩の話に終始してしまった。筆者も地図を読めない質なので、近道のつもりで入った横道で現在地を見失い、元の道に戻れなくなることには慣れている。わかってはいるのだ。おかしいぞ、と思った時点で元来た道を引き返せばいいだけのことである。しかし、近道のつもりのルート選択だったので、後ろに引き返すということが心理的に選べない。物理的には前進していても、時間的には後退、タイムロスを肥大化させているというパラドックスを認識できないのである。
そもそもの話、地図が読めない人はいくつかに分類でき…… と、ここで横道に逸れていってしまうと思う壺なのである(誰の?)。
本筋に戻そう。デビル&デビステ以外の略称探しだ。
続いては、大人気漫画のポプテピピック!
デビルスティック
ポプテピピック
ポプテピと略されることをデビルスティックに適用すると、デビルスになる。お、意外と悪くなさそう。ダブルスとかステルスに似ているし、なんだか非常に口馴染みがいい。濁音2文字の力強さがガツンときた後に、u段音のまったりとした音に優しく包まれ、柔らかな余韻が声帯に残響する。起伏に富みながらそれぞれの音が調和し合い、4文字というシンプルな節の中にも剛柔併せ持つ、とても秀逸な略称ではないだろうか。
また、ジャズ界の偉大なるトランペッターであるマイルス・デイヴィスに至っては、名字も名前もデビルス感がある。完璧。いや、完璧すぎて逆に、ルスデヴィ側から怒られるのではなかろうか。怒られると怖いのでボツですね。ボツテピピックである。
最後にもう1つ。少し間延びするが、大人気スポーツである野球のオールパシフィックも語感が近所の言葉である。つまり、これを「パ」と略している我々なのだから、デビルスティックを「デ」と略しても差し支えないのではないだろうか。差し支えますね。ボツ。ボ。ボボボーボ・ボーボツである。
ちなみに、当然センタースティックは「セ」と略し、当然ハンドスティックは「ハ」と略す。つまり、アイドリングは言わば、セハ交流戦なのである。まるで覇気がない。
前々回に続き、他分野の単語を逆輸入して新進気鋭の略称の考案を試みたが、なんだかパッとしない。やはり、デビステvsデビルの熾烈な争いに、ポッと出の振興勢力が付け入る隙はないということなのだろう。幸せの青い鳥は最初から籠の中にいたのだ。しかも、2羽。果たしてどちらが本物なのだろうか。
きんまめ:ジャグリングサークルジャグてっく元部長。くらいしか経歴がない。デビルスティックをやっていました。チルチル・ミチルという名前もボーボボとかポプテピ感があっていいですね。好きなジャグラーは特にいません。
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◆寄稿募集のお知らせ◆
週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。
◆編集後記◆ 文・青木直哉
日帰りのようなかたちで、大阪に行ってきました。
その日のことについて書いています。
http://mailbox.jugglingponte.com/2019/02/320.html
だんだん暖かくなってきて嬉しい限りです。
新居の日当たりも、最高にいいので、気持ちがよい。
また来週。
PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。
<END OF THIS ISSUE>
○電子メールマガジン「週刊 PONTE」2019/02/18
発行者:青木直哉 (書くジャグリングの雑誌:PONTE)
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