週刊PONTE vol.133 2021/05/31

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.133 2021/05/31
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉…ジャグリングの雑想 32.メディアの変容を思う

・ハードパンチャーしんのすけ…ジャグリングで出会うこと 第7回

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

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◆ジャグリングの雑想◆ 文・青木直哉
32.メディアの変容を思う

いま、人との連絡手段は、LINE(なり、messengerなり)が主流だ。
短い言葉で、会話をするように言いたいことを書く。これにすっかり順応している。
だが昔、と言っても、10年前ぐらいまで、携帯電話であっても、メールで長文のやりとりをしていた。大事な相手だと、結構考えて一通のメールを完成させていた。ときには数時間かけることもあった。
あの、一通のメールを推敲して、よし、これで、と思って送信するときの感じ、って良かったな。
当然今でも電子メールは仕事で頻繁に使っているが、日常的に親しい人に向けて使うツールではない。
言いたいことを、時間をかけてパッケージにして、本当にこれでいいかな、ともう一回見直し、手直しして、納得する形にして聞き手に届けていて、なんだか充実していた、とさえ思える。
もちろんそれ以前は、手紙、電話なんかとメールを比べて、メールなんて、と感じていたとも思うのである。

インスタグラムとか、Twitterとか、見ていて、これはまさしく、このLINEやmessengerと同じ、レスポンスは短く、早く、の世界だと感じる。
それが標準のテンポだから、なんとなく自分もそのスピードに合わせるようになっている。
まぁ、時代の基準が入れ替わるだけで、「反応スピード重視」と「時間をかけること」の間には、優劣はないと思う。
それでも、たまに、例えばLINEでメッセージを送るとき、せっかく文章を送って自分の言いたいことを伝えられるのだから、極力スピードを落として、本当に面白いこと、いま自分の興味があることをまとまった形で表現してみよう、と思うと、結構楽しいし、充実したやりとりができることに気がつく。
これを読んでいる方も、ちょっとLINEでの返信をいつもより長文で書いてみると、何か違う感触が感じられるんじゃないかと思う(それとももうあなたはすでに、すごく長文を書く人かもしれないけれども)。

ジャグリングの場合も、いろんな映像やなんかがインターネットで手軽に見られるもので、ついそれにキャッチアップしないと、と無意識に思っている節がある。
そして世界の人たちがこんなに上手いんだったら、もう技術の面では追いつく気もしないな、と思うこともある。

でも、なんか、もっとスローなやり方でジャグリングを味わうやり方もある気がしている。
インターネットはどこかで使うとしても、手紙よりは早くて、LINEよりは遅い、メールぐらいの、感じでジャグリングを共有する、味わうことって、考えられそうな気がする。
まだあんまり具体的には浮かばないけれども。

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☆勝手にPM Jugglingを紹介するコーナー☆
ジャグリング練習日記 #22 ジャグリングが身体を動かすものだったからこそ
https://note.com/daigoitatsu/n/n765cd76562a2
「朝、子どもが「お父さんの仕事はなに?」と聞いてきたので「ジャグリングだよ」と答えたら、「遊びじゃん!」と返された。」
(記事本文より)
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◆ジャグリングで出会うこと◆ 文・ハードパンチャーしんのすけ
第7回

劇団ひとりさんが、ジャグリングをはじめた、とのツイートをみました。


後のツイートでは「劇団ひとりピエロ化計画」と銘打っていて、
おーピエロのイメージか、知名度があるひとがジャグリングを楽しむ姿を公開してくれるのは、とても嬉しいことだなぁ、と思いました。

余談ですが、「ピエロ」という言葉に、ついピクッと反応してしまうのだけれど(クラウンの方がぼくには正確な表現に思えてしまうから)、この場合は、劇団ひとりさんのイメージにあるのは、まさしくピエロの絵なんでしょうね。
…と改めて書くのは、最近出版された大島幹雄先生の「日本の道化師」が、クラウンの歴史、そして、日本での受容というか、クラウンの在り方の変遷がわかる本で、抜群に面白かったからです。
さらに、大島先生の青春時代というか、なぜクラウン、サーカスなのかという動機も見えるのが良いのですよ。好きなことを追い求める時の体温も感じる一冊でした。
興味のある方は読んでみてくださいませ。

閑話休題。

「ジャグリングを普及するためにはどうしたら良いか」という問いがあった時に、しばしば聞かれるのは、ジャグリングのスターが生まれることだ、という意見でした。
ジャグリングで一般に広く認知されているレベルのスターは、まだ生まれていないように思いますが、マジックだとテレビへの露出頻度が高いマジシャンもいるし、それが王道なのでしょう。もちろん、それが唯一の道ではないだろうとも思いつつ。

実際に、ジャグリングができる有名人はそこそこいるでしょう。舞台や番組企画で取り組んだひとは少なくないはず。ただ、それはジャグリングを楽しむのとは、ちょっと違っているように思います。仕事が終われば、おしまい。
だから、劇団ひとりさんが自発的にジャグリングをはじめたことは、うれしく、末長く楽しんでもらえたらな、と。
何より、劇団ひとりさんがジャグリングをネタとしてどう料理するのかみてみたい。
その姿に、ジャグリングに興味をもつひとが現れて、新しいジャグリングの表現が生まれたり…などと夢想すると楽しい気持ちになるのです。
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☆編集長の蛇足
劇団ひとりさんって、なんか、多趣味だったんですね。Twitterを見て思いました。3Dプリンターとか、バイクもめちゃくちゃいじってらっしゃる。
ジャグリングも堅実に練習しそうな予感がする。なんとなく。
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◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

-7ボール練習しようかな、と思ったのですが、割れたりなんだりして、統一規格の7つのボールを持っていないことに気がつきました。作るか。

また来週。

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

発行者:青木直哉 (旅とジャグリングの雑誌:PONTE)

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