週刊PONTE vol.76 2020/04/27

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.76 2020/04/27
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆
・青木直哉…閉じこもりジャグリング日記 第1回「別に役にも立たないが」
・Fuji…フジづくり 第76回「5日間の戦い」
・ハードパンチャーしんのすけ…日本ジャグリング記 黎明編 第3回
・寄稿募集のお知らせ
・編集後記
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◆閉じこもりジャグリング日記◆ 文・青木直哉
第1回「別に役にも立たないが」
4月の頭から今まで、とにかくずっと家にいる。たまに出かけても近所のスーパーや公園程度。
こういう状況下で、僕が今までジャグリングで積み上げてきたことは、少なからず支えになってくれている、かもしれない。あるいは別に他のものでもよかったかもしれない。
最近、ヘッドストール(頭頂にボールを載せる技)とバッククロス(全てのボールを背中側から投げる技)を練習している。少しずつ、地道に、1日にほんの少しずつ、虫眼鏡で見ないとわからないくらいの進歩がもたらされる。
今はこういった練習をするのに適した時だと感じる。普段は全く続かない地味な練習も、閉じこもりのお供には悪くない。
現在、練習を始めて25日目。ヘッドストールは保持時間が10秒くらいになり、バッククロスは最高5回から17回になった。
別に役にも立たないし、とても楽しいことでもない。
でも正気を保つため、こうして何か新しい能力を鍛錬していると、少しマシでいられる。
向こう1年くらい、大勢に向かってジャグリングを見せることはないだろう。
ジャグリングは、人に見せなくても十分楽しめる。
そもそも表現ということは究極、全て自分のために行うものだったな、と思い出している。
このごろ、よくこの「表現の欲」が訪れる。
喉と腹の間ぐらいにかけて「具現化したいこと」が詰まっているような感覚。
それは誰かが作った歌を歌っても吐き出せなくて、誰かがプログラミングしたテレビゲームのアルゴリズムへの応答をしても満たされなくて、かっこよくおしゃれな雰囲気の服や家具のカタログを見ても消すことはできない。
俗っぽく言えば要するに創作意欲、ということになるが、これはまだ形をとっていないエネルギーの塊である。
小さい頃一生懸命に絵を描いていたころ、ぬいぐるみを使ってお話を作っていたころと同じ。
長いこと、本当に長いこと忘れていた、欲望である。
閉じこもりながら、僕はこれと対峙してみるつもり。
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※今回からしばらく内省的文章「閉じこもりジャグリング日記」を掲載します。
「ジャグリングがつなげるもの」は、現在すでに書いたものを整理中デス。
☆勝手にPM juggling の記事を紹介するコーナー☆
[Weekly PM]#10:ジャグリングの周り
https://pmjuggling.com/8776/
お子さんと過ごす時間が増えている話や、僕と数人の仲間で一緒にやっている英語の話など。
子供がいるっていいな。
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◆フジづくり◆ 文・Fuji
第76回「5日間の戦い」
最近はずっとパソコンに向かっていました。寝て起きても一日中パソコン漬け。もう経験したくない卒論を書いていたときと同じような状況でした。提出後にスクリーンタイム見たら平均18時間、一夜漬けならぬ徹夜漬けの毎日。完徹の日もありました。
というのも会社が休みの期間中に有志で企画案の募集を行なってきたのです。最初は面倒だし、時間を掛けて取り組んでもただのネタ提供にしかならないだろうと思っていたのですが、結局締め切りの5日前になってから取り組むことにしました。
以前から考えていたような内容があったので、構成イメージはついていたのですが、相手の知らない情報を伝えるために必要な情報をいろいろ調べなければいけなかったり、単純に言いたい事が多過ぎてその整理に膨大な時間がかかりました。3/2くらいは企画案なんですが、残りは全て意見文。今までにたまりに溜まった鬱憤を文章でぶつけました。職場環境を変えるための努力を日々してきたのに、結局自分の努力が評価されていなかったことを改めて知ったので、本社にもっと現場の状況を見てもらい、変わるための『きっかけ』になればと思い、本気で取り組んでみました。
正直、自分にメリットはないと思います。企画も有志なので出すか出さないかは自由。メモ書き程度でも採用されるらしいので、要は上の都合の良い企画であれば採用。それで本当に会社にとってプラスになるのだろうかと疑問に感じます。今までが杜撰(ずさん)だったように、意識が変わらない限り今後も続くでしょう。一生懸命取り組んでもその見返りは0か10。それでも、周りがやらないのであれば誰かが変革していくしかないんです。今までもずっとそうでしたが、例え自分が犠牲になったとしても、その間違いを正すことでその他の人が救われる環境になるのであれば徹底してやります。果たして相手がそれにいつになったら気付けるかですけど。
結局、締め切り2分前になってギリギリ提出。第一次締め切りなんで次回もありましたが、こういうことは早いに越したことはありません。分量資料付きでA4用紙36枚。3万字超えでした。大学のゼミの卒論最低文字数が2万字くらいだったので裕に超えてますね。正直社員でもここまで積極的に取り組んでるような人はいないんじゃないかと思います。自分はアルバイトですけど。ちなみに自分が提出した卒論は「大道芸をエスノグラフィーの方法論を用いて社会学する」内容で、130枚以上、10万字超えの論文でした。それと比べれば可愛いものか。
やっと長い戦いが終わったと思いきや、本社からの企画募集の他に、先日勤め先から作文の課題が出されたので、また戦場に行かなければいけません。作文って、小学生か!「今する事がないだろうから、より良くなるための将来の展望についてテーマ2つから選択して書け」という内容でした。んーもう散々そのことについては書いていたから勘弁してくれと思いましたが、原稿用紙3枚程度だったので、2とも書いてやろうかと思います。
と言ってる間に、もう課題ひとつ分は書いちゃいましたね…。
作業中BGMをずっとかけていたのですが、雨音が入った曲が集中しやすくて結構好きです。今回たまたまYouTubeの自動再生で繰り返し流れてた「どうぶつの森」バージョンが気に入りました!
「どうぶつの森」やったことないんですけど。(笑)
by Fuji
Juggle Pack
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PM Juggling 「otomodama」持ち運び用の巾着ケース 製作 by Fuji
https://pmjuggling.com/product/otomodamaset/
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◆日本ジャグリング記 黎明編◆ 文・ハードパンチャーしんのすけ
第3回
前回は、ジャグリングを始めたばかりの頃、ジャグリング道具に触れた時のことをお伝えしました。それを受けて、今回は当時のジャグリング道具入手事情を書き留めます。
日本ジャグリング界は、いくつかの変わり目を経て今に至ります。一つの節目は、ナランハ創業からの一連の流れ、具体的には1998年(3月ナランハ創業)1999年(8月日本ジャグリング協会設立)。とりわけ、ナランハ創業は大きな転換点でした。道具が簡単に手に入るようになった。もちろん、それ以前にもジャグリング道具を取り扱っている企業はあったのですが、質と量が大きく前進した点で、やはり大きな出来事であったと思います。その辺はまた。
今回の話はナランハ以前の個人体験記です。
入部当時(1996年)、マラバリスタでは道具は、アメリカのDubeに直接注文していました。
英語でファックスのやり取り(不鮮明な書類…)、クレジットカード決済。マラバリスタは、当時、大学2年生が執行部を担うのが通例で、十分な額のクレジットカードを用意するのも一苦労…係になった個人の親に頼んで決済していたような。
そして、注文から2か月の船旅?を経て、旅疲れしたような印象を受けるダンボールが届く。
心踊らせて開けると、そこには…誤って発送された道具もしばしばあったものの…2か月待った道具たち!嬉しさ爆発!
初めて買ったデビルスティック(トライゴンの赤だった気がする)は、届いたその日、ベッドを共にするくらい嬉しかったですよ、僕は(ウブっ子)。
それまで練習していたのはボールだったのですが、かつてテレビで見た印象が残っていて、マラバリスタに入って最初にやりたい!と思ったのはデビルスティックでした。結局、手に入ったのは7月頭前後だった気がするので、マラバリスタに入った4月頃から3カ月ほど経っていました。
うん、気の長い話だ、実に。
今思うと、情報が少なく道具の入手も個人ではなかなかハードルの高かった当時、創設5年目のマラバリスタには実に恵まれた環境が出来上がっていました。
そんなマラバリスタの当時の空気については、興が乗ったら、また。
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◆寄稿募集のお知らせ◆
週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。
◆編集後記◆ 文・青木直哉
-Fujiくんはもはやジャグリングを離れて、文章を書く苦悩について書いてます。
-しんのすけさん、毎週書いてくださっています。とても嬉しい。海外のジャグリングショップDubeにファックスで注文していた、というのは僕にとっても驚き。僕は、ジャグリングを始めた当時は中学3年生で、確か一回ぐらいFAXでナランハに注文をしたんじゃないかなぁ?支払いは、代引きで。クレジットカードというものがない家庭だった。誕生日にディアボロ・シャオリンとカーボンスティックを買ってもらった記憶があります。高校1年生になって初めてナランハジャグリングまつりに行きました。当時ホームページを見ていたSenjyuさんという方や、その他知っている人たちもいて、ワクワクしたのをまだ思い出せる。
また来週。
PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。
<END OF THIS ISSUE>
発行者:青木直哉 (旅とジャグリングの雑誌:PONTE)
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