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週刊PONTE vol.102 2020/10/26

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.102 2020/10/26
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉…ジャグリングの雑想 その1

・ハードパンチャーしんのすけ…日本ジャグリング記 黎明編 第28回

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

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◆ジャグリングの雑想◆ 文・青木直哉

「ジャグリングがつなげるもの」は旅の話を書くためにつけたタイトルでした。
しかし最近は旅をする機会もなく、話がもたないので、タイトルを変更して、もう少し広い範囲で「ジャグリング」を括って、その時々で考えていることを書いていきます。
※※※
1.

今月末に、下北沢の某所でジャグリングのパフォーマンスをすることになった。
これは真面目に取り組まなきゃな、と思っている。
主宰の方からは、「気軽な感じで大丈夫です」と言われている。でも今まで、気軽でいいや、と思ってうまくいった試しがほとんどない。

曲を適当にかけてアドリブでやったりもするのだが、だいたい「なぁなぁな感じ」になるだけで、力は抜けているかもしれないが、面白くないものが出来上がる。
反応が悪いのを見て焦り、結果、力が入ったりもする。

「気軽なショー」は、気軽には用意できないんだよな。
気軽なショーを自信満々でやるには、だいたいどんな状況にも対応できる、という、経験と研究を経ていないといけない、と思う。
逆説的だが、「気軽な感じでやるにはどうするか」を徹底的に真剣に研究していればこそ、いざというときに力が抜ける。
単純な話、普段からうんざりするくらい練習していたら勝手に余裕が生まれるだけであって、はじめから「余裕でやること」自体を目指しちゃあしょうがないよな、と反省している。

ジャグリングのプレゼンテーションが上手い人たちを見ていると、リラックスして、さも気楽な感じでやっている人って、多いよね。
でもあれは、完全に気を抜いて、「気軽に」やっているわけではないのだ、と思う。
形の決まったショーをせず、自然体で、インプロで、でも、見ていて息をつかせないという人もいるが、あれも、「無作為でも提示できる身体」を研究しているからこそ、繰り出せるのだろう、と思うのである。
「その瞬間にとったら面白い行動を、反射的に察知していく能力」を、実践、思考、生活を通して、粛々と鍛錬しているのだろう、と思う。
自分のネイチャーをよく理解している、ということもあるだろう。

「空間を支配するにはどうすればよいか」ということも考えている。
一人で立っていて、少し寂しい感じになる人もいれば、舞台すベてに影響を与え、支配している印象を与える人もいる。
別に、舞台上で移動すればいい、という話でもないんだよな。
演者の意識の中に全てが包まれていて、ものがない空間までも、その人の意識が行き届いている、支配されているな、と感じることがある。
そんな空間支配力って、きっと人にものを見せる上で、かなりファンダメンタルなことなんだろうな、と思うのである。
落語家とかでも生前の歌丸さんとか、凄かった。

絵にしても、会話にしても、踊りにしても、何にしても、与えられた空間と時間に対して、どういう風に心地よいリズムでエレメントを置いていくか、という点で見れば、つながっているよな、と思う。
ま、ゴタクはとにかく、考えて、練習すべきことを練習しろ、ということですね。
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☆勝手にPM Jugglingを紹介するコーナー☆
【Weekly PM】#36:模索
https://pmjuggling.com/blogs/journal/20201024

「ジャグリングのいろんな道具、いろんな技の「できた!」をまた感じてみたいなあ、と。」
(記事本文より)

ジャグリングを教えるのが楽しいと感じるようになっています。「技ができるようになる」ときの幸福感といったらないですよね。他人がそれを感じているのを見るのも、また楽しい。
でも、自分自身のことを考えると、もう14年ぐらいジャグリングをやってきて、そういう感覚を忘れているところもあります。新しい技なんて、習得しなくなっちゃいます。
だいごさんの言うこの喜び、忘れていたけど、人に与えるだけじゃなくて、自分でも何か新しい技を習得したいぞ。

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◆日本ジャグリング記 黎明編◆ 文・ハードパンチャーしんのすけ
第28回

1999年、ジャグリングの普及を目指す2つの団体。
一つは、この記事を読んでいるひとなら皆知っているであろう「日本ジャグリング協会」。
そして、もう一つは「ジャパン・ジャグラーズ・アソシエーション」。

ジャグパルを発行した安部さんを中心に作られたジャグリング年表に依ると、
”発起人はマサヒロ水野氏。1995年頃から設立の準備が行なわれ,1996年12月10日には設立記念公演が行な
われている。その後、一時停滞。99年4月に再度設立宣言を行ない、横浜で Dick Franco 氏のワークショップ
などを主催したが、団体としては存続しなかった。”

クリックしてJugglingHistory20070108_2.pdfにアクセス

マサヒロ水野さん。
ぼくが初めて野毛大道芸に行った時に(マラバリスタの新歓企画の一つとして観に行ったのです)、建物の3階くらいかな、ベランダから、地面に着かんとするほどの長い糸のけん玉で、とめけんを決めていたのを思い出します。
ぼくはタイミングよく側を通りがかりました。まちと一体となって芸が行われている自由さに、大道芸の魅力の一つを感じました。

マサヒロ水野さんについては、ジャグパルのインタビュー記事があります。

クリックしてjugpal17.pdfにアクセス


こちらも面白かったです。
https://www.hohjinkai.or.jp/interview/1406.html

マサヒロ水野さんは、マジックに出会い、人生の中で芸事にどうしようもなく惹かれ、芸人として生き、ジャグリングの普及を願い、協会設立に至ったようです。この情熱に共感します。
当時は今とは比べ物にならないほど認知の浅かったジャグリング。そこには行動を駆り立てる切実な状況があったのだろうと思います。

これまでの本連載を振り返るに、ジャグリングの盛り上がりには、マジック(演芸)、数学、大道芸…いくつかの流れがあったことがわかります。
ところで、改めてジャグリング年表を見直していて、気になるのは、
”1982年 IJA Santa Barbara Festivalに、「日本ジャグラーズ協会」を名乗る日本人のグループ約8名が参加した。
東京・原宿付近を拠点にしていたらしい。Rec.juggling に記録が残っている。”
との記述です。
1990年以前のジャグリングについては、もっと掘り上げたい気がしてきました。面白い。

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-編集長コメント-
この原稿を頂いたあとメールでやりとりをしていて、ショーン・ガンディーニが自身のFacebookで1987年の映像をアップロードしている!と盛り上がりました。
当時22,3歳のショーンです。断片しか映っていないのではっきりとは言えないですが、なんだか、大道芸らしい大道芸をしていたみたいです。今の作風からすると、意外ですね。でも、技術はものすごくソリッドです。やっぱり、彼だっていわゆる「普通の」ジャグリングを通ってきたんだよな、と思いました。


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◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

-ABERCUBEという、板をレゴのようにはめ込んで立方体を組み上げていくおもちゃ(と言っておこう)が家に届きました。かつてGHOSTKUBEと呼ばれていましたが、多分、特許か何かの問題で名称変更したのかな。デザインしたのは、スウェーデンのジャグラー、エリック・オーベリです。PONTEでもかつて取材しています。パッケージングからとても美しくて、なんだか、うらやましくなっちゃいました。それでなくとも、北欧ってどこに言っても、精密かつ簡潔ながら力強いデザインで溢れていて、とってもいいんだよな。しばらくはこれで遊びます。

また来週。

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

<END OF THIS ISSUE>

発行者:青木直哉 (旅とジャグリングの雑誌:PONTE)

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HP http://www.jugglingponte.com

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