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週刊PONTE vol.94 2020/08/31

=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.94 2020/08/31
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉…ジャグリングがつなげるもの Weekly 第79回「あ、いや、受付のお姉さんは普通に親切でした」

・Fuji…フジづくり 第94回「テトラ型のボールつくってみた」

・ハードパンチャーしんのすけ…日本ジャグリング記 黎明編 第21回

・斉藤交人…釣り日記 チ

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

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◆ジャグリングがつなげるもの Weekly◆ 文・青木直哉
第79回「あ、いや、受付のお姉さんは普通に親切でした」

この記事を書いているこの日、小型二輪免許の教習所に申し込みをしてきました。
125ccクラスの原付に乗ろうじゃないか、ということです。
もともと普通自動車免許を持っているので、50ccのスクーターにはかなりの頻度で乗っています。でもなんだか最近乗り物に乗るのがはちゃめちゃに楽しくて、よし、もう少しだけグレードアップして、125ccのカブとかに乗ろう、と思いだしたのです。まだ何もしてないのに、もう車体も決めちゃってたりする。
よくご存じない方に簡単に説明すれば、50cc以下は遅く走らないとだめ、それ以上は速く走ってOK、という法的区別があります。本当はもっといっぱい色々細かくありますが。
で、つまりもうちょっと速くて大きい乗り物に乗りたいなぁ、と思ったわけです。

しかし入校の手続きをしていて、「なんで俺は小型二輪の免許なんか申し込んでるんだろう」と突如疑念に苛まれました。
あれ、別に、絶対必要というわけでもないのになんで今なんだろう、と。
お金も有り余ってるわけじゃないし。(むしろ無いです)
でも手続きはどんどん進んでいきます。受付のお姉さんは、にこやかにちょっと高めのプランを勧めてきます。一番安いので、と言うと、なるほどね、みたいな顔つきを一瞬してからまたにこやかにお会計をしてくれています。
視力検査もしたし、機械で写真も撮らされました。もう今更「あの、やっぱりいいっす」と言って悲惨な空気にして立ち去ることもできません。
お姉さんはさぞ残念な顔をするでしょう。

でもぼーっと考える中で、ただひとつ確信を持てたのが、僕はもっと移動したい、と思っていることでした。
物理的に、身体の場所を移動したい、と。ああ、もう、俺はどこかに行っちゃいたいな、と思っている。
別に蒸発したいとかそういうことじゃないですよ。
ただ、欲望として、動こう、と思ったら、すぐその場に、欲のままに動く手段が用意されている、というのがとても気持ちいい。
最近カーシェアに登録して利用していますが、これも、いいですね。理想的です。それほどお金を払わなくても、思い立った時にいつでも車が使える。夜中の3時に「運転したい!」と思っても、ささっと運転できます。しかもなんか深夜は安いです。

別にコロナに関連して、とかじゃないと思うんですが、うーん、でも、ひょっとすると遠くに旅行に行けていないことが少し別の形で現れてきているのかもしれない。

というわけで、うまく行けば10月までには免許が取れているだろうと思う。
…あ、安いプランなので全然予約が取れないんです。
電車通勤を止める人が多くなったせいか、二輪の免許の申し込みがうなぎのぼりに増えてる、らしいです。受付のお姉さんによれば。…より高いプランを契約させるための嘘じゃなければ。

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☆勝手にPM!
【Weekly PM】#28:生地探しと、ボッチャのボール
https://pmjuggling.com/blogs/journal/20200829

「値段が高いから、とか、買わなくてもつくればいいのでは? っていうのは、道具づくりの自然なきっかけの一つなのだろうなと思う」
(記事本文より)

ビーンバッグ政策がいよいよ軌道に乗ってきたかも、という今回の記事。
いいなあ、こっちもワクワクするなあ。
>>>
「ジャグリングボール」と言われてつい高揚してしまう感じはある。でも別にジャグリングをするにはジャグリングボールじゃないといけないなんてことは全然ありません。そんなのは思い込みです。
でもやっぱり「ジャグリングショップが出しているジャグリングボールがよい」と、概ねすべての人がまず最初に思ってしまうという事実は、否定できません。(別に否定する必要もまったくありません)
しかし人はかくも「限定」とか「公式」とか「専用」とかそういうコトバにコロッと落ちちゃいますね。
でも、別に本来なら自然界にはそんな実態ない、という意味でそれらは、たとえば「法律」と一緒ですね。
「ジャグリング専用ボール」と言う時の「専用」というのは、法律と一緒です。
別に法律に違反する行為は「誰がなんと言おうとやってはいけない」のではなく、たまたま、その社会ではやられないようになってる、というだけであります。時代や場所が違えば、そんなものいくらでも変わってしまいます。殺人だって、正当性を持って行われちゃう。
でも現代で言うなら「殺人罪」とか、それを大多数が「これは力として実在する」と信じ込んでいて、実際にそれに基づいてどうも実刑も下っているらしいから、本当に抑制力を持つ。
あるいは逆に、「会社」とか「成人」とか「ちゃんと生活する」とか、そういうコトバによって、なんとなくみんなが「あるもの」と思って世の中にぼんやりと創出されているものが、社会の促進力になったりもします(あるいは抑止力や悪い力にもなりったりもします)。
貨幣とか、政府とかも、全部そうですね。そんなものないんだけど、なんか、実際に価値があるみたいになってる。

で、そうか、ジャグリングショップのボールもいいけど、別に「専用のボール」なんてものはないんだ、と、ワンクッションおいて気づいたところで、人は道具を作り出すんじゃないでしょうか。
…そんなことないか。

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◆フジづくり◆ 文・Fuji
第94回「テトラ型のボールつくってみた」

先日、久々に映画を観に行きました。イオンシネマのワンデイパスポートというキャンペーンで1日映画見放題、ドリンク飲み放題をやっていて、せっかくなので「糸」「2分の1の魔法」「思い、思われ、ふり、ふられ」「弱虫ペダル」「ぐらんぶる」の気になるタイトル5本を数珠繋ぎに観ました。(本当はジブリも観たかったんですが終わってました。)インターバルも20分ほどしかないので各回終わりにトイレに行って、ドリンクを頼んで、そのまま入場の繰り返し。驚いたのが、飲み放題のソフトドリンクはMサイズ固定なんですが、その大きさがLサイズを超えているんじゃないかというくらい大きかったことです。そもそもLサイズがありませんでした。2杯目以降は飲み切る自信がなかったので、ホットドリンクSサイズを繰り返し飲んでいました。

しかし、映画5本分ともなると上映時間だけで10時間、3本目あたりから頭痛や目の痛みと闘いながら観ていました。しかも一番観たかったのが、一番最後の回で、貸切状態。せっかく自分一人でのびのびと観れるのに体が最後まで保つか不安すら感じていましたが、いつの間にか頭痛は治っていました。滞在時間も10時から23時過ぎまでいたので、それなりの疲労感とそこから自転車で家に帰らなければいけないという、しんどさがありました。EJC(ヨーロッパ)の行き帰りではいつも映画をずっと観ていたので、これくらい余裕かと思っていたのですが、甘くはなかったです。長時間の大音量・大画面は2本までがいいということを学びました。まぁ、間にもっと目を休める時間があれば、多少マシだったのかもしれません。こんなにストイックに映画を観ることも今後はないでしょう。

ときに、ずっと前から手づくりでボールをつくりたいと思っていたのですが、なかなか手をつけられずにいました。そもそも6パネルのジャグリングボールのつくり方というものがほとんど見つからず、いつもいくつかのサイトを参考にして新しいものに挑戦している自分にとっては、その踏み出しの一歩が踏めずにいました。一番ネックなのが最後に手縫いで縫い閉じる方法です。
ただ、細かく考えず、なんでもいいからつくってみようと思い、お手玉のつくり方から調べました。最終的に投げやすさとか関係なく、あまり現存しない形のボールをつくってみたくなったので、まず第一号として以前から考えていたテトラ型のボールをつくることにしました。

素材はJuggle Packのケースでも使用している帆布、中身は数年前に買い置きして、やっと今回使うことができた、高品質ぺれっとです。製作は、ミシンと手縫いの少ない工程で、比較的簡単につくれました。中身のぺれっとを入れるまではミシンで縫える範囲ですが、最後の閉じる作業は手縫いで閉じなければいけません。今までは、綺麗に閉じるのはきっと難しい縫い方をしているのだろうと、食べず嫌いのように調べることさえ避けていたのですが、コの字とじというのを知り、久々に技術を身に付けた感覚を得ることができました。しかし、帆布の生地が厚いので針が通り難く、最後のコの字とじで縫うのが一番時間のかかる作業となりました。
1個だけですが、ベランダで椅子に座わり、日の光と微かな風を感じながら手縫いしている時間は、心地よかったです。

試しにその1個をつくったら、わりといい感じで面白い仕上がりになったので、勢いで色違いをさらに4個つくりました。生地の色味や肌触りも良く、投げずに置いとくだけでも可愛い「テトラ玉」になりました。正直、投げやすいだとか何かに特化したというものではありませんが、少し感覚の違うジャグリングを楽しめるものになった気がします。投げる難易度が高くなったとも感じられるし、玩具のように自由な扱い方もでき、インテリアとして飾っておくなど、汎用性は十分にあると感じました。
ただ、つくり終えた途端、一気に現実に引き戻され、自分は一体何をつくっているんだろうと、急に虚しくなりました。
けど、気に入ってます。

そういえば、今Amazonでウボンゴ3D(ボドゲ)の日本語版が海外版の半値で予約購入できるんですが、いろいろ余裕がない…。あと、とにかくデカい!
でも前だったら迷わず買っていたんだろうなぁ。

by Fuji

写真「テトラ玉」https://jugglingponte.com/wp-content/uploads/2020/08/TETRA.jpg

製作物
・PM Juggling 「otomodama」持ち運び用の巾着ケース 製作 by Fuji
otomodama 3個セット

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◆日本ジャグリング記 黎明編◆ 文・ハードパンチャーしんのすけ
第21回

時代の潮目は、当事者にとって目に見える形では立ち現れない。
当時を振り返った時に、
あー、あの時が変わり目だったのだな
と思うくらいのものです。
身の回りに限った視点ですが、日本のジャグリングの大きな流れの中で一つ大きく育たなかったジャグリングがあるように思います。育たなかった、と言い切ってしまうのは強過ぎて、後にまた別の芽が出ているかとは思うけれど。

90年代後半。
ジャグリングは「大道芸」でした。
当時、技術を志向する種も発芽しかけていましたが、根を張るのはもう少し後(10年後?)である印象があります。
「大道芸」の中で、新しい「ジャグリング」を求める。その中で形になりそうでならなかった一つの空気を、ここでスケッチしていけたら。
…と書いていて、正直、この空気を描くのはなかなか難しいなぁ、と思えてきた。そして、それは極めて個人的なものになるかもしれない。多分、その時のジャグリング界の空気を切り取ったものではないのですが、ご容赦を。

「面白いジャグリング」とは。
「面白い」って、その時代により変わるんだろうな。
ぼくの90年代後半では、「面白い」とは「笑い」の要素が強かった。
もちろん、純粋にジャグリングを追求する「面白さ」もありましたが、既存のジャグリングの延長での「すごさ」を追い求めることであった気がします。

「笑い」は、従来の大道芸のジャグリングはボケとツッコミがメインでした。
それへのカウンターなのかな、ナンセンス、シュールなものが好まれていました…少なくともぼくの周りでは、というか、ぼくの中では。
大道芸としては、「牛飼い小出と牛くん」のシュールなパフォーマンスが熱烈な支持を集めていました…どこかに映像残ってないかな。
世間的にも当時は渋谷カルチャーが熱く、その中でナンセンス喜劇が流行りで、時代の空気もあったのかもしれません。
ナンセンスとクラウンというのは親和性が高く、クラウンカレッジの影響がジャグリングの中に染み込んできたのかもな、とも思います。

そんな文脈の下で「平安貴族」「大道バカ一代」について…と思ったのですが、文字数尽きました。なかなかたどりつかず、すみません。

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◆釣り日記◆ 文・斉藤交人

この中にはたくさんの種が詰まっていてね、バラバラにして土にまくとね、大きな木になって、やがてビーンバッグの実がなるんだよ。

確かあれは透き通るような五月の青空に珍しい形の雲がポッカリと浮かんでいるのを見上げながら、ふと、横に座っていた彼が息をはくみたいに言った言葉。ずっとその言葉を信じていました。風が彼の髪形を台無しにしていたのを覚えています。
新しい生活に慣れてきて、ほっと見回したときの物足りなさに、なにか新しいことをやってみようかと飛び込んでみたのがジャグリングサークルでした。みんな優しくていろいろ教えてくれて最初はデビルスティックに興味があったのだけれど、なぜかシガーボックスの方が性に合うことがわかってやり始めて、とある昼休みのベンチで彼と話をしたときのことです。3年生の彼は、本当は4年目なのだけれど、ボールが好きでいつもボールを投げていて、教えてくれるのだけれどとても難しかった。それでも何度も教えてくれました。

ずっと使ったボール、そう、ビーンバッグが破れて中身がこぼれてきて、それを手で摘みながら言った言葉でした。彼はその種を愛おしそうにしばらく眺めたあとで、近くの花壇にぱらぱら、ぱらぱら、ざざーっと全部撒いてしまいました。そんなことをして、木がニョキニョキと生えてしまたっらどうするんだろう、とびっくりしていいのか笑っていいのか困っていた私のことを、彼は楽しそうに見つめていました。その笑顔をいまでも忘れません。

夏が過ぎる頃、花壇にはどうやら芽を出した種がちらほらあって、他のところよりもたくさん出ているそれはきっとビーンバッグの木に違いないと思い、乾いた土に持っていたペットボトルの水をとぽとぽとぽとかけてやりました。

秋が来て冬が来て春が来て夏が来て秋がきました。その芽は木にはなりませんでした。ビーンバッグの実もなりませんでした。もうどこにあるのかもわかりません。

冬が過ぎて春が来たとき、また彼が言いました。こんどは部屋の鉢に撒いてみようか。

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◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

-今週はなんか、原稿が充実してる感じがする。

-最近、無印のサッカー織のシャツがものすごく気に入ってます。シワが目立たないし。

また来週。

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

<END OF THIS ISSUE>

発行者:青木直哉 (旅とジャグリングの雑誌:PONTE)

Mail info@jugglingponte.com

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