第449回【ケンブリッジで感じたこと】19/22日目 イギリス・ジャグリングの旅2019

ロンドンから日帰りで、ケンブリッジに行ってきた。
ケンブリッジ、というとやはりケンブリッジ大学が有名である。まぁ、僕としてもそれぐらいしかイメージがなかった。もちろん、大学を見てみたいなぁ、とも思っていた。しかし、それ以上に僕には、とても大切な用があったのである。

もう数年まともに連絡をとっていない古い友人がいて、その人が人生の一時期、暮らしていたのがケンブリッジだった。その友人から去年手紙をもらって、いつかケンブリッジにも行ってみるといいよ、ということを言われていたのである。さて、いつ行けるだろうか、と考えていたのだが、蓋を開けてみれば、一年と少しで行けるチャンスが巡ってきた。乗り換えなしで、ロンドンから1時間弱。ケンブリッジ駅に着くと、大量のアジア人(おそらく中国の人)が出てきた。

電車を降りて外に出る。そのまま真っ直ぐ歩いて、旧市街まで行く。ケンブリッジは、どこか僕が暮らしていたイタリアのシエナを思わせる、「住むための町である」感じがした。ケンブリッジ大学を構成するカレッジがそこかしこにあって、そのあいまあいまに、大きな緑地が広がっている。街を行く人々は観光客らしき人が多いのだが、時折ここの学生や教授に違いない、という感じの難しい顔をした人もいる。爽やかな学生風もいる。

ふと、なんだか思い立って、件の友人に電話をかけてみようと思った。二回目に街を歩いている最中にかけると、電話が取られ、向こうから声が聞こえてきた。その電話を取ったのは、ほぼちょうど、その人が暮らしていたという家の目の前に来た時だった。

なんだか声を聞くのも本当に久しぶりで(実際にはそんなに時間が経っていないみたいなんだけど)嬉しくて一時間以上も話してしまった。今どこにいるのかを話しながら、ここには何があるはず、とか、今はどんな感じか、などと状況を伝えた。

旧市街に戻ってきたところで、「イーグル」というバーを紹介された。電車の時間も近かったので、電話を切って、そのバーに入ることにした。遺伝子のらせん構造を発見した、あのワトソンとクリックが通った、というバーである。ちょっとしたカクテルを一杯だけ飲んだ。

他にも、イーグルのすぐ近くに、ケンブリッジ大学の出版局が出す本屋があったので嬉々として入った。16世紀からずっと本をここで売り続けている、という触れ込みである。学問に関わる本が小さな店内にぎっしりと置いてあり、1時間ぐらいここにいたいな、と思った。

学際的な雰囲気がいい、と友人に聞いていたけれども、確かにその通りだった。

何かを真剣に研究する生活、ってしてみたいんだよなぁ。

いや、本気で思っているのだ。でも、僕には忍耐がないので、こうしてフラフラ旅行をして旅行記を書くことぐらいしか、できていない。

ケンブリッジには朝10時に着いたが、17時22分の電車で帰ることになっていたから、早めに散歩を終えて、駅に戻った。何をしたか、と聞かれると、特に何もしていないのだが、その友人がここで暮らしていたんだ、ということを思い浮かべながら町を歩くと、それだけで楽しい気分になれた。

「これは自分と関係がある」と絶えず思いながらものを見ることができる、のは楽しいのだ。

昨日のロンドンのジャグリング練習会で教えてもらったカフェで。

ロンドン・ヴィクトリア付近のホステルのバー