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ジャグリングがつなげるもの 欧州ジャグリング紀行2018 memory no.16

(no.15は今週土曜日にこちらにアップロードされます)

実のところ、CATCH!フェスティバルについては、それほど語るべきことがない。だから、帰り道に、何が起こったかを記しておこう。

とりあえず僕は、CATCH!フェスティバルが終わると、空港に向かった。少し離れたマンチェスターに戻る形だ。一応、車に乗せてもらえないか、周りの人に色々と聞いてみたんだけど、時間も合わなかったので、アップルビー村から出ている電車を使うことにした。(駅舎は、まるでハリー・ポッターに出てきそうな、趣のあるものだった)
ちょうど同じくらいの時間の飛行機に乗るんだ、と言っていた、オランダ人のヤン君と一緒に電車に乗った。
しばらく電車に揺られていると、急にアナウンスが入った。
「ただいまヨーク駅に落雷があった影響で、鉄道全線に停電が発生しています。この電車も、どこまで運行できるかわかりません。」
車内がざわつく。
目の前に座っていたおばあちゃんと話すと、「きっとこの電車はもうマンチェスターまではいかないわよ、途中どこかで乗り換えないと」と言う。
まぁしかしあがいてどうにかなるものでもないので、二人で黙って、本なんか読みながら、ヤン君はパズルなんかをときながら、電車に乗っていた。
すると予想通り、電車は止まってしまった。
あーあ、と思ったが、仕方がない。のろのろと動きつつ、なんとか次に乗り換えるべき、リーズまでは着いた。
しかしそこからが問題だった。何しろほぼ全ての電車が止まっているので、空港までの電車も当然ない。あっ、次が出るよ、と電光掲示板に表示されたかと思いきや、それはたちどころにキャンセルされる。ヤン君の飛行機は僕の飛行機よりも早いので、かなり焦っている。
いやしかし、一つの駅に落雷があっただけで、こんなことになるんですね。本当に、イギリス全土に影響があったようである。
ヤン君は、実に焦っていた。僕も、やや焦ってはいるのだけど、まぁ、なんとかなるだろう、くらいにしか思っていないから、いまいち具体的な行動にならない。ヤン君はどんどん行動する。駅員さんに聞く。違うホームを目指す。
そうこうするうち、いよいよ、本当に電車が出そうだ、というホームが発表された。
そこで僕らは走った。ついでに、一緒にホームで立ち往生していたカップルとも一緒に。そしてホームについて、電車の姿が見え、よし、乗ろう、とみんなの顔がほころんだところで、電車のドアが容赦なく閉まった。
「おい! 待ってよ! 嘘だろ!」
ヤン君、叫ぶ。僕らは、まさにその電車の、もうドアの前に立っている。
「いいから、一瞬、開けてくれよ!」
しかし車掌はきっぱりと首を振って、電車は出発した。
一瞬にしてヤン君の顔は歓喜から絶望に変わった。
呆然としてしまった。あと5秒早ければ、きっと乗れただろう。そして、2時間は余裕を見て空港に到着できただろう。
しばらく、4人で話したが、もうタクシーで行くしかなかった。
そんなわけで、下に降りて、タクシーを見つけ、みんなで運賃を割り勘で空港に行くことにした。
実のところ、僕の便は更に夜遅くだったから、別にみんなと同じように行く必要はなかった。むしろ、トラムにでも乗って、のんびり乗り継いで向かった方が面白いかな、くらいに思っていたのだけど、まぁ、だめですねえ、こういうところで、僕は自分を貫けなかった。
結局、一人1000円ぐらいだったか払って、僕らはマンチェスターの空港に到着したのだった。

なんだかなぁ、と思ったけれども、まぁ、空港には着けたので、文句も言えない。
カフェに入って、日記をつけながらゆっくり待っていたら、僕が乗るはずの飛行機のスケジュールに、こう表示された。

「Delay」

3時間近くの遅延だった。

なんだか、逆に面白くなっちゃったね。