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=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE 2018 vol.4
(通算第4号)2018/12/03
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PONTEは、ジャグリングを通して、人と人を「つなぐ」雑誌です。
おのおののジャグリングとの向き合い方、考えていることを読むことができます。
紙雑誌、Web、そしてメールマガジン、さまざまな媒体で読者を広げています。
週刊PONTEは毎週月曜日jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

– 青木直哉…ジャグリングがつなげるもの Weekly 第4回「欧州ジャグリング紀行2018 memory no.4」

– 藤本幸生…フジづくり by Fuji 第4回「革をもとめて -Tokyo 浅草橋- 編」

– 板津大吾…たまむすび 第3回「糸口」

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

バックナンバーはこちらから

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◆ジャグリングがつなげるもの Weekly◆ 文・青木直哉
第4回「欧州ジャグリング紀行2018 memory no.4」

ワールドカップの決勝の日に起きたこと

サッカー・ワールドカップなど関心に値するものではない。
…と、クールに構えたがる人が、フランスの「うまいジャグラー」には多いような気がする。実際はどうか。
僕が2018年の夏にフランスにいた時は、ちょうどワールドカップが佳境だった。しかもフランスチームは、多くの若い選手たちが頑張って、ぐいぐい勝ち進んでいた。
そして、最後の決勝戦は、フランス対クロアチア。
その試合は、ジャグリングのコンベンションの最中に開かれることとなった。
ショーテント内にあるスクリーンには、ゲームの模様がでかでかと映し出され、大勢のジャグラーが野次ったり、歓声をあげたりしながら、母国を熱心に応援していた。
ビールサーバーがスクリーンの前に置いてあり、皆ガブガブビールを飲む。
こんなに「ガブガブ」という形容詞が似合う飲み方もちょっと無いよな、という感じの飲み方をする。
点が入れば抱き合って喜び、点を入れられると、大声をあげて悔しがる。
「うまいジャグラー」であるディアボリストのエティエン君も、ゲームをやっている最中は「あんなものは別に見なくてもいいさ」とか言いながら壁に絵をペタペタ描いていたけど、フランスが勝つかもしれないという状況になると、ショーテントにひょっこりと現れて、何食わぬ顔でスマートフォンでビデオを撮り始めた。
迎えた後半、残り10秒。フランス4点、クロアチア2点。
テントの中で、カウントダウンが始まった。
サンク! キャトル! トロワ! ドゥ! アン! ホイッスル。
フランスは、2018年ワールドカップの優勝を勝ち取った。
その瞬間、テントが「わっ」と揺れた。全員が立ち上がり、快哉を叫んだ。ハグをする。キスしあう。踊り出す。笑う。空気が震え、おおおおお、と唸っていた。
スクリーンの中、ピッチでは選手たちが走り寄って抱き合い、勝利を噛みしめている。”We Are the Champions”が流れている。

気がつくと、外が騒々しくなっていた。テントの外へ出てみた。
町がフランスの優勝を祝福していた。会場の前の道路は、すでに車とバイクで埋め尽くされている。皆一様に、ゆっくりと進む車体から身を乗り出し、大きな国旗をなびかせていた。どの車からもクラクションの音がけたたましく響いている。高くそびえ立つ塔によじ登り、ガラガラと鐘を鳴らす小太りの若い男もいた。

きっと、こんな風景をまた見ることはないだろう。
僕は目の前で起こっていることを目に焼き付けて、また会場に戻った。
駐車場に、「うまいジャグラー」の友達、ボクダンがいた。
やあ、と手を振った。どう?フランスが勝って。
「別にサッカーに興味はないけどさ、こうして、皆の幸せが感じられる空間にいると、なんだかやっぱり嬉しくなっちゃうね」だそうだ。

祝福の象徴としてのクラクションは、いつまでも、いつまでも、いつまでも続いていた。

数時間経って、僕がステージでショーをする時になっても、まだ会場の外では音が鳴り響いていた。
その轟音は、テントの中までもしっかりと聞こえていた。
「全く、ウンザリだぜ」と、「うまいジャグラー」たちは、すでにワールドカップに飽き飽きしていた。

(第5回へ続く)
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◆フジづくり by Fuji◆ 文・藤本幸生
「革をもとめて -Tokyo 浅草橋- 編」

どうも、Fujiです。
前回、蔵前でお店を回っている間にもう12時を回っていました。
青木さんとの待ち合わせは浅草橋駅に12時半。時間に間に合わないかもしれないとせかせかと走って移動していたときに「少し遅れるから13時集合でいい?」と、ちょうど連絡がきました。こちらとしても好都合!これでゆっくり行けると思いきや…。

青木さんもこの後に仕事の予定が入っていたので、一緒にお店を見て回れるのは2時間ほど。浅草橋駅周辺はとくにたくさんの革屋さんがあるので、一店舗ずつ見ていくだけでも時間がかかります。できるだけお店の場所を把握した上でスムーズに移動し、時間をかけて見れる店舗などを決めておく必要がありました。なぜなら、今日中に目当ての革を見つけて買っておきたかったからです。

結果的に浅草橋までも走って移動し、30分くらい余裕ができたので何店舗か軽く下見をしました。ちなみに浅草橋周辺には『And Leather』というお店が多くあります。以前もこのお店でいろいろな革を見て、去年のEJCに行く前に購入し、ボールホルダー『OMUSUBI』を製作しました。(まだいくらか在庫はあります!)

『And Leather』は東京都内(浅草橋地区4店舗・日暮里地区3店舗)の実店舗にてハンドクラフト初心者から中級者向けに革材料・クラフトツールを販売。小さなハギレから大きなサイズ、激安ハギレから良質レザーまで、様々な革を取り扱っているお店です。革ひもや金具、レザークラフトツールも豊富にあります。レザークラフトを始めたい方は革から道具まで一式揃えられるのでオススメです。

あと個人的にオシャレな洋服のお店とか入りにくくて、GUみたいなところしか行かないんですが(そもそも年に1、2回しか服買わないんですけど)、And Leatherはそんな感じで他のレザーショップと比べると気軽に見て回れます。笑

と、もう字数制限が…来週はお店紹介!

by Fuji

(第5回へ続く)
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◆たまむすび◆ 文・板津大吾
第3回「糸口」

PM Jugglingというプロジェクトでものづくりをしている板津です。ここでは僕が体験してきたジャグリングの良さや、そこから学んだことなどをつづっています。

今回は、ジャグラーとつながることができるようになった、自分なりの糸口についてです。

僕はジャグリングを始めてから15年近く、限られた数人の友達しかいませんでした。もっとジャグラーの友達をつくりたいと思って、たまに練習会などに参加してみるものの、なかなか溶け込めず。練習しているだけで声をかけられるほど上手くもなく、専門と言えるような道具があるわけでもない。サークルに所属していないのでそういう話題もない。ジャグリングを好きな気持ちは強くあっても、外の世界につながっていく糸口がつかめずに、悶々としていました。

状況が変わってきたのは5年ほど前です。つくった道具をネットで売ってみて、それが知られてきた頃でした。それまでとは違い「道具を売っている人」として見られるようになり、ジャグリングの場における自分の在り方が変わりました。そして道具の話をきっかけに、自分から人のジャグリングと関わっていけるように。ちょっと特殊かもしれませんが、僕なりにようやく1つ、相手の役に立てるもの、会話の糸口を手にいれた気分でした。

人に渡せるものを1つ持つと、こちらから先行してコミュニケーションを生み出せて、上手くサイクルがまわりはじめました。相手に渡して、返ってきたものを自分でまた大きくして、それをまた他の人に渡して、という感じです。そうしていくうちに自分の世界が広がっていき、今ではすこしずつ、海外のジャグラーともつながりをもてたりしています。

本当は、なにももたない丸裸の状態でも人と仲良くなれるといいよなあ、とも思いつつ。最初のとっかかりとして、あるいはやさしさとして、人に渡せるものをもっておくと、楽しい世界が広がっていくかもしれません。

(第4回へ続く)

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PM Juggling

手作りのジャグリング道具のお店。
プロも愛用する、こだわりのボールやリング。

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◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち、掲載。
掲載の場合は、もし宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

最近、生活のことをずっと考えている。
生活する力、ということを考えている。
それは、持続的に愉快に暮らす術を持っているということだろう、と思っている。
持続だけでは楽しくない。楽しいだけでは持続しない。
「善く生活する」ということは、そのどちらも満たすことだろう。
所持する金銭の多寡も関係ない。多ければいいわけでもないし、少なければいいわけでもない。
ただそこに、自分なりの筋が通っているかどうかが問題だ。
今年の日本大会のゲストにもなった、ジャグラーの渡邉尚さんは、沖縄の島で、徒歩で動き、野宿で暮らす生活をしていた。
彼は不必要なお金を稼がない。それで貧相で、かつ愉快ではない暮らしをしていたらバランスが悪いわけだが、端から見ていて、彼は実に楽しそうだ。早寝早起きで、満たされた生活を送ったそうだ。
ああいうことが、つまり、生活する力があるということなんだよな、と羨ましく思う。
自分が責任の持てる範囲を適切に見定めて、その中で、全力を注いで生きる、ということだよな。
僕は、切実に、今、生活する力をつけたいと思っている。
そして、生活とはすなわち、週刊PONTEの原稿を毎週毎週書くことでもある。
これは僕の生活の一部でもある。
今週も最後まで読んでくださってありがとうございます。
また来週。

ご意見、ご感想、コメントは mag@jugglingponte.com へ。

 

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<参考>
紙のPONTE最新号発売中です。

ジャグリングの郵便箱(青木はここで毎日文章を書いています。)
https://note.mu/jugglernao

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○電子メールマガジン「週刊 PONTE」2018/12/03

発行者:青木直哉 (書くジャグリングの雑誌:PONTE)

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