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=== PONTE Weekly ==========
週刊PONTE vol.18 2019/03/11
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PONTEは、ジャグリングについて考えるための居場所です。
週刊PONTEでは、人とジャグリングとのかかわりを読むことができます。
毎週月曜日、jugglingponte.comが発行しています。
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◆Contents◆

・青木直哉…ジャグリングがつなげるもの Weekly 第17回「旅をするジャグラーなんだ」

・Fuji…フジづくり 第18回「タグづくり」

・きんまめ…デビステのてんぷら 17本目 「一瞬で風邪になる」(メルマガ第11回)

・寄稿募集のお知らせ

・編集後記

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◆ジャグリングがつなげるもの Weekly◆ 文・青木直哉
第17回「旅をするジャグラーなんだ」

美術館に行くために、横浜の桜木町に行った。
地下鉄を降り、改札を抜け、階段を上がる。はじめの一段に足をかけて、ふと、自分は「旅をするジャグラーなんだ」、という新鮮な認識に突如襲われた。
しかし同時に、「旅をするジャグラー」といえど、「旅」自体にはさして重要性はないな、とも思った。
旅をするのは、「見たこともないものが見たいから」である。それは疑いようがない。しかし大事なのはその理由である「見たこともないもの」だ。だから別に旅じゃなくてもいい。本当は。それに出会うやり方は、実を言えばいくらでもあるんだと思う。家にある食器を全部ひっくり返して玄関に並べてみたりとかしてもいいはずである(片付けるのも面倒なのでしないけど)。一度もやったことがないことをすればいい。しかしなぜ僕は旅を選ぶのか。そしてそもそもなぜ「見たことがないものを見たい」のか。
 
僕が旅に本質的に期待していることは、「そんなものがあるとすら想像していなかったもの」と出会うことである。
それはどういうことか。
たとえばEJCについてなど、僕は面白いイベントや、国、出会った人々のことをよく書いている。そして驚くべきことに(と僕は思うんだ)それらは実際に存在するのだ。僕が知らなかっただけで、それは僕が今こうしてパソコンで文字を打っている最中にも、(おそらく)存在しているのである。
そして自分が思いもよらなかったものを目の当たりにできる距離にいると、感じることがある。それは、「えっ、ずーっと同じ世界にこれがあったのに、オレは何も知らずにいたの?」という明るい絶望、だ。
明るい絶望とは何か? それは、「さらなる未知のものごとへの予感」である。「そうか、この世界には、自分とは全然違う人や、想像だにしなかった考えかたや、すばらしい風景が膨大にあるんだ」というどこか切ない、でも温かい感情だ。
旅をすると、そうやって「自分が世界に在ること」に対する認識の度合いが深まるような感じを、随所で受ける。その手応えを、まるで手のひらで受け止めるように、ぽふりと感じられる。

ではなぜ僕は「旅」を選ぶのか?
 
…なんでだろうね。僕はそういうことに出会う方法として、「知らない土地に行ってみる」ということを、ひとまず選んでいる、というくらいのことしか言えない。それが今のところ身をもって知っている、唯一の有効な方法なのだ。
そしてそのきっかけをいつもつくってくれるのが、ジャグリングなのである。
そういうふうにしてジャグリングと付き合っているんだ、付き合ってきたんだ、そうかそうか、と、僕は階段をのぼりながら、ぐぐい、ぐぐぐい、と少しずつ光が射すように、感じ取った。

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◆フジづくり◆ 文・Fuji

「タグづくり」

先週あたりは、ロゴを完成させ、ボールポーチ「Coro」につけるタグの発注場所探しに難航していました。いろいろと見比べてはみましたが、やはり業者への発注は小ロットだとコストがかかってしまい、現段階では難しいと判断…。その代わり、前々から気になっていた、プリントできる布を使ってタグを自作することにしました!

先日、青木さんのうちで一緒にタグのデザインや印刷データをつくり、普通用紙をつかって何度もテスト印刷。実際にCoroに当てながらタグをつける場所や向きなどを考えて配置を確認。布自体は二枚入りと数が少ないので失敗が許されません…。そして、いざ本刷り!うまく生地に色がのり、思っていた以上によい出来に仕上がりました!実際は、リネン生地と白生地の2種類を買っていて、当初はリネンの方でつくる予定でした。ただ、両方試してみたところ、リネンより白地の布を使った方が発色がよく、タグとして見やすいのと、Coroとの相性もよかったので、まずは白地でタグをつくることにしました。ちなみに、用紙一枚で約60枚つくることができるので、二枚で120枚!業者発注と比べると20分の1くらいにはコストが抑えられることになります。

ただ、その分手間もかかっています。一枚の用紙にタグが細かく印刷されているので、1ミリもズレがないようにカットしなければいけません。そして、完全に乾けばそのまま使っても問題なさそうなんですが、インクがしっかり癒着するようにアイロンをかけ、インクの滲みがないように一度水洗いをし、完全に乾いてからまたアイロンをかける。縫い付けた後はほつれにくくするために、ほつれ止めの液を塗ったりと…。タグひとつつくるにもたくさんの工程を要します。しかし、実際にタグつきのCoroをつくってみると、さらに完成度が増した気がします!タグがつくことで商品感が出ますし、タグ一つひとつまで自分の手が加わっていると思うと、さらにつくり甲斐や愛着がわきます。

やっぱり、タグが「ある」のと「ない」のとじゃ、全然違いますね。(笑)

by Fuji
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◆デビステのてんぷら◆ 文・きんまめ
17本目 「一瞬で風邪になる」(メルマガ第11回)

先週の結びに、フザけて「インフルかもしれません。今日は早く寝ようと思います」とか書いたのだが、あの記事を書き終えたくらいに急にお腹にクる風邪を発症し、ホントに早く寝るハメになった。ビロウな話で恐縮だが、腹下しが止まらず、1時間おきにトイレに行っているような状態だった。銭湯の神様にはソッポを向かれていたが、トイレの神様の寵愛はビシビシ感じた。

トイレの神様と言えば、思い出されものは2つ。

ひとつは、2010年に発売された植村花菜の大人気楽曲「トイレの神様」である。死別した祖母との思い出を描いた物語的な歌詞を、ゆったりした曲調と柔らかな声で歌い、ラジオを発端に瞬く間に大ヒットした。あまり音楽を聞かない筆者でさえ知っているので、皆様きっとご存知だろう。

「物語的な歌詞」と「ゆったりした曲調」が組み合わさるとどうなるか。そう、めっちゃ長くなるのである。9分52秒というJ-POPとしては驚異的な長さを誇り、筆者がカラオケで歌って強制終了を喰らうサライですら6分半程度なので、その長さたるやカラオケで歌い切ることは不可能だと言っていい。

ちなみに植村花菜はこの曲で紅白に出場したが、歌詞が物語なのでショートバージョンにはできないと主張した結果、歌詞はそのままで2分ほど短くした折衷案を歌い上げた。翌年以降は紅白には呼ばれておらず、いわゆる一発屋だったなという印象だが、一発屋というとトイレの神様よりもエンタの神様の方がしっくりくる。

もうひとつのトイレの神様といえば、大人気仏の烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)である。仏教における「不浄を滅する」一尊であり、日本では古来よりその御札を便所に貼る風習がある。つまり、元祖トイレの神様だ。

日本全国に烏枢沙摩明王像を祀る寺院は多々あるが、その中でも最もメジャーなのが高岡市にある国宝瑞龍寺の仏像である。植村花菜の祖母は、トイレにはそれはそれはキレイな女神様がいるんやでぇ、と言っていたそうだが、それとはかけ離れたビジュアルだったりする。右手には身の丈以上の棒を持ち、左膝を思い切り持ち上げ、その足の先には左手が添えられ、1人ツイスターのような奇っ怪な一本足の立ち姿、憤怒の形相でもって畑を荒らした猪を諌めているという、非常にユニークな出で立ちなのである。このポージングを入れたデビルスティックのルーチンいつか作ってみたいものである。

ネットか何かで初めて見たとき、筆者はその飛び抜けたカッコよさに胸を撃ち抜かれ、実際に富山まで実物を見に行ってしまった。なんと瑞龍寺のショップでは烏枢沙摩明王像のフィギュアが販売されており、おおおお!と興奮したものの、2万円という足元を見た額は学生にはキツく、それでもわりと悩んだ末、御札だけ買った。600円だった。

正確に言えば、烏枢沙摩明王は仏なのでトイレの神様ではなくトイレの仏様が正しい表現。そして、消えていった一発屋たちは、エンタの仏様と言う方がしっくりくるのである。

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きんまめ:ジャグリングサークルジャグてっく元部長。くらいしか経歴がない。デビルスティックをやっていました。1歩進んで2歩逸れる。好きなジャグラーは特にいません。

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◆寄稿募集のお知らせ◆

週刊PONTEに載せる原稿を募集します。
800字以内でお書きください。
編集長による査読を経たのち掲載。
掲載の場合は、宣伝したいことがあればしていただけます。
投稿・質問は mag@jugglingponte.com まで。
締め切りは、毎週金曜日の23:59です。

◆編集後記◆ 文・青木直哉

-Fujiくんの文章、ちょっと、「自分で作る」ということに関する感覚を変えてくれた。そしてきんまめさんのお話、全然ジャグリング関係ないですね。すごく好きです。

-新居に移って一ヶ月。特に言うことなし。近所の肉屋と、八百屋にたまに行く。別に値段は特段安くはないが、「人からものを買っている」という実感があって、それも含めて、よい。

また来週。

PONTEを読んで、なにかが言いたくなったら、mag@jugglingponte.com へ。

発行者:青木直哉 (書くジャグリングの雑誌:PONTE)

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