ジャグリングがつなげるもの 欧州ジャグリング紀行2018 memory no.18

ロンドンでバレエを踊った話(中編)

 翌日、ドミニクとリサは、練習に行く、と言った。彼らは、ガンディーニ・ジャグリングというグループの作品に参加していて、近くのスタジオでリハーサルがあるというのである。

 ドミニクは、「一緒に来たければ、来ていいよ」という。

 ガンディーニといえば、ジャグリングの世界ではよく知られた存在で、(今の日本ではそうでもないけど)練習風景なんか見られる機会もないだろうし、以前にインタビューをしたこともある創設者のショーンさんにも久しぶりに挨拶がしたいし、お邪魔することにした。

 アパートを出る。それまでずっと雨が降っていたらしいが、うって変わって、外は気持ちの良い快晴だった。

 有名なテムズ川にかかるウォータールーブリッジを渡り、向こう岸へ向かう。橋の上では、なんだか自転車がたくさん走っていてた。どうも、市内をサイクリングするイベントをやっているらしいのだ。親子連れやら高齢の方やら、若い人たちが思い思いに、にこやかに、そして平和に走っている。遠くには観覧車なんかも見える。あれが、ロンドン・アイだろう、そうだろう。

 ドミニクとリサは途中でサンドイッチとコーヒーを買ってゆく。その姿がなんだか都会らしくていい。やっぱり、ヨーロッパでも、フランスの田舎とイギリスのロンドンなんかじゃあ、えらく違うよな。ロンドンにはかっこいい美術館もいっぱいあって、建物もきりっとしている。少し滞在する分には、少なくとも、とてもいい印象を与えてくれる。第一僕はやっぱり、なんだかんだで、ハリー・ポッターというあの僕らの世代の共通のファンタジーを通して育ってしまった人間だから、あのへんをみんなホウキで飛んでたんだよなぁ、とか、どこかの壁が別世界につながっていたりして、とか、憧れてしまうよ。もっと長くいたら、どんな気分か。うーん、そこまでは、わかりかねるけれども。