京都 ピントクル、シンクロニシティ、ギア

先週末京都に行ってきました。ジャグリングユニット・ピントクルの公演「LIMITED」が主な目的。gateという、劇団をメインとしたオムニバス公演のシリーズ。その中にジャグリングの公演が入ってくるというところが今回の(青木の)見所。

会場は京都駅から二駅の四条駅から歩いていける、KAIKAという小劇場。小さすぎず大きすぎず。舞台袖はなく、出演者は、客席の後ろか、舞台の鉄の重そうな引き戸を開けて入ってくる。
今回のラインアップは、「LIMITED」「森に行く」「アゼルバイジャンは雨だから」という3作品。

LIMITED。
床には開演前からいくつものオリジナル道具が置いてある。木の枠だったり、木の箱だったり、本をかたどったものだったり。ジャグリングボールも出てくる。ピントクルの得意技、開演前に、使い道の分からない道具がたくさん散らばっているという演出はいつもおもしろい。「扱うもの」と「舞台装置」として、道具がハイブリッドに機能している。「未知の道具」は、期待感を持たせる。それだけに、使い方も面白い時は熱狂の渦だが、いまいちおもしろくない使い方をされると、ちょっとがっかりする。
出演は山下耕平、宮本浩市、中西一史というピントクルの3人で、静かなシーンが多かった。黒板に文字をひたすらに書き続ける、黒板に交互に文章を書いていくような、コミュニケーションツールのLINEを彷彿とさせるようなゆったりとした演出や、静かに、木の枠の様々な組み合わせ方を見せるなど。あまりに長いので寝ている人もちらほら。それをどうとらえるか。私は、こういうふうに退屈になるやり方はいかんのじゃないかなと思いました。
純粋なジャグリングのパートもあり。同じ振り付けを、立ち位置を変えて、合間合間に合計6回、同じ音楽で行われる、というもの。音楽が自作だったようなのだけど、これからもこのスタンスで行くのだろうか。衣装が学生服で、まぁそれも効果的だったかというと別にそんなことはなかったと思うのだけど、そこからのインスピレーションか、チャイムを基に作った音楽が使われる。ううむ。ちょっと、ダサかった。
演劇と並列して観たため、ジャグリングには根本的に、セリフがないのが普通だということを改めて感じる。LIMITEDの公演では、本をかたどったものを宮本、山下の2人が複雑に受け渡しながら、読み上げて、その内容がだんだん重層化し、なんだか変な内容になっていく、というシーンもあり、そこは、ジャグリングとセリフが混ざることもできるんだな、というこれからの「種」を感じた。そういう部分は、ぜひ「サークル的な、技術志向」に凝り固まって、行き詰まっている人に見せたい。視界がぱっと開けて、おもしろいものを作り出す人が出てくる…かも。
また、「京都俳優ラップの会」、という半分冗談で組んでいる俳優ラッパーのパフォーマンスもあって、まぁ別にそれ自体は普通だったのだけど、図らずも、「即興のおもしろさ」に触れられました。「相手から何が出てくるのか」わからない緊張感、ジャグリングにはあまりない文化で、そのあたりをジャグリングジャムセッションが担いはじめている。即興の緊張感を、うまいことゲーム性として遊び方に組み込んでいく姿勢が、ジャグリングにはあんまりなかったし、それがジャムセッションのいいところなのだなぁ。

諸々の巡り合わせで、乗越たかおさんの『どうせダンスなんか観ないんだろ!?』を今読んでいて、ジャグリングがいかに「整理されていない」、「多様化が進んでいない」文化であるかということを思い知る。まだまだ若いんですね。いやー、本当に、知らないことしかないなー。多様化というところではピントクルがもっともっと挑戦し続けて、その先駆けになってほしい。ただ多様化すりゃあいいってもんでもないのだけど。
今回のピントクルの公演には正直ぴんとこなかったけれど、ピントクルはそんな青木の勝手な感想に負けず精一杯やっていってくれる団体だと信じているので、これからも期待してます。
公演を観た後は、大道芸人二人組、シンクロニシティに会いに行く。初めて会話をしました。末吉さんはPONTEのことをいつも気にかけてくださって、うれしいです。また近いうちに京都に行って、シンクロニシティがやっている24時間オープンの練習場所にお邪魔してみたいと思っています。もちろんその節にはお酒も。
そういえば京都にはギアがあるじゃないか、と思って、ギアも見に行く。ちょうどシンクロニシティがいたところの近くだったので、当日券、B席で。席、一階席の端っこでしたが、そんなに悪くなかった。
舞台セットが、質が高くてよかった。プロジェクションマッピングも、実によくできていて高揚する。ストーリーや、ちょっとした間の長さは気になりましたが、あれはなかなか面白いですね。日曜日で、ほぼ満席でした。

そしてピントクルメンバーの家に泊めてもらい、お酒を片手に感想を言ったり、夢の話をしたり(寝る時に見る方)、人間観やら(ははは)、映画の話をしたりしました。
青木は最近全然主体的にジャグリングをしていないから、こんなのにごちゃごちゃ言われてたまるか、とか思われたかもしれない。自分自身がそういう「申し訳なさ」みたいなものを感じないよう、こっちもせいぜい足をいろんなところに運び、本を読み、映画を見て、ジャグリングして、公演を見て、考えて、雑誌作って、勉強しようと思うのだけど、まぁ、息を長くしないといけないですな。


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