第45回「マーヴィンのこと」

文=青木直哉

マレーシア出身、アメリカ在住のマニピュレーター、マーヴィンが、「ジャグラーの孤独(アイソレーション)」と称して熱心なジャグラーの悲哀(と呼んでいいかはわかりませんが)を投稿している。
http://objectepisodes.com/t/jugglers-isolation/262

マーヴィンは好きなことを見つけるともう一直線に熱中してしまう「熱中症」持ちの人のようで、特にこの4年間、ジャグリングにすっかり入れ込んでいる。一日3〜7時間は「最低」室内で練習している、という。
マーヴィンは本当に上手い。

マーヴィン、「練習」の哲学について語る動画。

そもそも圧倒的に上手い人というのはやっぱり圧倒的に練習している人であって、(当たり前なんですが)昨年JJFに来ていたトニー・ペッツォのインタビューでも、彼は1日最低3、4時間は練習するかな、と言っていました。

投稿では、同じ仲間のスピナー、ジャグラーと一緒に練習をしていると、それはそれで楽しいのだけど、やっぱり一人で、生産的な練習をしたいな、という欲も芽生えてきてしまうのである、こういうことってありますよね、と書く。

特にこの投稿の中では、「刺激と上達へのハンガァ(空腹)」というタームが気にいった。なるほど、自分の練習への欲を「空腹」というように喩えると、しっくりくる気がする。それを満たすのは、至極自然なことのように思えてくる。

マーヴィンといえば、話題と関係がないが、クラブやポイのマニピュレーションはとんでもなく上手いのに、皿を回させたら2時間経っても全然回せずに、ぼとぼと落としていて、(落とすんだ、と思った)みんなで面白がって応援した、というエピソードを思い出します。

コンスタントに、もう職業として専門的に、規則的に、一人で籠って黙々と追究し続けるというあたり、村上春樹も思い出す。


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