【PONTEインタビュー】『TROPE3.0』モノクロームサーカス・渡邉尚インタビュー(JP)

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(写真)『TROPE3.0』に出演される渡邉尚さん

脚がない机を想像してみる。
それはただの板だ。
一方で、限りなく「脚の短い」机なのだ、と言い張ることもできる。
ほかに何か支えになるものがあれば立派な机になる。
そんな「ちょっとおかしな家具」が実際にあるとしたら。

並の人よりも優れた身体性を持ったダンサーたちが
実際にそのような家具を使って様々な可能性を試す
「家具と身体の問答(公式ページより)」が
今年3月に新宿で見られる。

Monochrome circus(モノクロームサーカス)は
京都を拠点に1990年から活動しているコンテンポラリーダンスカンパニー。
2016年3月に行われる作品『TROPE3.0』に
先年末のジャグリング公演『MONOLITH』で『逆さの樹』を披露した渡邉尚も出演する。

「TROPEはgrafという大阪のデザイン事務所のブランドライン名。
脚のない机、登れないはしご、よくわからないかばん、使い方が明確じゃない家具が揃っている。
『TROPE3.0』では、動物的な意味も含めてその家具への接し方を探ります。
アプローチとしては『逆さの樹』と重なる部分も多々ありますね」

と渡邉さんは語った。
grafのホームページ、TROPEの説明では、

あらかじめ決められた用途や役割を与えられていないこれらの道具たち。
(中略)TROPEは、使いこなしながら新しい感覚を育んでゆくラインナップです。

出典:http://graf-d3.com/products/trope
とある。

「自分で使い方を考える」というのが、TROPEのひとつのテーマなのである。

渡邉さんは、

「アクロバティックなもの、テクニカルな妙技を期待する向きには合わないかもしれない。
けど、一度でも『ものとの接し方』について考えたことのあるジャグラーならば
きっと面白いはずです」

と自信を持って語った。
また、

「『TROPE』は、アフォーダンス(註:環境が動物全般に対して与える「用途」「使い方」)についての作品でもあります」

と言う。

家具のみならず、人間が使うもの、ひいてはジャグリング道具も
決して例外ではなく扱える「アフォーダンス」の概念は
ジャグラーにもおおいに関係のあるテーマだ。
ジャグリングボールはただの球。アフォーダンスが明示されていない。
クラブは『ここが持つところです』という風に、アフォーダンスが明示されている。
ディアボロならば、それは回すことに適したようにアフォーダンスが示されている。

『TROPE』は過去二回の公演でも、デザインの方面からの評価がとても高かったという。

「今まではダンス、デザイン、建築、アートなどの分野から見られていましたが
新たにたくさんのジャグラーが興味を持ってくれたら、とても嬉しいですね」

渡邉さんは笑顔でこの公演を薦めてくれました。

チケット予約は記事公開現在受付中。
普段は京都で活動する彼らが東京に来るこの機会に
ぜひとも「身体と家具の物語を紡ぎだす実験的な時間(公式ページより)」
を体験したい。

【公演情報】

2016 年 3 月 16 日(水)~21 日(月・祝)
全8回公演
@ P3 art and environment(新宿)
(渡邉尚さんが出る回は限られていますので、予約前に公式ページでご確認ください。)
公式詳細はこちら 
公演『TROPE3.0』ページ
http://monochromecircus.com/current-production/

Monochrome circus(モノクロームサーカス)
京都を拠点に活躍するコンテンポラリーダンス・カンパニー。
1990年に設立。主宰坂本公成。
「身体をめぐる/との対話」をテーマに国内外で活躍。これまでに作品は海外18カ国で紹介されている。
モノクロームサーカス公式ページ
http://monochromecircus.com

 

文・構成=青木直哉


渡邉尚さんの『逆さの樹』について、また彼のジャグリング哲学が貴重な長文で収められたPONTE秋号。

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