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サーカスアートを紹介する雑誌を繋ぐネットワーク、INCAMに入りました。

編集長です。

2017年12月、PONTEが、ウェブ/紙の発信媒体として、INCAMと呼ばれるサーカスアートを紹介する雑誌を繋ぐネットワークに入りました。

 

全世界、とはいかないまでも、ヨーロッパを中心として数多くのサーカスメディアが掲載されています。

 

 

またこの団体は定期的にINCAM meeting というミーティングを開いており、今年2018年には、ブリュッセルで開かれるFresh Circusというイベントに合わせて行われます。

そこには、PONTE代表・青木直哉も参加します。

同時にブリュッセルで開催されるFresh Circusや、Festival UP! といったイベントもありますので、そちらのレポートなどもお届けします。

台湾のサーカスフェスティバル Future Circus Lab レポート

text by Naoya Aoki

2017年12月8〜10日に、台湾の高雄で行われたサーカスフェスティバル、「未來馬戲實驗場(うぇいらい まーしー すーいぇんちゃん) Future Circus Lab」に行ってきました。

会場の雰囲気は横浜のみなとみらいにある赤レンガ倉庫を彷彿とさせます。
使われなくなった倉庫などをリノベーションし、おしゃれな場所になっています。
気候は、12月の台湾、それも南部にしては異常なほど寒かったです。
なので、薄着でショーを観たり、演者として脇で待っている時など、凍えてしまいました。

地域の一般の方々も自由に出入りできる無料のイベントで、比較的多くの人が来場しており、フェスティバルとしては規模はかなり大きいほうでした。それでも、昨年行われた衛武営芸術祭よりも、断然規模が小さかったです。
ただ雰囲気はのどかで、それでいてお客さんの反応も温かく(オープンステージでの演技で実体験)アーティストの立場からも、参加者の立場からも、非常に満足のいくフェスティバルでした。

ガラショーやワークショップのために集められたアーティストは世界中から来た一流のジャグラー、パフォーマーたち。(「Future Circus Lab」と銘打っていますが、ジャグリングの比重が大きい。これは、主催者の意向でもある)豊富で豪華なラインナップながら、スケジュールには余裕を持って見られるように組まれていました。
日本からは、渡邉尚、ホワイトアスパラガスが参加。その他の参加者はここを参照。一人残らず、個性が出た面白いパフォーマンスでした。

大きな舞台で行われるガラショー(フェスティバルの中でも目玉になるショーをこう呼びます)では、台湾のアーティストが集まった「台湾之夜」、世界中のアーティストを集めた「世界之夜」、台湾のアーティストによる実験的な演目、カナダのカンパニーによるショーなどがありました。 他にも広場で行われる大道芸、規模感の小さいオープンステージ、ジャグリングバトルなど、いくつかのタイプのサーカスの形に触れられるようになっていました。
主催のシンホーさんが、ヨーロッパやアジア各国を回って実体験してきたことが、きちんと還元されています。









▲Kouki Fujimoto

オープンステージでは、台湾、日本、アメリカなどからパフォーマーが出ていました。
事前公募で集まったパフォーマーで、レベルは総じて高かったです。
日本からは、Shogunさん(デビルスティック)、カーキさん(リング)、たつるさん(シガーボックス)、神庭さん(ボール)、チコさん(十字のオリジナル道具)、そして編集長青木と藤本くんによる横濱ハッピーターン(シャツ / 手桶)が参加。

そしてTing-Koo-Ki Juggling Battle (ジャグリング / サーカスバトル)では、アーティストが音楽に合わせて各自のジャグリングやアクロバット、シルホイールなどのサーカスアーツを披露。
台湾のアーティストはバトルがうまく、駆け引きが非常に面白い見世物になっていました。
レベルの高い正統派ダグル(ダンス&ジャグリング)をする人もいれば、ダンスとハットを組み合わせる人もいる。
日本人のShogunさんも、技巧的なデビルスティックでおおいに会場を盛り上げていました。



▲Mari Nishimoto

主催のシンホーさんとヨウヨウさんは、「来年以降このような形で開催できるかどうかはまだわからない」と語っていました。
何より、資金的な面が問題のようです。
「今こうやってお客さんが来るのは、無料だからです。これが、お金を払ってください、ということになったら、一体どれだけの人が来るのか。自分の好きなことに対してきちんと対価を払う、という意識が根付かない限り、今後も恒常的にこのようなイベントを開催するのは私たちとしても難しいです」
とのこと。


 

インタビュー

今回は、電力会社にスポンサーをお願いして開催にこぎつけました。
来年以降も協力の意向を示してはいるようだが、やはり資金面で、簡単に再び実現できるわけではないようです。

ひとまず、台湾ではこんなにもサーカス / ジャグリングに対して熱心に活動している人、そしてヨーロッパの人たちや日本人にも負けないような、実力のあるアーティストたちがいる、ということを紹介しておきます。

また編集長の、出演者としての感想、より主観的な感想を、後日公開予定です。今月中には書き上げられると思います。

2018/01/06 追記:
その他の参加者による記事一覧
台湾のサーカスフェスティバル「Future Circus Lab」 by SHOGUN(ジャグリングパフォーマー)
Future Circus Lab レポート
Future Circus Labは言葉にできないby 安田尚央(サーカスプロデューサー)


text by Naoya Aoki

「大橋プロジェクト」本日公開

English summery

Ohashi Project (http://ohashiproject.online/about/) is founded to share about Kouta’s juggling work with HogonoProffiCe. You can find out more about the project and purchase a video compilation of Kouta’s juggling here.
http://ohashiproject.online/ohashi_archive/

HogonoPrffiCe と PONTE が共同で企画してきた「大橋プロジェクト」が本日公開されました。
PONTEは、現地取材と、公式サイトの構築、翻訳(アーティスト Misakiとの共同作業)、広報などを通して協力してきました。

このプロジェクトはもともと、日本トップクラスのジャグラーである大橋昂汰さんを仙台に招き、集団制作の監督をしてもらう、というホゴノプロフィスの企画からスタートしました。
だんだんと話が膨らみ、このプロジェクトから生まれたものをオンラインで共有することとなりました。

まず、公演そのものの映像と、その制作過程を追ったドキュメンタリーを無料公開。
そして大橋さんのジャグリングを広く支援する、という意図から、過去に公開されてきた動画と新しい動画を併せて、ひとつのパッケージで販売することが決定しました。

無料のYoutube映像はこちら

定価1000円で販売中の、「大橋アーカイブ」はこちら
You can purchase now, a video compilation of Kouta’s juggling here.
http://ohashiproject.online/ohashi_archive/

企画を宣言してから長い時間がかかってしまいましたが、ついに公開、販売にこぎつけました。

出来上がってから振り返ると、ジャグリングの世界では一般的ではない、外部の監督を招いての集団制作の作品とその軌跡の記録公開、また一個人のジャグリングの歴史をたどるアーカイブ、という稀有な企画となりました。これが世界中の多くの方の目に触れられ、次の行動につながっていけばなによりです。
またこの販売による収益の7割が大橋昂汰さんに届けられるため、現場にいるジャグラーの直接的な支援ともなっています。

大橋さんのジャグリングファンの方、そしてジャグリングを愛する全ての方、また日本のジャグリングシーンで、表舞台にまだまだ出ていない部分に興味がある方、是非とも、一度プロジェクトの全貌と映像をご覧になってみてください。

ご意見、ご感想は、Twitterハッシュタグ #大橋プロジェクト や、ウェブサイトのコンタクトフォームより、よろしくお願いいたします。

 

PONTE編集長 青木 直哉

台湾のサーカスフェスティバル

明日より、台湾の高雄でサーカスフェスティバルが開かれる。

日時:128日~10

場所:高雄 駁二藝術特區 大義區公園

内容は、ショーやワークショップ(教室)、演者の公募をしたオープンステージ、日本のジャグリング・ジャム・セッションにも似た、ジャグリングバトルなど。海外からもゲストアーティストを多数招聘しており、国籍もブラジル、スペイン、フランス、日本など多様で、スタイルも全く違う人たちが集まっている。

さらに注目すべきは、フェスティバルが行われるのは野外で、一般に開かれており、誰でも無料で見ることが出来るということ。しかもオープンステージ出演者には、宿泊、食事、現地での交通費の援助がある。

主催は、昨年も高雄で別名のサーカスイベントを開いた、Hsing ho co. Ltd.

台湾におけるサーカスシーンを本気で考える陳星合(チェン・シンホー)氏が率いる団体。サーカスを浸透させたい、アーティストを育てたい、という意気込みが伝わってくる。編集長青木も参加。

(画像は公式サイトより)

公式情報は、こちらをチェック。

ジャグラー・高橋優弘インタビューと、シンガポールのサーカス事情。

English summery

On 22nd October, an event called Circus360° was held in Singapore at Our Tampines Hub. This is an interview with  Masahiro Takahashi, winner of  Japan Juggling Festival 2016 Championships who performed on stage in the festival.

PONTE編集長、青木です。今回のWebPONTEは、シンガポールからお届け。

Circus360°というサーカス普及イベントが、2017年10月22日、シンガポールのショッピングモールOur Tampines Hubで行われました。主催は、シンガポールでサーカスコミュニティを組織しているBornfireという団体。

▲ Circus360° の様子 (photo : Rogan Yeoh(上) Naoya Aoki(下))

パフォーマンスの部では、日本人の高橋優弘(19)さんも参加。日本チャンピオンの名に恥じぬスムーズかつ高難易度なジャグリングをほとんどミスなしで見せ、会場を沸かせました。まずは、大トリとして大活躍した彼に、イベントに参加した感想、その他、練習方法などを聞いたインタビューから。

高橋優弘 インタビュー

(Photo : Rogan Yeoh)

-シンガポールはどうでしたか。

想像以上に食べ物も美味しいし、きれいなところで、人も親切でした。
実はお誘いをいただいた時は、英語も不安だったし、本当に楽しめるのかどうか迷いがあって、一回断ろうと思っていたんですが、結果として、来てよかったなと思っています。

-シンガポールのジャグリングシーンについては。

シンガポールには二日間しかいなかったので判断できませんが、まだジャグリングは発展途上なのではないか、という予感はします。でも少なくとも芸術に理解がある感じはしました。国立図書館の中に大きな劇場があったりして。

-今はジャグリングでは具体的に何に取り組んでいますか。

クラブのナンバーズ(本数の多いジャグリング、一般的には、クラブなら5本以上を指す)を中心に練習しています。

-なぜクラブナンバーズなんですか?

以前に、山本賢哉さんによるボールジャグリングの演技を見ました。
その時、クラブの技のレパートリーは、ボールの技の豊富さには勝てないな、と感じて。
なので、クラブに可能な技を拡張するという意味でも、ナンバーズに取り組んでいます。

-練習方法について教えて下さい。

ほぼ毎日、地区センターの体育館を借りたり、東京、横浜のジャグリングクラブにお邪魔したりして、3〜4時間練習しています。
時間を区切って、序盤は3本、次に4本、と本数を増やしていき、7本まで練習します。
本数ごとの練習時間は30分くらい。
最近は、自分のルーティンでやる技の練習がメインです。

-使用する道具の好みはありますか?

ハンドルが細いのと、重心の位置による回転の仕方が好きで、Play社のPX3クラブを使っていますね。ボールを練習している頃は、ビーンバッグを使っていました。

-2016年には、JJFに5年ぶりに出場し、優勝しました。出場のきっかけは?

高校生活で何をしていたか、後で振り返った時に、何もやってない、と感じたら悔しいだろうと思い、節目として出場することにしました。

-今後の予定を教えてください。

シンガポールでのパフォーマンスを終えて、今のところ演技をどこかでする予定はありません。
それでもひとまず、来るべき「いつか」に備えて練習をしています。
「一生懸命やっていればそのうちいいことがある」という思いで。これは、両親から教えられたことでもあるんです。たとえば今回のようにシンガポールに招待していただいたのも、そういうことなんだと思っています。なので、とりあえず今は、また練習に取り組みたいと思います。

-ありがとうございました。


シンガポールのサーカス事情

さて、高橋さんも楽しんでいた様子のシンガポールですが、「シンガポールではサーカスが盛んなのか?」とよく聞かれます。その点について少しだけ。

筆者が知っている範囲のことで言うと、今回イベントに招いてくれたBornfireという団体は、コミュニティサーカス、という名目で、ジャグリングやアクロバットなどを誰でも学べるプラットフォームを定期的に提供しています。毎週2回、屋内でジャグリングの練習会を開き、年に一度、さまざまなパフォーマンスやワークショップを含む、Bornfire Festival(ボーンファイア・フェスティバル)というお祭りも開催しています。

▲ 昨年度のBornfire Festivalの様子 (Photo : Rogan Yeoh)

シンガポールには、ジャグリングを練習する場所も、屋内、屋外、それなりにあります。
ダンスや、ダブルダッチ、ボルダリング、スラックラインなどを練習する人たちも周りに多くいます。
聞いたところでは、エアリアルのジムもあるそう。
SCAPEという繁華街のビルの屋上は、ダンススペースとして解放されていたりもして、練習環境としてはそれなりに豊か。

Circus360°では、フリースタイルフットボーラーのバトルイベントも開かれていて、20名ほどの選手が戦っていました。
親子連れの姿も多く、子供達もサーカスの演技やジャグリング体験を楽しんでいました。

まだまだ、「サーカスやジャグリングが盛んだ」と言えるような状況ではないですが、今回大きなショッピングモールでこのようなイベントが開かれた、ということを鑑みても、着実に理解は進んでいるような印象を受けます。

これから、シンガポールならではの「何か」が飛び出してくるのか。
それも期待しながら、シーンの発展を見守りたいと思います。
ちなみに、11月には、再びBornfire festivalが開かれます。
その様子もお届け予定。

 

 

高橋優弘(たかはし まさひろ)

1998年生まれ。2017年10月現在、大学1年生。5歳の頃にジャグリングを始める。JJF2016チャンピオンシップ男子個人部門優勝。ラスベガスで開かれたスポーツジャグリングの大会WJF2016でも、クラブ各部門で優秀な成績を残す。

『Double Exposure』(PONTE編集長の観覧メモ 2017/09/23)

文:青木直哉(編集長)

観劇日時:2017/09/23

場所:あうるすぽっと

ダブル・エクスポージャーについて

本作『Double Exposure』は、アン・ソンス率いる韓国のダンスカンパニーと、フィンランドから来た、Ville Walo(以下ヴィッレ・ヴァロ)との共同作品。初演は2012年。今回オリジナルのメンバーは3人(イ・ジュヒ、キム・ボラム、チャン・グンミン)で、あとの二人の女性(キム・ヒョン、キム・ジヨン)は、今回から加わったメンバーだそう。

ヴィッレ・ヴァロといえば、ジャグラーの間では主に「Peapot Video (ピーポット)」シリーズでその名を知られている、2000年代初頭に、既存のクラシックジャグリングの概念を塗り替えたレジェンドの内の一人である。(それを本人の前で言ったら、「もっと大きい声で言って!誰も僕が有名だってことを信じてくれないんだよ!」と笑いながら言っていた。愉快な人だ。そしたら横の通訳の方が、「本当に有名なんですね、やっと信じました」とおっしゃった)

終演後のレセプションパーティで、ヒョンさんに一体どのように練習したのかを聞いた。すると、「ビデオを見て振り付けを覚えたの。演技全体も、こっちに来てから初めて合わせた」と驚きの答えが返ってきた。

プロのダンサーって、こうなんだなぁ、と改めて思う次第である。

シリアスとユーモアのバランスがよい

本作品は全編にわたって、少し雰囲気が重い。
ただ随所随所で、特にヴィッレが出てくるとどうも「中年のおじさんが頑張ってる」風の、よい可笑しみがあってたまらない。ダンスの迫力、ヴィッレのひょうきんさ、その両者のいいところがうまく生かされていたように思う。

シーンごとの緊張と弛緩のバランスもなかなかよかった。
たとえば冒頭のシーンで、のっぺらぼうのマスクを被ってポッピンをする男性が出てくるのだが、このシーンで、中で息を吸うと「ぺこっ」とマスクが凹むのだ。意表をつかれた。バカバカしさと真剣味のバランスがとてもいい。
なんだか苦しそうなんだけど、どうも笑ってしまう。(同じ列でヘラヘラ笑っているのはどうも私だけでしたが)

ヴィッレのジャグリング

ヴィッレは、3”カツラ”ジャグリングや、マネキンマニピュレーションを見せてくれた。京都のジャグリングユニット「ピントクル」の中西一史氏が、以前から体の部位の模型を使ってマニピュレーションをしているが、このアイデアを実際に連続性のある長編作品に、テーマと関連させて違和感なく溶け込ませるとこうなる、という好例を見たようであった。

Kanon #Juggling #hand #manipulation #flowarts #three

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2911 #toycar #hand #head

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もちろん他にもたくさんやりようはあるだろう。

ジャグラーに見て欲しい

本作品は、端的に言ってジャグラーにも見て欲しい作品である。まだ上演は二日間ある。(各日14時より)国内最大のジャグリングフェティバルJJF2017 in Fukuokaが同期間に開催されている(9/22-24)こともあって、意欲のあるジャグラーが見に来づらいタイミングになってしまった。

しかし予定が空いたジャグラーには、ぜひ観て欲しい。もう次いつ見られるかはわからない。まずダンスの質が高いので単純に見ていて面白かったのと、「ジャグリングを作品作りに生かす」という観点からも、インスピレーションが豊富に含まれている。

観劇中ずっと、「ダンスに負けないために、ジャグリングはどうすべきか」を考えていた。

重みのあるジャグリングの作品、というのが、日本ではまだまだ少ない。厚み、とも言えるかもしれない。
純粋なジャグリングを、どう「テーマ」とリンクさせてそれを「見て面白く」提示するのか、ということは、もっと時間をかけて議論されてよい。

この公演は、そういうことを考えるためにぜひ観ておきたい内容だった。

マネキンの首、というインパクトが強かったからか、終演後、見に来ていた女の子の学生二人が、抱き合ってすすり泣いていたのは印象的であった。あまりにも怖かったらしい。

だが実際にはそんなに怖くはないので(笑)ホラーが苦手な方でも、ご覧になってみてください。おすすめです。

 

 

『Double Exposure』
~ダブル・エクスポージャー~
2017年9月22日(金曜)~9月24日(日曜)3回
○コンセプト&演出:アン・ソンス/ヴィッレ・ヴァロ
○振付:アン・ソンス
○出演:イ・ジュヒ、キム・ボラム、チャン・グンミン、キム・ヒョン、
キム・ジヨン、ヴィッレ・ヴァロ

ダンスとコンテンポラリーサーカス
奇跡の出会い
社会的テーマをダンスとサーカスでユーモラスに描いた国際共同制作。

「Double Exposure」はフィンランド/韓国で1年間に渡る国際共同制作から産み出されました。
リサーチとディスカッションの中から浮かび上がったテーマは、整形手術。
その美に対する理想と現実の狭間を、明るくユーモラスに、ダンスとサーカスが融合したヴィジュアルパフォーマンスとして描きます。フィンランドコンテンポラリーサーカスの第一人者ヴィッレ・ヴァロと、韓国現代舞踊界で数々の賞を受賞し、国際的にも活躍するアン・ソンスによる、2012年ヘルシンキ/ソウルで初演された作品を、日本初上演します。 愛と皮肉に満ちあふれた類い希な作品を、どうぞお見逃し無く。

(以上公式サイトより抜粋)

関連リンク

公式サイト

本人インタビュー あうるすぽっと CINRA.NET

Kouta Ohashi Video Project 大橋昂汰ビデオプロジェクト(仮)

日本語版は下に掲載。

A group juggling performance directed by a juggler Kouta Ohashi, performed in January 2017 will be coming out soon in a video format with extra stuff. (cf)

List of the contents (subject to change):

・Full video of the performance

・Behind the scene movie

・Original Soundtrack

・Discussion after the performance with performers (text)

・Short Interview with Kouta Ohashi (text)

・Kouta Ohashi tricks movie (TBD)

Price : 1000JPY (subject to change)

detailed info coming soon.

 

日本を代表するジャグラーの一人、大橋昂汰の監督による演技が、今年2017年の1月に行われた。(詳細

その模様を収めたビデオと、その他インタビューなどが販売されることが決定。

PONTEも、取材、企画で協力しています。

発売日は未定。

【パッケージ内容】

・大橋監督集団制作パフォーマンス映像

・集団制作ドキュメンタリー

・サウンドトラック

・集団制作出演者座談会

・大橋昂汰インタビュー

・大橋昂汰による新作トリック映像(予定) 予価1000円

追っての詳細は、後日ジャグる仙台のアカウント(↓)でも発表されます。

順次PONTEサイトでも発表予定。

ホゴノエキスポ2017レポート

大変遅れてしまいましたが、1月21日、仙台に行って、ジャグリングの公演を見てきたレポートです。

文責は編集長、青木直哉。昨年に引き続いて、二回目の参加です。今回は最後に、大事なお知らせもあります。

ホゴノエキスポとは

本郷仁一(まさかず)さん(=ホゴムラ名人)率いるホゴノプロフィスが、仙台において一年に一度行う、ジャグリングイベント。それがホゴノエキスポです。それほど大きなイベントではなく、主な対象は東北地方のジャグラーたち。ですが、中には筆者も含め、関東地方などから遠出してくる方々もいます。(詳細はこの記事この記事を参照。)

まずは昼行便のバスで仙台へ。新宿から仙台までは、およそ6時間で到着。仙台は、東京とは違って、ちくりとする寒さ。

まず稽古場を見学へ。この場所は、後日の交流会の会場にもなりました。稽古には大橋昂汰さんと、出演者の方々、結城敬介さん、その他関係者の皆さんがいて、通し練習中。流れる、穏やかな音楽。以前取材に来た時と比べて格段に進歩していました。本番前日なので当たり前なのですが、前回には見たことのない動きも多数。

長崎に住む大橋さんを招いての稽古。短い練習期間と、物理的な難しい条件に負けず、工夫して稽古をした跡が窺えました。

稽古を終えて反省会中。雰囲気は終始和やか。

ホゴノエキスポ・当日

次の日、ホゴノエキスポ本番。会場は、JR仙台駅から徒歩20分ほど、地下鉄の駅近くにある、仙台エル・パーク。開場より一時間ほど早く入って中を見学。今年は昨年のエキスポ会場の隣で開催。場所は少し小さくなっていたけれど、おなじみの顔ぶれがそろうのはいつもと同じでした。全国からたくさんの人を集めて盛大に開催するようなイベントではないですが、だからこその魅力があります。

まずは開会式。

左が本郷さん、右は結城さん。

午後12時からイベントは緩やかにスタート。各自で好きに練習をする時間を経て、まずは大橋昂汰さんによるワークショップ。

内容は、「ボールジャグリングのタイミング(高さ)の合わせ方」。

メトロノームを使用して、全員が投げるタイミングを合わせる。集団に振り付けをした時に、ボールの高さを綺麗に合わせるのに苦労した経験から生まれたワークショップなのだそう。確かに、ボールジャグリングではタイミングを合わせようとすると、自然と高さを合わせる、ということになります。正確に同じ高さで毎回投げること自体が、訓練の必要な技術であるため、実際に合わせられるようになるには時間がかかりますが、方法としてはすごく有効。単純なやり方で問題を解決する大橋さんの手法に唸らされました。このように指導に優れており、問題を発見してから解決するプロセスが鮮やかであるところにも、大橋さんの自分自身の能力を掘り下げる力が滲み出ている気がします。

 

Kota Ohashi workshop

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世界ハイパフォーマンス王選手権

休憩を挟んで、毎年恒例、世界ハイパフォーマンス王選手権

事前に申し込みをした出場者が技を競う大会です。とはいえ、内容は肩肘張らず、各自思い思いに好きなことをするものなので、司会進行の結城さんの進行もゆるく、演技内容も、全く毛色の違うものが次々に出てきます。

印象的だったのは、昨年、杏さんとペアで優勝した、コイン積みで有名なたぬさんが行った演技。まず演技のはじめに床に積んだコインを、くずさぬようにジャグリングをするというもの。惜しくも途中でコインが落ちて終わってしまいましたが、おもしろかったです。途中でなぜか杏さんも出てきました。

優勝はクラブが生きているという設定で芝居風のジャグリングを披露したせりかわさん。北海道からわざわざこの大会のためにいらしたということです。その日の午後にはまた北海道に帰られました。おおいに笑いました。演技中に、Wes Pedenからも電話がかかってくる。よく作られていました。

大橋昂汰監督作品、大橋昂汰ソロ

世界ハイパフォーマンス王選手権が終わると、ゲストステージ。

以前の記事でも紹介した、大橋昂汰さんによる振り付けの、集団ジャグリングパフォーマンス。今回大橋さんが監督をした作品は、全部で10分と少し。合計5人で、動きまわって、関わりあって、視覚的な面白さが満載でした。

舞台裏。これだけでも何が起こるのか、想像を掻き立てる。

出演者5人。

内容は、短期間の練習で仕上げたとは思えぬ、とてもよい仕上がりでした。

前半と後半で毛色が違って、前半の主人公は、小学生のはると君。子供を中心として、その周りの大人たちがいたずらをしてみたり、あるいはぐるぐると駆け回ったり。九州で子供達にジャグリングを教えている大橋さんの今までの積み重ねが、いかんなく発揮されている感じを受けました。

後半は、よりジャグリングそのものを使った、視覚的効果を駆使した内容。

幕で見えない部分を利用した、不思議な感覚の作品になっていました。

この演目で一番注目すべきは、大橋さんが東北のジャグラーを「振り付けた」というところだと思います。

現時点での日本のジャグリングシーンでは、客観的な見ためや全体の統一性、というよりは、自分自身の感覚的な気持ちよさや、自分自身の持つ技術の披露、といったものに重点のある演技が多かったりします(例外ももちろんたくさんあります)。

とにかく以前にも書きましたが、ジャグリングでは、一般的に言って、誰かを振り付ける、という発想がまだそこまで浸透していません。

ですが、振り付けるとなると、一気に「見る側」としての視点が作品に反映されやすくなります。

今回の演技を見て、大橋さんが振り付ける作品をもっと見てみたい、という気持ちにもなり、また他にも優れた「ジャグリング振付家」が何人も現れたら面白いだろうな、と思いました。

今回の公演は、その端緒としてとてもよいものに思えました。

そのあとは、大橋昂汰さんによるソロの発表。

ボールのみ、そしてボールとリングを用いての演技。

コンタクトジャグリングに使う大きめのボールとリングを組み合わせたりもしていました。

普段行っているさまざまな動きと、道具のコンポジションを、音楽に合わせて即興で発表する、というふうな印象を受ける演技でした。日頃から探求をおこなっていなければ出し得ない、落ち着いた、いろいろなパターンの連続は、見ていて心地がよかったです。

ホゴノエキスポを終えて/お知らせ

ゲストステージが終わると、イベントは終了。各自帰路につきます。

さて、仙台まで足を運べなかった読者の方々へ。

公演の中身は、まとめの動画の中でも少し映っています。

(8分17秒あたりから)

ですがこの度、

ホゴノエキスポで行われたこの集団製作と、その舞台裏大橋昂汰さんのジャグリング

そして他にも盛りだくさんの内容をパッケージにして、販売されることが予定されています。PONTEも関わっています。

舞台製作の過程や、そのあとも含めて、総括的に今回の舞台を堪能できる内容になるはず。

詳細は後日発表。

text= Naoya Aoki

Photos= Naoya Aoki