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IJA2018 日本人ファイナリストインタビュー

アメリカのIJA(インターナショナル・ジャグリング・アソシエーション)が開催するジャグリングの祭典・IJAフェスティバル

今年は、7月16日から22日、スプリングフィールドで開催。

スプリングフィールドはここ

1947年から数えて第71回目です。

日本のJJFは今年第20回目、世界最大のEJCですら、今年第41回目。

参加者は、アメリカ周辺国出身者が多い印象。(世界から集まるのは、どちらかというとEJC)しかし最近は、協会が世界に向けてどんどん発信をしています。WebマガジンのeJuggleもそうですし、Instagram や Youtube ビデオシリーズの Tricks of the Month でも、各国のジャグラーを頻繁に紹介しています。

そんなIJAフェスティバルの競技部門では、近年日本人のエントリーが非常に多くなっています。20162015(2018年7月8日訂正)年大会では、なんと個人部門出場は日本人のみでした。2018年の今大会も、日本人が数多くエントリーしています。どんな方々が出場するのだろう、と思い、PONTEでは、予選通過者の皆さんにメールインタビューを行いました。(ジュニア部門通過のかすやさんは、都合によりインタビューを見送り)

今回の意気込みや経緯、自身のジャグリングスタイルの見所を聞いてみました。

(公式の予選通過者発表ページはこちら。)

(ジャグリング歴は、2018年6月時点。)

 

Juggler Kentaro(ジャグラー賢太郎)

 

  • 道具:ボール
  • ジャグリング歴:25年
  • IJA出場までの経緯・意気込み:
    IJA総合個人部門でのファイナル出場は今回で4回目になります。IJAを知ったのは小学生の時です。私がジャグリングをはじめた頃は、全くジャグリングの教本が無く、唯一有ったのがIJAのビデオテープでした。ビデオテープがすりきれるまで何度もIJA決勝を見ました。特に大好きで昔から目標(現在でも永遠の目標)のジャグラーが、IJA95年ジュニア部門、97年総合個人部門で優勝して世界チャンピオンに輝いた、ブラディック氏です。いつの日かブラディック氏のようにIJAで優勝してプロジャグラーになりたいと思い、ずっとジャグリングを続けて来ました。IJAが無ければ、プロジャグラーにはなっていなかったと思います。私にとってIJAは、永遠の夢の舞台です。今回で4回目のファイナルですが、未だに納得の結果が出ておりません。自分で納得がいくまで、一生IJAを目指していきたいと思っております。
  • ジャグリングスタイルの見どころ:私がジャグリングをするプロップはボールです。世界で唯一と言われている、ボールでのトスジャグリングに数々の足技を融合させた、「アート・オブ・フットジャグリング」が私の代名詞と言われています。このアート・オブ・フットジャグリングを武器に4回目のIJA決勝を楽しみながら優勝を目指していきます。
  • アメリカでしたいこと:私は大の爬虫類マニアで特に蛇が大好きで沢山飼育しております。日本では規制が有るから飼育出来ないのですが毒蛇が好きです。時間が有れば、アメリカにしかいない毒蛇「カッパーヘッド」を動物園等に見に行きたいです。

まさやん

 

  • 道具:皿回し
  • ジャグリング歴:15年
  • IJA出場までの経緯:もともとはディアボロがメインでしたが、自分しかやっていないことを見つけようと思って、皿回しを始めました。はじめは、面白いけれどすごくないというのが正直なところ、そして難しいことが出来るようになっても、やっていない人にはわからなかったり、評価されなかったり、という事に苦しんで来ました。ジャグリングの大会に出れば客観的な評価に繋がる、と思いJJFなどに出場してきました。
    今年は他にも皿回しの人たちがIJAを狙っている、というのを聞いて、その中に自分がいなかったらきっと悔しいだろうなと思い、応募することにしました。
  • 今大会の意気込み:頑張ります。ひとまずいい演技をしたい。以前JJFに出た時は、仕事が忙しくなる前に、記念にあれもしたい、これもしたいという気持ちがありましたが、今回は仕事をしている中での出場です。時間がない。とはいえ、逆に集中できている気がします。
  • ジャグリングスタイルの見どころ:数がテーマです。皿回しは道具が2つあるので、その掛け算でアイデアの数は膨らみます。そして、ジャグリングの原点ともいえるナンバーズ。すごいと面白いを両立したいです。
  • アメリカでしたいこと:ヨーロッパに行った時、一緒に皿回しをしてくれる友達ができたのが嬉しかったので、今回もそんな友達ができたら嬉しいです。

花田充

 

  • 道具:皿回し
  • ジャグリング歴:5年
  • IJA出場までの経緯:湧き出たジャグリングの好奇心を満たすことを大切にしています。「IJAが面白そう」と好奇心が湧いたので挑戦しました。
  • 今大会の意気込み:賞を貰うよりも、ジャグリングを楽しみ、笑顔で福岡に帰ってくることを目標にしています。
  • ジャグリングスタイルの見どころ:「和風」の演技です。衣装と楽曲はオーダーメイドで製作していただきました。皿の模様にもこだわっています。皿回しの技ひとつひとつに注目していただけるのも嬉しいですが、演技全体から雰囲気を感じ取って観ていただけるともっと嬉しいです。
  • アメリカでしたいこと:カフェが好きなのでアメリカのスターバックスに行きたいと思っています。

上野亜揮

 

  • 道具:デビルスティック
  • ジャグリング歴:7年
  • IJA出場までの経緯:Cirque du Soleil(シルク・ドゥ・ソレイユ)のオーディションなどがなかなか無かったため、デビルスティックアクトをCirque du Soleilのキャスティングに興味を持ってもらいたかったので応募しました。キャスティングが視察に来るかは分かりませんが、少なくとも僕の戦いやすい舞台の中で、一番その確率があるのがIJAでした。
  • 今大会の意気込み:サーカス芸の中でもデビルスティックは極めて地味です。しかし、デビルスティックの魅力を僕はよく知っています。もちろん、金メダルを目指しているのは前提としても、それ以前にデビルスティックアクトの魅力を感じてもらいたいと思っています。
  • ジャグリングスタイルの見どころ:今回の演目では、デビルスティックの魅力を十分に引き出すことをテーマにしています。逆に言うと、メッセージやキャラクターなどは一切ありません。目の前で起こるありのままのデビルスティックの魅力を素直に受け止めてもらえるよう、あえて余計な事をしないようにしました。
  • アメリカでしたいこと:たくさんのジャグラーとおしゃべりしたいです。

KK Staff

 

かとけい(写真左)

  • 道具:スタッフ
  • ジャグリング歴:8年目(1年ブランクあり)
  • IJA出場までの経緯:僕は、千葉大学ジャグリングチームpossumというサークルに所属しているのですが、まわりの先輩方や同期が大会で結果を出したりJJFに出場するなど華々しく、自分も何か大きな結果を出したいと思っていました。そんな中、以前とある公演の関係で一緒に練習した相方のクラタクミと福岡のJJFで久々に再開した時に、是非次のJJFCSに向けて新しいスタッフペアのパフォーマンスをやってみようと意気投合し、チームを結成しました。そしてせっかくルーティンを作るなら、JJFだけじゃなくIJAも挑戦しちゃおう!という勢いでIJACSに挑戦する運びとなりました。
  • 今大会の意気込み:出るからには全力を尽くして優勝したいです!また日本のスタッフは海外ではおそらく知られていないと思うので、日本にはこんなスタッフのパフォーマンスがあるんだぞ!という印象を持ってもらえるように頑張りたいです。
  • ジャグリングスタイルの見どころ:なるべく丁寧にやることを心がけています。
  • アメリカでしたいこと:会場のスプリングフィールドの近くのボストンにも少し滞在するので、少し観光してみたいです。ジャグリング面では、海外のスタッフジャグラーと交流する機会は滅多にない機会なので積極的に交流していきたいです!

クラタ クミ(写真右)

  • 道具:スタッフ
  • ジャグリング歴:3年3ヶ月
  • IJA出場までの経緯:昨年のJJF会場にて、相方のかとけいさんに声を掛けていただいたことがすべてのきっかけです。当時の私にとって、日本のスタッフ界の中でも実力派であるかとけいさんは、強い憧れを抱くような存在でした。そんな方からのお誘いは本当に嬉しく、かとけいさんからの期待に応えられるよう、スタッフの技術を必死になって急成長させていきました。今回のIJA出場は、そういった「憧れの人からの期待に応えたい!」という想いの実りであると考えています。
  • 今大会の意気込み:スタッフジャグリングの魅力をこういった形で広く発信出来ることに、大変喜びを感じております。スタッフの知名度を上げ、界隈の裾野を広げて今後のスタッフジャグリングの発展を促す為にも、全力で優勝を狙います。
  • ジャグリングスタイルの見どころ:私はジャグリングを、身体動作を演出する手段として捉えています。スタッフによって迫力を増大させた、アクロバティックな身体動作が私の大きな武器です。また、トリックの難易度及び希少性にも妥協せず、ジャグラーとしても興味深い存在であることを目指しています。
  • アメリカでしたいこと:ジャグリングがしたいです!どこへ行っても、結局一番したい事はジャグリングです!

以上、日本人出場者のインタビューでした。みなさん、それぞれに気合が入っておられるようです。

チャンピオンシップ本番は、ジュニアが7月18日(インタビューは諸事情により載せられませんでしたが、日本からはかすやさんが出場)、総合個人部門とチーム部門が7月19日です。

2018年7月9日〜8月25日 配送停止のお知らせ

夏がやってまいりました。編集長は、毎年恒例、ヨーロッパ・ジャグリングの旅に出ます。

そこで

2018年7月9日〜8月25日

上記の期間、PONTEの販売サイトを停止、および発送業務を停止いたします。

7月8日23:59までにご注文の分は、通常通り発送いたします。

ご迷惑をおかけしますが、ご了承くださいませ。

なお、懇意にしているPM JugglingでもPONTEを取り扱っていただいておりますので、編集長の留守中は、そちらもぜひご利用ください。

 

よろしくお願いいたします。

キスとジャグリング。 ”If You Are a Juggler…” 書評

 

キスとジャグリング、と聞いてあなたは何を思い浮べますか?

 

 

そう、ソ連の伝説的ジャグラー、アレクサンダー・キスですね。

今回は、彼の書いた本 “If You Are a Juggler…”  の書評です。

 

2018年の2月に出たばかりの本なのにもうボロボロにしてしまった

●アレクサンダー・キスの本。

アレクサンダー・キスをご存知ですか?
筆者は正直なところ、あまりよく知らなかったです。

今回この本を読んで、キス自身のことを知ったのは何よりですが、それに加えてその他の「かつてのジャグラーたち」の姿もいくつか拾い上げることができました。

アレクサンダー・キス(1921-1990)は、旧ソ連を代表するジャグラーの一人。

サーカスアーティストであったチェコ系の父と、イタリア系の母(ロシア初期の近代サーカスを支えたガエターノ・チニゼッリの娘)の間に生まれます。

1939年から、妹のヴィオレッタと共にサーカスでのキャリアを開始し、特に1960,70年代に活躍しました。

キスは、こんなジャグラー。(下動画)

クラブが飛び出す「ぱきゅん!」という音が愉快。あと、折に触れて、トリ頭に意味もなくクローズアップするのがたまらない。

“If You Are a Juggler…”は彼の回想録。オリジナル版は1971年にロシア語で出版され、47年経った今、ジャグラー、ニルス・ダンカーの手によって英語に翻訳されました。

内容は、伝説のジャグラーたちの逸話、そして彼自身のジャグリングへの考え方などです。

●昔のジャグラーのこと

まず「『かつての』ジャグラーたち」の姿を知ることがこんなに面白いとは思わなかった。
しかも、これこれの人はこういうジャグリングをしていました、という簡単な紹介だけではなくて、どんな風に練習をしていたか(エンリコ・ラステッリ(イタリアの伝説的ジャグラー)は練習の時ボールを拾わせるために、子供を2人連れていた、とか(p.77))、ジャグラーのパーソナリティみたいなもの(エンリコは、結婚式の最中に会場を抜け出してジャグリングをしに行ってしまった、とか(p.26))達人が持つ、「ひとりの人間」としての一面が垣間見えます。

どうせ昔の人の話なんて退屈なんじゃないの、とか、思っていたんですが(なんでだろう)この本は実に面白い。

ちなみに、キスの父親は、ラステッリと共にリハーサルをしたことがあったらしい。

●キス自身の考え

第一線でサーカスパフォーマーとして活躍していたキスのジャグリングに対する考えは、今も通用する言葉で書かれてあります。

「技の準備が整ったかを判断するのは簡単だ。100回連続、自信を持って投げられるまで練習しよう。それ以上できるようになっても、余計なエネルギーを使うだけだ。しかし、マスターしていないのに、それよりも多い数に挑戦するのは、もっとだめだ。(p.79)

「ジャグラーの演技の良し悪しが、扱うものの数で判断されている節があるが、5、6個の物体で技を行うのは、8枚のリングよりも難しい。(中略)量より質、である。」

これはしかし、『量』も多く扱えたキスならではの、説得力あることば。

 

そして、ジャグリングの今風にいう「パクリ」についても、熱く語ります。

「若いアーティストが仲間の技を盗んでいるのを見かけるが、それは仲間だけではなく観客にも悪い。そして技を最初に作った人が被る被害は、他と同じようなものを人に見せなければいけなくなる、ということだ。(p.85-6)」

サーカスはアートであって、生産ラインではない。アートは、オリジナリティとユニークさで価値を測られるべきだ。(p.87)」

昔のジャグラーについて、どうしても、「みんな同じようなことをしていた」と無意識に思ってしまっている節がありました。しかしそれはとんだ誤解でした。今も昔も、「少しでも人と違うことを」という努力をしている人たちがいます。少なくともキスは「とにかく研究して、果敢に挑んで、実験をしなければ!(p.87)」と意気込んでいたんですね。

 

さて、本筋とはあまり関係がないのですが、一節だけ気になったところが。

保証がなく将来が見えない資本主義の国では、他人のアイデアを使ってしまうのも仕方がないかもしれない。(p.86)」

 

時代を感じました。この後、「我が国では探求をする環境がきちんと整っている…」と続きます。

しかし社会主義体制がとうに崩壊した今でも、生きるためのお金を稼がねばならない中で、他人のアイデアを拝借したくなってしまうジャグラー、という文脈で読めば、決して現代と無関係な話ではないな、と思う。

●本の入手について

この本は、今の所いくつかのジャグリングショップ(海外)のサイトや、大手では、アメリカのアマゾンで販売されています。翻訳者、ニルス・ダンカーのサイト(下記参照)でもチェックできます。(購入リンク先はアマゾンでした)

ジャグリングに関しては、現在手に入る本格的な文献の多くが英語やフランス語です。日本語で、ジャグリング全般や、昔のジャグラーについて書かれた文献を読める媒体というのは、実に少ない。それでも、英語に翻訳されている、というのは非常にありがたいことです。僕自身、ロシア語は(長らく習得したいとは思っていますが)読めません。翻訳者のニルスには、大・感謝です。

 

うーん、もっと日本語のジャグリングの本も、あってもいいよなぁ。

 

 

text by Naoya Aoki

参考

ALEXANDER KISS – A SOVIET JUGGLING ICON by David cain

Amazon.com “If You Are a Juggler…” (Kindle版もあります)

Special Thanks to Niels Duinker

第3便 (2018/6) ブリスベンに生きるバスカー達

 

●はじめに

私は2018年1月から、オーストラリア第3の都市ブリスベンにて、バスキングをしながら生活しています。(上写真のパフォーマーは筆者)

バスキング(Busking)とは、日本でいう大道芸のことです。バスキングを行う人のことをバスカー(Busker)と言います。バスカーは路上で芸を披露し、観客から貰う投げ銭を収入にしています。

日本ではまだ合法的に行える場所は少ないですが、オーストラリアではバスキングが合法的に仕事として認められており、路上で様々なバスカーを見つけることが出来ます。

今回の記事では、私が実際にバスカーになって気付いた、ブリスベンのバスキング事情をレポートしたいと思います。

 

●バスカー紹介

まずは、ブリスベンの中心にあるショッピングモール、Queen Street Mallのバスカーを紹介していきます。

 

●Aaron(マジシャン)

爽やかな笑顔でカードとカップの演技を得意とする現役大学生マジシャン。
私はいつも彼と交代でバスキングしています。2018年6月現在、Queen Street Mall内でサークル形式(観客を囲んでショーを行い、最後に投げ銭を貰うスタイル)のバスキングを行っているのは彼と私だけです。

 

●Konstantin(バイオリン)

アルゼンチン出身のイケメンな彼。ブリスベンシティに住んでいる人なら誰もが彼のことを知っています。

モール内を歩いていると彼の奏でる心地よいバイオリンの音色が聞こえてきます。彼は10歳の頃からバイオリンの演奏を始め、同時にバスキングを始めたそうです。彼の弟、Nikitaもまたバイオリンのバスカーで、兄弟で交代しながら演奏しています。

Konstantin のインスタグラム : https://www.instagram.com/musickonstantin/

●Wayne(バルーンアート)

彼はブリスベンの人々から、Mr.Balloon manという愛称で親しまれています。

朝から晩まで1日中バルーンアートの販売を行っています。なんと驚くことに、20年以上のキャリアがあるそうです。彼の作ってる作品はどれもマジックでペイントされており、可愛い作品ばかりです。中でもスパイダーマンは子どもたちから人気のようです。モール内には彼の作ったバルーンを持ってニコニコした子供たちが沢山歩いています。

 

●Jared (スプレーアート)

彼もまた、20年以上のキャリアがあるそうです。彼の描く絵はCGのような画風から油絵のような画風まで様々な種類があり、スプレーだけで描かれているなんて信じられません。

彼の作品は自身の公式HPからも見ることが出来ます。

続いて、シティからブリスベン川を渡って南側、South Bank Parkのバスカーです。

 

●Stuntman Jim(ジャグラー)

South Bank Parkの広場に行くと、本格派パフォーマーのバスキングを見ることが出来ます。

ブリスベンを拠点にしている彼は20年以上の芸歴があり、オーストラリアのGot Talent (編集部注:イギリス発祥の審査型バラエティ番組) にも出演したことがあるそうです。小さな自転車に乗りながらのナイフジャグリングや、高い一輪車に乗りながらのハイレベルなファイヤージャグリングは圧巻です。

次に、路上で出会ったバスカーを紹介します。

 

●Sandro(ミュージシャン)

毎日夕方5時を過ぎると、King George Square前は彼のライブステージに変わります。

イタリア出身の彼は、ピアノ、ギター、ドラム全ての楽器を演奏し、そんな彼の父は音楽学校の創設者だそうです。私の友達は彼のことを「ブリスベンのエド・シーラン」と呼んでいます。私も彼のギターの弾き語りが大好きで、バスキングが終わった後いつも聴き入っています。

 

●Mat(ジャグリング)

私がブリスベンに来て初めに出会ったバスカーです。

路上でよく見かける彼は、かなり使い込んだビーンバッグ3つでカスケードとリバースカスケードを繰り返しながら何かを喋り続けています。やっていることは大したことではないのに、不思議と彼の帽子には次々と投げ銭が入っていきます。早口で何を言っているのか分からないのですが、彼を見ていると何故か心がほっこりします。

娘が小さい頃、一緒にサーカスを見てカスケードの練習をしたことがきっかけで、2年前からバスキングを始めたそうです。私がブリスベンに来た頃、彼にバスキングが出来る場所を尋ねたところ、丁寧に紙に書いて教えてくれました。それ以来、会う度に立ち話をして、人柄の良さを感じ、一緒にバスキングをする仲になりました。最近は4ボールファウンテンに挑戦したいそうです。

●ブリスベンでバスキングをするには

基本的に路上は一部区域を除きどこでもバスキングが可能です。

しかし、ブリスベンの中心で最も人が多く集まるQueen Street MallとSouth Brisbane Parkではライセンスが無いとバスキングをすることが出来ません。

Queen Street Mallのライセンスを取得するには、2か月に一度開催されるオーディションに合格する必要があります。

オーディションの制限時間はたったの3分で、審査はかなり厳しいです。私が受けた際は約70組がエントリーしていましたが、合格したのはわずか2,3組でした。

ライセンスが発行されるとQueen Street Mall内ならいつでも好きな場所で自由にバスキングを行うことが出来ます。ただし、アンプと火気の使用は禁止されています。

違反をしない限り更新が可能で、再度オーディションを受けることなくライセンスを維持することが出来ます。

South Brisbane Parkでは、管轄に申請料を支払うことで3か月のライセンスを取得することが出来ます。どちらの区域も、バスキング内容によっては受理されない場合がるようで、私の友人はアートの販売を申請しましたが受理されなかったそうです。

これらのライセンスが必要な場所は常に安定した人通りがありますが、それ以外の路上は曜日や時間帯によってかなり変動があるためバスキングが難しくなります。

そうした背景から、ライセンスを持っていない又はアンプを使用したいバスカーはQueen Street Mall周辺の路上でバスキングをしています。

中でもKing George Squareという駅の前は人通りが多い為、夕方はバスカー達による場所の奪い合いになっています。また、ライセンス必要区域内にて無許可でバスキングをしているのが警備員に見つかると、罰金を取られるそうです。

実際に過去に罰金支払ったバスカーに話を聞きましたが、驚くほど高い金額でした。

ブリスベンに限らず、オーストラリアの主要都市ではオーディションに合格するか申請料を支払って説明会に参加することで合法的にバスキングを行うことが可能です。

 

●ブリスベンでバスキングをやってみよう

バスキングが終わると声を掛けてくれる人が沢山います。そこでコミュニティーが増えるのもバスキングの魅力の一つです。

そうして出会ったうちの一人、日本からワーホリで来たアキラ君。彼は不幸にも数日前に財布を盗まれ、次の仕事が始まるまで生活するお金が無くて困っている様子でした。ドラムが特技だったので「バスキングやってみたら?」と提案したところ、翌日には近くのレストランのオーナーに交渉して掃除用のバケツをゲット。早速バスキングにトライしてみました。

彼のドラム技術は見事で、初めて叩くというバケツでも全く問題ないようでした。1時間挑戦すると16ドル、さらに粘ったところ一晩で100ドル近く入り、無事に次の仕事にたどり着けたそうです。まさに、芸は身を助けるといったところです。

 

●まとめ

現状、ブリスベンのバスキングは他の都市に比べて難しいようです。

まず、ライセンス取得の難易度が高いこと。

メインストリートであるQueen Street Mallのオーディションは2か月に1回しかないため、新規参入が難しいこと。

また、街全体として坂が多く、道幅も狭いためバスキング出来る場所が少ないこと。

ビジネス街で観光客が少ないため、人が止まりにくいこと。

などが理由として挙げられます。
バスキングのスタイルにもよりますが、事実、過去にブリスベンで活動していたバスカーがメルボルンやシドニーに行ってしまった例が沢山あるそうです。

しかし、長いキャリアを持ち市民から愛されているバスカーも多いことから、この街に適応したバスカーのみが生き残っているようです。

ジャグラーなら誰もが一度は意識するバスキング。日本ではまだまだ認知度が低く、始める難易度も高いですが、ストリートに出るという行動はとても良い経験になります。

オーストラリアに来た際はバスキングを見て楽しむ。

 

そして、ジャグラーなら是非バスキングをやってみると良いと思います。

ブリスベンバスカー達と

 

芹川さんご自身のブログはこちら。

【公演情報】マシーン・ドゥ・シルク 7月21日(土)~24日(火)@あうるすぽっと(池袋)

photo by Loup-William Théberge

公演情報です。

池袋のあうるすぽっとは、今までにもサーカス、ジャグリング関連の公演をいくつも迎えてきました。(昨年のダブル・エクスポージャーとか。)

そして今年の夏は、カナダのケベックから、カンパニー マシーン・ドゥ・シルクが来るそうです。

僕はまだ観たことがないのですが、色々な分野のサーカスアーツが融合した、楽しいショーのようです。

欧米だと大掛かりな装置を使ったサーカスが観られる機会は比較的多いですが、日本で観られるのは、本当に貴重な機会。

そして、ジャグリングが入っていることも目を引きますが、何よりこの楽しげな独特の雰囲気に惹かれます。

photo by Loup-William Théberge

カナダ・ケベックといえば、サーカス分野の一番有名なポイントでいうと、「シルク・ドゥ・ソレイユが生まれたところ」です。

サーカス学校もあり、レベルの高いパフォーマーを多く輩出しているイメージがあります。

このマシーン・ドゥ・シルクの演技も、技のレベルの高さはさることながら、ストーリーが組み合わされて、洗練されたエンターテインメントに仕上がっている、とのこと。

音楽も大事な要素として取り入れられていて、演技中はライブで演奏をするそうです。

ジャグラーとして何か刺激が欲しい方、シルク・ドゥ・ソレイユなど有名なもの以外にも「現代サーカス」の様子を見てみたいという方、ただただ、家族や友人と一緒に、夏に何か面白いものを観たいという方、どんな人にもうってつけのはず。

日程は、2018年7月21日(土)~24日(火)。

詳細、チケット購入は、公式ページで。

また舞踊評論家の乗越たかおさんも、レビューを書かれています。(こちら


◇公演名:シアターサーカス「マシーン・ドゥ・シルク」
◇日程:7月21日(土)~24日(火)

〇演出:ヴィンセント・デュベ  〇音楽:フレデリック・ルブラサール
〇出演:ヨハン・フラデット-トレパニエ、ラファエル・デュベ、
ユーゴ・ダリオ、マキシム・ロレン、オリヴィエ・フォレ

◇発売:5月20日(日)

全席指定

・おとな 3,500円
・豊島区民割引 おとな 3,000円 ※1
・学生・中高生 2,000円 ※2
・子ども(3歳以上小学生以下) 500円 ※2
・障害者割引 2,000円 ※3

※1 豊島区民割引(在住・在勤)はとしまチケットセンターのみ取扱/要証明書提示
※2 要学生証・年齢確認証提示
※3 障害者割引はとしまチケットセンターのみ取扱/介助者1名まで同額/要障害者手帳提示
http://www.owlspot.jp/performance/180721.html
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世界中を魅了してやまないサーカスパフォーマンスが、
カナダから初来日。5人の男たちが繰り広げる息を呑む
アクロバットやジャグリング、笑いも満載のステージです。

東京公演後には、以下日程でも他地域で公演予定。

7月 28日(土)・ 29 日(日) まつもと市民芸術館 主ホール
8月 2日(木) 北九州芸術劇場 中劇場
8月 5日(日) 小牧市民会館  大ホール
8月 7日(火)・ 8日(水)兵庫県立芸術文化センター  阪急中ホール


執筆者:青木 直哉(編集長)

書くジャグリングの雑誌 : PONTE 編集長。中学3年生の時にジャグリングに出会う。大学の卒論でアメリカのジャグラー、ジェイ・ギリガンについて書き、雑誌創刊へとつながる。最近は、ジャグリングとともに生きることについて考えている。

第2便 ブリスベンのジャグラーが集うカフェ-THE-SIDESHOW-WEST-END

●はじめに

先月からワーホリジャグリングを連載させて頂いているエクストリーム芹川です。
私は2018年1月からオーストラリア第3の都市ブリスベンで暮らしています。
ブリスベンは亜熱帯気候に位置しており、年間を通して暖かく過ごしやすい街です。
アートも盛んで、街には美術館や博物館、歴史的建造物が沢山あります。
今回の記事では、私がブリスベンで出会った、地元のジャグラーが集うユニークなカフェ「THE SIDESHOW WEST END」を紹介します。

●どんなカフェ?

THE SIDESHOW WEST ENDはブリスベンの中心街からバスで15分程のWest Endという場所にあります。少し奥まっているので、知らない人は素通りしてしまうかもしれません。


手前がカウンター、奥が練習スペースになっています。倉庫を改装して作られており、天井が高いです。壁面はお洒落なペイントが描かれており、普通のカフェでは味わうことのできない雰囲気があります。中に入るとチャイの良い香りとエスニックなBGMが聞こえてきて、とてもリラックスすることができます。


カウンターで飲み物を注文すると、その場ですぐに作ってくれます。
カフェの従業員は全員ジャグラー。お客さんがいないときは奥で練習しています。自由な働き方からもオーストラリアらしさが伺えます。


私のお気に入りはグリーンスムージー。ライスミルクをベースに作られており栄養満点。暑い日に練習しながら飲むと最高です。

カフェ内でジャグリング関連の道具も販売しています。さすがFlow artの国というだけあって、スイング、ファイヤー関連の商品が充実しています。なぜかハンモックも売っていました。キャンプ場でくつろぎながらファイヤーを楽しむということなのでしょうか。

(天井が高くて練習が捗る)

奥の練習スペース。平日の午後2時~6時まで使うことが出来ます。ジャグラーだけでなくダンサーやアクロバットアーティストなど、様々なジャンルの人たちが集って練習しています。床がコンクリートなので傷つける心配もありません。地元の人たちはみんな裸足で練習しています。足の裏が強いのでしょうか。大型の扇風機が設置されており、暑い日でも快適に練習することができます。オーナーにお願いすると、スピーカーから好きな音楽を流せます。よく有名ジャグラーのBGMを流して、みんなで盛り上がりながら練習しています。

(Philによるコンタクトポイのワークショップ)

毎日、夕方から様々なワークショップが開催され、多くの生徒たちで賑わっています。
フラフープ、ポイ、子どもサーカス、ジャグリング、ドラゴンスタッフ、ヨガ、アクロバット、ズンバ、ソウルダンス…などなど、様々な教室が開かれています。
生徒のほとんどが初心者で、誰でも気軽に参加することが出来ます。複数のワークショップに参加している生徒もいました。
私はアクロバット教室に参加しました。バック転の習得を目指しましたが、身体が硬すぎて出来ませんでした。語学学校の授業とは違い、英語で実技を教わるという良い経験になりました。

●オーナーはどんな人?

カフェのオーナーはJaronとSmilie。2017年4月「Flow artを教える場所を作りたい」という理由でカフェをオープンしたそうです。

JaronはブリスベンにおけるFlow artの中心人物。Webデザイナーかつフォトグラファー、さらにファイヤーアーティストという多彩な肩書を持っています。内装の凝ったデザインや照明も全て彼の手作り。

Smilieはコーヒーとギターが大好きなジャグラー。10年前にダブルスタッフに出会いFlow artにのめり込んだそうです。現在はクラブジャグリングに熱中していて、いつもニコニコしながら練習しています。
オープンからたったの1年で沢山の人達がこのカフェに集まってくる理由は、彼らのカリスマ性、そして暖かさにありそうです。

●カフェはどんな存在?


カフェに来ていた人達に、「あなたにとってTHE SIDESHOW WEST ENDはどんな存在ですか?」とインタビューしてみました。

フープWSの生徒「家族同然。Smilieがお母さんみたいな存在。週に3回は来ている」
ポイWSの生徒「毎回来るたびに沢山の友達が出来る、最高のコミュニティー」
カフェで働いているBecca「このカフェには様々な国の人がやって来る。私はここで出会ったメキシコ出身の友達にスペイン語を教えてもらっている!」
オーナーのJaron「このカフェは従業員だけじゃなくて、ワークショップ先生と生徒、地元のジャグラーやアーティスト、みんなの協力が合って成り立っているんだ。だからユニークなことが出来るんだ。」

インタビューを通して、このカフェが人と人を繋ぐコミュニティーになっていることに気付きました。

●West End Fire Festival


2018年4月28日、カフェ近くの公園でWest End Fire Festivalが開催されました。2006年から続いている歴史のあるフェスで、当時からJaronが主催を務めているそうです。フェス当日、ブリスベン中のジャグラーはもちろん、大勢のサーカス関係者が集合しました。想像していたよりも参加人数が多く、「ブリスベンのジャグラーこんなにいたのかよ!」と驚きました。飲食の出店もあり、規模の大きさに気付かされました。第1便で紹介したメルボルンのSpinfestにもひけをとらない盛り上がりで、DJが流すお洒落なBGMの中Flow Artを楽しむことができました。

●まとめ

THE SIDESHOW WEST ENDというカフェは、ブリスベンのジャグラー達はもちろん、皆から愛されていました。私自身、このカフェが本当に大好きで、毎週通っています。そして、地元の人と沢山が交流できるので、私のワーホリにおける大事な英語の勉強の場になっています。もしブリスベンに来られる場合は、是非このカフェに来て、練習しながらコーヒーを嗜んでみてはいかがでしょうか。

【THE SIDESHOW WEST END】
349 Montague Rd, West End QLD 4101 Monday to Thursday 3pm – 8pm 
Some Saturdays 9am-2pm

HP http://sideshowhub.com.au/

芹川さんご自身のブログはこちら。

PONTE 2018 Spring (Vol.14) の紙版ができました。

PONTEの14号、「ブリュッセルのサーカスイベント特集」が、本になって出来上がりました。

全く同じ内容が、Web上でも読めます。(こちら

今回の紙版は、試験的に無料で配布いたします。
今のところ固定の配布場所は特にございませんので、編集長から直接差し上げるのが主な方法です。

編集長と会うことはないが、紙で手に入れたい、という方は郵送でご対応します。
(販売サイトの都合で、100円という価格を設定しております。ご了承ください。)
通常どおり購入画面からご注文できます。
送料込みで300円です。(他の号を一緒にお求めいただくと送料がお得です)

また、協賛してくださっているPM Jugglingでは、現在お買い物をされた方に、部数限定でPONTE vol.14を同封しています。この機会に、気になっていた道具を購入されるのもいいかもしれません。

2018年3月に行われた、サーカス会議の Fresh Circus と、サーカスフェスティバル Festival UP! を取材しました。
編集長が、西欧の「サーカス」の一端について、考えた号です。

どうぞ、お暇の折に。

編集長 青木直哉 naoya_aoki@jugglingponte.com

協力 / sponsors: PM Juggling, Visit.brusselsINCAM, Espace Catastrophe, CIRCO STRADA ,ésac

第1便 (2018/4) Spin Circus Fest 2018レポート

2018年1月18日~22日、オーストラリア第2の都市メルボルンにて開催されたSpin Circus Fest (Spinfest 2018) に無計画弾丸ツアーで参加してきたので、レポートしたいと思います。

Spinfestは、2010年より毎年開催されているサーカスイベントです。ジャグリングはもちろん、ダンスやヨガ、アクロバットなど様々なジャンルのパフォーマーが集まります。

チケット手配

以前からこのイベントの存在は知っていたものの、語学学校だけで精一杯だったため、よく調べもせず参加を諦めていました。

参加を決めたのは、既にイベントが始まって1日目の夜のこと。チケットは$250(全日参加・大人料金)と少々高めでしたがまだ間に合うと思い、速攻でチケットとメルボルン行きの飛行機を手配、翌日の語学学校は無断欠席しブリスベンからメルボルンへと飛び立ちました。

会場までのアクセス

メルボルンに着くと気温は45度。この日は特に暑かったそうです。

実はこの時、空港から会場までのアクセスが未定のままでした。Spinfestの会場は山の中にあるキャンプ場。公共交通機関は無し。最寄りのGeelong駅からは45km程あり、Uberを使っても片道$80、徒歩だと約10時間との表示。イベント初日と最終日はシャトルバスの運行がありましたが、自分は2日目からの参加なので使えず。

とりえあず運営のfacebookページにメッセージを送り、「このままでは最悪ヒッチハイクになるのでは・・・」とドキドキしながらGeelong駅へ向かいました。駅に着く直前、運営から「ちょうど今日来るジャグラーがいるから、迎えを手配するよ!」との連絡が。

駅前でクラブを片手に30分ほど待っていると、沢山のポイとスタッフを積んだ1台の車がやって来ました。迎えに来てくれたのはサーカス学校出身のDan。初対面にも関わらず、沢山話しかけてくれました。私の拙い英語力でも、共通の趣味があるおかげか不思議と楽しく会話ができました。会場までは車で1時間半、想像以上の山道を走りました。道中、カンガルー飛び出し注意の看板があり、オーストラリアであることを実感させられました。

キャンプの様子

会場の様子

会場はキャンプ場で、広場と小屋の中で練習が出来るようになっていました。
日差しが強く、とにかく暑いのでジャグラーはタープの下で練習していました。湿度は高くないので、日陰に入ると心地よく練習ができます。

広場の中央にはトランポリンやシーソー、空中ブランコが設置されており、アクロバットの練習をしている人も沢山いました。

小屋の中はステージが設置されており、主にゲストが練習用に使っていました。その光景は、これまで動画で見ていた海外のジャグリングフェスティバル。夢のような空間です。

会場

食事は会場内にあるレストランで朝昼晩、決まった時間にのみ食べることが出来ます。近くにスーパーやコンビニも無いので、時間を逃すと食べれません。メニューは3種類ほどから選べて、どれも美味しい物ばかりでした。

みんなで食事

宿泊

キャンプ場は自由に使うことが出来るため、各々でテントを持参してキャンプしていました。私はテントを持っていなかったため、ドームと呼ばれているコテージのような建物を使わせてもらいました。部屋の中は二段ベッドが4つあり、枕とシーツ、コンセントも完備されていました。日中と違い夜間は冷え込むため、持って行った寝袋を布団代わりにして寝ていました。

ドームの様子

トイレとシャワーは別の建物に設置されており、山の中にもかかわらず温水のシャワーが使えました。

参加者

男女半々くらいの計60人程度。殆どがオージー(オーストラリア人)で、メルボルン、シドニーからの参加者が多かったです。中には子供もいました。日本人は自分を含めて3人いました。

トスジャグラーは少なく、ポイやスタッフ、フープを持っている人が多かったです。

ワークショップ

ジャグリングやフープ、ウィップや逆立ちなど様々なワークショップが行われていました。

私が参加した中で印象的だったのは、ゲストのJoe FisherによるChuka ChuksのWS。中に砂の入った固いプラスチックボールを使い、リズムに合わせてジャグリングをするという物です。キャッチする度に音が鳴るので、リズムに合わせてキャッチするのですが、私はボール2つで精一杯でした。Joeは3つのボールを使いながら巧みにリズムを刻み、自在に音を出していました。彼はジャグリング以外にもドラムが叩けるらしく、音楽の才能にも溢れているようです。

その他にフィッシュテールのWSに参加しましたが、参加者のレベルが高く、「手を使ったフィッシュテールはみんな出来るよね」ということで、いきなり足を使ったフィッシュテールのレクチャーが始まりました。

ファイヤー&LEDジャム

こっちの人たちはとにかく火と光る道具が大好き。大抵ファイヤーor LEDの道具を持っています。夜になるとファイヤージャムが行われ、これぞflowといった感じの音楽がガンガン流れる中、枠の中で各々が自由にパフォーマンスを楽しみます。

最初はゲストパフォーマーなどの数名だけ参加していましたが、次第に盛り上がっていき、順番待ちの行列が出来ていました。私は一度もやったことがなかったのですが、「お前やってみろよ!」と火のついたトーチを渡され、ファイヤー初体験でパフォーマンスをしてきました。ポイやスタッフ、フープはもちろん、ウィップやファンなど日本ではあまり見かけない道具もあり、とても新鮮でした。

ファイヤージャムの後はLED ジャムが深夜遅くまで続きました。見ているだけでも飽きませんが、光る道具を持っていないと少しつまらないです。

ファイヤージャム

ガラショー

3日目の夜にガラショーが行われました。全体で10組程がパフォーマンスを行いました。

私は運営の方に誘ってもらい、トップバッターとして参加させてもらえることになりました。火飲みのカリスマとして知られているShade Flamewaterのパフォーマンスは、火をまるで道具のように自由自在に操っており、圧巻でした。フープジャグリングのカリスマEmma Hörnell は、とても美しく繊細にフープを操り、最後は5フープを投げるというダイナミックな演技でした。

一方、私のパフォーマンスは、内容はさておき、日本人であるおかげか大いに盛り上がりました。初めての海外イベントで、いきなりステージに立つという大変貴重な経験になりました。

ガラショー出演

サーカスオリンピック

4日目の日中には、ジャグリングやアクロバットからボトルフリップ、何でも有りの競技会が行われました。エンデュランスやコンバットはもちろん、ディアボロを飛ばして水の入ったバケツの中に入れる競技や、ポイを的のリングめがけて投げ入れる競技がありました。

一番印象的だったのはペアを組んで、片方が投げたブドウを相手が口でキャッチする距離を競うというもの。10mくらいの距離があっても成功しており彼らの動体視力には驚きました。

レネゲードショー

4日目の夜はレネゲードショーがありました。

レネゲードショーとは何でもありのパフォーマンスショーで、参加者は何かしらの仮装をしなければ入場することができません。私は何も用意していなかったので、フェイスペイントをしていたジャグラーに絵の具を借りて、顔に適当なペイントをして入場しました。

トップバッターはByron Huttonによるクラブアクト。無音の中でとてもハイレベルな3,4クラブの演技を行い、見ていて鳥肌が立ちました。

Joe Fisherのクラブアクトはテンポの速い曲に乗せて5クラブやバウンス技を決めており、最後は観客のスタンディングオベーションが起きていました。会場では抽選会も行われ、景品のファイヤー関連の道具がずらりと並んでいました。

総評

Spinfestは運営がしっかりとしていて、本当に充実した時間を過ごせました。帰りは参加者に駅まで乗せてもらい、無事にブリスベンへ帰ることができました。

今回のイベントにて、日本のジャグリングイベントでは感じられない、オーストラリアの文化をいくつか感じることができました。
一つ目は、彼らが練習する理由です。彼らは夜間に火を使ったパフォーマンスをするために日々練習していました。実際に会場では、日本でよく見かけるテールポイを使っている人は1人もおらず、コンタクトポイを使用している人ばかりでした。理由を聞いてみると、ファイヤーポイの形に近いからとのことでした。

二つ目に、彼らは”flow”の考え方を大切にしているということです。実際に参加してみて、私にもなんとなくflowというものが分かりました。ある参加者は「僕たたちにとって、flowはlifeなんだよ」と言っていました。彼らの動きは無理をせず、自然に任せてリラックスしているようで、見ていて気持ちよかったです。

三つ目にイベントの開催日程についてです。日本最大のジャグリングイベントであるJJFの開催期間が3日間であるのに対し、Spinfestは平日を含む5日間の開催でした。参加者の中には、1週間程休みを取って来ている人もいました。どうやらオージーには気軽に休みを取って良いという考え方があり、会社も休みに対して寛大なようです。

終わりに

英語が十分に話せない私に対しても、彼らは決して笑ったりすることなく話を聞いてくれて、コミュニケーションを取ることができました。

ジャグリングという世界共通のツールは、異国の文化に触れるための強みになると思います。もし海外のジャグリングイベントへの参加に迷っている人がいたら、とりあえず行ってみることをおすすめします。

(左から)筆者、ジョー、ヘイマッシュ、バイロン

芹川さんご自身のブログはこちら。

サーカスアートを紹介する雑誌を繋ぐネットワーク、INCAMに入りました。

編集長です。

2017年12月、PONTEが、ウェブ/紙の発信媒体として、INCAMと呼ばれるサーカスアートを紹介する雑誌を繋ぐネットワークに入りました。

 

全世界、とはいかないまでも、ヨーロッパを中心として数多くのサーカスメディアが掲載されています。

 

 

またこの団体は定期的にINCAM meeting というミーティングを開いており、今年2018年には、ブリュッセルで開かれるFresh Circusというイベントに合わせて行われます。

そこには、PONTE代表・青木直哉も参加します。

同時にブリュッセルで開催されるFresh Circusや、Festival UP! といったイベントもありますので、そちらのレポートなどもお届けします。